キエフ・バレエ 「白鳥の湖」@ロームシアター京都
2018年12月16日 ロームシアター京都メインホールにて
午後3時から、ロームシアター京都メインホールで、キエフ・バレエ(タラス・シェフチェンコ記念ウクライナ国立バレエ)による「白鳥の湖」を観る。文字通り、ウクライナの首都キエフにある国立バレエ団の来日公演。創設は1901年で、100年以上の歴史を誇っている。キエフは京都市の姉妹都市ということで、優先的に公演が行われるのだと思われる。
指揮は日本でも知名度のあるミコラ・ジャジューラ。演奏はウクライナ国立歌劇場管弦楽団。
出演は、エレーナ・フィリピエワ(オデット/オディール)、デニス・ニェダク(ジークフリート王子)、ヴィタリー・ネトルネンコ(ロットバルト)、オクサーナ・グリャーエワほか。
ヨーロッパで2番目に大きな国であるウクライナ。1位はロシアであり、旧ソビエト連邦がいかに広大な国であったかがわかる。
ミコラ(ニコライ)・ジャジューラは以前に、キエフ国立フィルハーモニー管弦楽団を率いて京都コンサートホールでの公演を行っているが、キエフ国立フィルとウクライナ国立歌劇場管弦楽団は同一母体のようである。
世界で最も知名度の高いバレエであるチャイコフスキーの「白鳥の湖」。私は、シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団による全曲盤を聴いたり、ワレリー・ゲルギエフ指揮サンクトペテルブルク・マリインスキー劇場管弦楽団ほかによる映像を観ていたりするが、劇場で観るのは初めてとなる。
今日は4階席の3列目下手側の席だったのだが、前列には1人も座らず、1列目も1人座っているだけ。前の方は値段がワンランク上がるため、チケットが余ったようである。
ウクライナは美人の出所として知られており、女性バレリーナも男性バレリーナもみなスタイルが良い。体格面では日本人はルックス、パワー共に勝てないと思われる。
芸術に力を入れていた旧東側の団体だけに、レベルも高い。女性バレリーナの可憐さ、男性バレリーナのダイナミックさなど、優れたところはいくらでも上げられる。人海戦術も効果的であり、一糸乱れぬ群舞は見事というほかない。
ジャジューラはかなり速めのテンポを採用。実践的な音楽作りである。ウクライナ国立歌劇場管弦楽団は、金管の音が特に豊かであり、粗めのところもあるがパワーと秀でた美的感覚で押し切る。躍動感では理想的なバレエ伴奏といえる。
途中、ジークフリート王子役のデニス・ニェダクの出がなぜか遅れて間が開いてしまうという場面があったが、それ以外は高水準の展開。
オディールに扮した時のエレーナ・フィリピエワや、ロットバルト役のヴィタリー・ネトルネンコの動きが大きく、おどろおどろしさを出す必要から悪役の方が運動量が増える傾向のあることが見て取れた。
2度の休憩を含めて約2時間50分の長丁場であるが、高い集中力で乗り切るキエフ・バレエ。優れた団体だ。
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