コンサートの記(381) 「近江の春 びわ湖クラシック音楽祭」2018 大植英次指揮大阪フィルハーモニー交響楽団 ショスタコーヴィチ 交響曲第5番
2018年5月5日 びわ湖ホール大ホールにて
午後2時30分から、大ホールで、大植英次指揮大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏によるショスタコーヴィチの交響曲第5番を聴く。
今年はレナード・バーンスタインの生誕100年に当たるということで、バーンスタインの作品と、指揮者としてのバーンスタインが最も得意としたショスタコーヴィチの交響曲第5番を合わせて取り上げるという演奏会を広上淳一や佐渡裕が行ったり企画したりしているが、この演奏会も同様のものである(大植と大フィルは、昨日、バーンスタインの「ウエストサイド・ストーリー」より“シンフォニック・ダンス”を演奏している)。
今日のコンサートマスターは崔文洙。今日は第4楽章でヴァイオリンの弦が切れるというアクシデントがあり、ヴァイオリンがリレーされて運ばれ、弦が張り替えられて戻ってくるという珍しい場面を目にすることになった。
びわ湖ホール大ホールの音響の効果もあって、鈍重な傾向のある大フィルの音がソフィスティケートされて聞こえる。弦に厚みがあり、管も力強い。
大植は1拍目のみを示すことが多いが、低弦と管には細かな表情付けを行うこともある。この曲のヒロイックな場面は皮相にして、嘆きの部分を丁寧に歌うことで、この曲の一般的な演奏とは別の表情を浮かび上がらせる。ピッチカートの力強さが印象的であり、第3楽章では弦楽器ががなり立てるように歌うところがある。当然、音は汚くなるのだが、それもまた意図したものなのだと思える。
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