« 美術回廊(20) 生誕100年「いわさきちひろ、絵描きです。」@美術館えきKYOTO | トップページ | 観劇感想精選(275) ブロードウェイ・ミュージカル「SPELLING BEE(スペリング・ビー)」 »

2018年12月 9日 (日)

これまでに観た映画より(112) 北野武監督作品「アキレスと亀」

DVDで日本映画「アキレスと亀」を観る。北野武監督作品。出演、ビートたけし、樋口可南子、柳憂怜、麻生久美子、中尾彬、伊武雅刀、徳永えり、大杉漣、筒井真理子、大森南朋ほか。

芸術を志した倉持真知寿という男の悲喜こもごもの人生を描く。

群馬県の富豪の家に生まれた真知寿は、絵画好きの父親(中尾彬)の影響もあって幼い頃から絵を描き始める。やがて真知寿の父親の会社は倒産。父親は自殺し、父親の弟(大杉漣)の家に預けられた真知寿は冷たい仕打ちを受け、やがて養護施設に引き取られる。

成人した真知寿(柳憂怜)は印刷会社で働きながら絵の学校に通うが、志を同じくする仲間が一人また一人と減っていく。そんな中で真知寿は幸子(麻生久美子)という伴侶を得た。

中年になった真知寿(ビートたけし)は幸子(樋口可南子)とともに制作を続けるのだが、絵はやはり売れない……。

少年時代の真知寿は哀しく、青年時代の真知寿は寂しげだが、中年になって幸子と共に制作を続ける真知寿の姿はまるでコントのよう。ここのペーソスとユーモアの対比とバランスは見事である。

そして、ほっとさせられるラストシーン。真知寿は芸術を必死で追い続けていたが、それよりも大切なものをすでに見つけていたのだ。

見終わって少し温かい気持ちにさせられる作品である。

| |

« 美術回廊(20) 生誕100年「いわさきちひろ、絵描きです。」@美術館えきKYOTO | トップページ | 観劇感想精選(275) ブロードウェイ・ミュージカル「SPELLING BEE(スペリング・ビー)」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: これまでに観た映画より(112) 北野武監督作品「アキレスと亀」:

« 美術回廊(20) 生誕100年「いわさきちひろ、絵描きです。」@美術館えきKYOTO | トップページ | 観劇感想精選(275) ブロードウェイ・ミュージカル「SPELLING BEE(スペリング・ビー)」 »