コンサートの記(390) 尾高忠明指揮大阪フィルハーモニー交響楽団 「ベートーヴェン交響曲全曲演奏会Ⅰ」
2018年5月17日 大阪・中之島のフェスティバルホールにて
午後7時から、大阪・中之島のフェスティバルホールで、尾高忠明指揮大阪フィルハーモニー交響楽団によるベートーヴェン交響曲全曲演奏会第1回を聴く。大阪フィルが朝比奈時代から何度も繰り返し行って来たベートーヴェン交響曲チクルスの新シリーズである。
札幌交響楽団時代にもベートーヴェン交響曲全曲演奏を行っている尾高忠明。大阪フィルのシェフに就任してまず大フィルの看板企画に挑むことに決めた。
今日の演目は、バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲、交響曲第1番、劇音楽「エグモント」序曲、交響曲第2番。
今日のコンサートマスターは崔文洙。ベートーヴェンの初期交響曲であるが、第1ヴァイオリン14型と大きな編成での演奏。ピリオド・アプローチを採用しているが、スケールは大きく、ベートーヴェンの初期作品ではあっても大交響曲として演奏していることがわかる。
今日もノンタクトで指揮する尾高忠明。やや速めのテンポでの演奏。エネルギー放出量は大きいが、弦楽にHIPを取り入れているためか暑苦しくはならない。
フォルムの堅固さも特徴であり、朝比奈以来のDNAが保たれているのが確認出来た。
時折、音像が雑になるところもあったが、第1回の演奏としては上出来だったように思う。
全曲演奏終了後、尾高は、「あと7曲ありますので、よろしくお願いします」と言い、最後は「おやすみなさい」のポーズをして指揮台を後にした。
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