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2018年10月26日 (金)

コンサートの記(445) 「時の響」2018初日 大ホール第3部 松尾葉子指揮オーケストラ・アンサンブル金沢 岸田繁リクエスツ「フランス音楽」

2018年10月20日 京都コンサートホールにて

「時の響」2018初日、大ホールでの第3部、岸田繁リクエスツ「フランス音楽」を聴く。演奏は第2部に引き続き松尾葉子指揮のオーケストラ・アンサンブル金沢が行う。クラシック音楽愛好家としても知られる、くるりの岸田繁が選んだフレンチクラシックの演奏。

曲目は、ビゼーの「アルルの女」第1組曲、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」、サン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」(ヴァイオリン独奏:坂口昌優)、ラヴェルの「クープランの墓」より“リゴードン”。


ビゼーの「アルルの女」第1組曲での迫力や熱狂、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」の抒情美などいずれも見事である。

「亡き王女のためのパヴァーヌ」を演奏終了後、松尾はマイクを手にスピーチを行う。「フランス音楽って(他の国の音楽と)どこが違うですか?」と聞かれることがあるそうだが、フランス人は最後まで説明するのを嫌うそうで、「亡き王女のためのパヴァーヌ」もタイトルからしてもそうだが、聴き手の想像に委ねられているという。松尾は、フランス映画「太陽がいっぱい」のラストを相手に委ねる例として挙げていた(「太陽がいっぱい」では、主人公のリプレーが今後どうなるのかは具体的に描かれていないが、画面に映ったあるものでその後が予想出来るようになっている)。


サン=サーンスの「序奏とロンド、カプリチオーソ」。ソリストの坂口昌優(さかぐち・まゆ)は、桐朋女子高校音楽科、桐朋学園大学を経て、同大学研究科を修了。2008年より文化庁新進芸術家海外研修員としてブリュッセル王立音楽院に留学し、2011年に帰国。
ナポリで行われた第14回アルベルト・クルチ国際ヴァイオリンコンクールでは第2位に入っている。

短い曲であるが、坂口は高音の切れが印象的な演奏を聴かせた。


松尾のスピーチ。フランス語は単語数が多く、後ろから修飾している言葉であるため、フランス人はみな早口だそうである。松尾もそれに影響されて早口になったそうでだが、早口なフランス人が描かれた曲として、ラヴェルの「クープランの墓」から“リドーゴン”が演奏される。すっきりとした都会的な演奏であった。



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