コンサートの記(488) 「Chidoriya Rocks 69th」
2018年12月26日 左京区岡崎のロームシアター京都メインホールにて
午後6時から、ロームシアター京都メインホールで、「Chidoriya Rocks 69th」を聴く。
芸舞妓ご愛用の化粧品、和小物、美容雑貨などを扱う、京都ちどりやの創立69年目を祝うライブ。伝統芸能を体現している芸舞妓とミュージシャンのコラボレーションが行われており、2009年からの不定期開催で、今回で4度目の公演となる。
出演は、屋敷豪太、奥田民生、Mannish Boys(斉藤和義×中村達也)、KenKen、佐藤タイジ、小原礼、佐橋佳幸、西慎嗣、斎藤有太、山本拓夫、宮川町舞妓・芸妓。
4部構成からなっており、1部が宮川町の芸舞妓の舞披露、第2部が屋敷豪太のニューアルバム全曲演奏会、第3部がMannish Boysのライブ、第4部が奥田民生のライブである。
開演前に、今年の災害で亡くなった方のための黙祷が捧げられる。
宮川町の舞妓と芸妓の舞からスタート。粋で儚げな「宮川音頭」に始まり、春夏秋冬それぞれの舞を披露する。
屋敷豪太のニューアルバム全曲演奏。アルバムタイトルは、「Made in Kyoto」で、黒谷和紙による生産限定版も出る予定であり、現在、予約を受け付けていて、先行で会場でも手に入る。
英語を中心とした歌詞であり、ボーカルは数人が担当。背後のスクリーンに映像も投影される。なかなか良い音楽である。
15分の休憩を挟んで第3部、Mannish Boysのライブ。斉藤和義は、ロームシアター京都メインホールでのコンサートを行ったことがあり、中村達也もサウスホールで行われた田中泯のダンス公演にドラマーとして参加していた。
斉藤和義のファンはやはり多いようで、それまでとは客席の空気が異なる。
新曲の披露があり、「ヒッチハイク」という曲が歌われた。
第4部の前に、京都ちどりや代表取締役で、屋敷豪太夫人である屋敷朋美が舞妓を引き連れて登場し、挨拶を行う。更に屋敷豪太の出身地で、台風災害などに遭った綾部市の農家向けの募金も呼び掛けていた。
第4部、奥田民生ライブ。
サングラスを掛けた奥田民生は、「あー、どうも奥田民生です」と挨拶する。それから「待ち時間が、」と言って、トリだけに待ち時間が長く、楽屋で時間を潰すのに苦労した「地獄のような」待ち時間だったことを述べる。
「マシマロ」でスタート。その後、「奥田民生の歌をうたいます。結構有名な曲だと思います。比較的」と言って、「イージューライダー」が歌われる。生で聴くと疾走感が出て格好良い。
屋敷豪太の新曲も披露される。舞妓のことを歌ったもので、舞妓達も特別にステージ上に現れて手拍子を行う。舞妓達の登場はサプライズで、屋敷以外のメンバーは本番まで知らなかったそうだ。
屋敷豪太が、中学生の頃に福知山までキャンディーズのコンサートを聴きに行き、紙テープを投げたら、当時、キャンディーズのバックでギターを弾いていた西慎嗣の頭に当たったという話から、西が所属していたスペクトラムというバンドでギターを回していたという話になり、奥田民生が、「YouTubeに載っているよ。今日、帰ったら(お客さん)全員、YouTube見るよ」と言う。
更に、屋敷豪太からのリクエストで、レッド・ツェッペリンの「ロックンロール」が歌われる。高音が連続するため、歌うのに体力がいりそうであるが、奥田民生は「lonely」が連続する歌詞をソウルを込めて歌い切る。
アンコール。奥田民生と斉藤和義のツートップ布陣というかなり豪華なものだが、まず宮川町の芸舞妓による「祇園小唄」の演奏と舞があり、左右に分かれて踊る芸舞妓をミュージシャン達が近くに突っ立ってボーッと見ているというシュールな光景に笑いが起こる。
2番からは、ミュージシャン達の演奏と歌による舞が行われる。最後は上手側の芸舞妓3人だけの踊りとなり、可憐さと幻想的な美しさに溢れる。
屋敷豪太の提案で、ステージ上でのお座敷遊び「とらとら」が行われる。衝立が運ばれ、まず、一番興味を示したというKenKenと芸妓さんの「とらとら」。芸妓さんが「とらとら」のルールを説明する。要はジャンケンなのだが、体を使ったジャンケンで、グーチョキパーではなく、「虎」「槍」「老婆」の三すくみとなる。「虎」と「槍」では「槍」が勝ち、「虎」と「老婆」では「虎」が勝つが、「槍」を持った若者は実は「老婆」の息子ということで、「槍」と「老婆」では「老婆」の勝利となる。
KenKenと芸妓さんとでは、KenKenが「老婆」で引き分けの後、「槍」で勝つが、勝った方が罰ゲームということで、奥田民生が持ってきていた朝鮮人参酒の一気飲みをする。コールは芸妓さんが行う。
更に、斉藤和義が芸妓さんと行って「老婆」で負け、負けの罰ゲームで一気飲み。斉藤は「まずい」と言い、奥田に「健康には良いから」「馬鹿! これ高いんだぞ!」と言われる。
その後、奥田も「とらとら」を行って「老婆」で、勝って罰ゲーム。自分が持ってきた朝鮮人参酒だが、「自分で飲むのと飲まされるのとでは違う」と語っていた。
奥田民生と斉藤和義のツインボーカルによる、「さすらい」と「ずっと好きだった」というヒット曲が立て続けに歌われ、客席もステージ上も大いに盛り上がる。
最後は、出演者全員が客席をバックに集合写真を撮ってお開きとなった。
なお、「Chidoriya Rocks」は、今年から毎年開催される予定だそうである。
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