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2019年1月 2日 (水)

コンサートの記(491) 漆原朝子&ベリー・スナイダー ロベルト・シューマン ヴァイオリン・ソナタ全3曲と3つのロマンス

2018年12月21日 京都コンサートホール小ホール・アンサンブルホールムラタにて

午後7時から、京都コンサートホール小ホール・アンサンブルホールムラタで、漆原朝子とベリー・スナイダーによるロベルト・シューマンのヴァイオリン・ソナタ全3曲と3つのロマンスを聴く。

漆原姉妹の妹さんである漆原朝子。以前、大阪倶楽部4階ホールで室内楽の演奏会を聴いたことがある。茂木大輔のエッセイに飛行機を止めたという話が載っていたっけ。

ベリー・スナイダーは、1966年にヴァン・クライバーン国際コンクールで3つの賞を獲得したことがあるというピアニスト。1970年よりイーストマン音楽院ピアノ科教授を長年に渡って務めたほか、マンチェスターのロイヤル・ノーザン・カレッジ・オブ・ミュージック、ロンドンのトリニティ・カレッジとギルドホールスクール、ポーランドのアカデミー・オブ・ミュージック、フライブルク音楽学校、ニューヨークのマンハッタンスクール・オブ・ミュージック、ミシガン大学、ヒューストン大学でマスタークラスを行っている。


曲順は、ヴァイオリン・ソナタ第1番、ヴァイオリン・ソナタ第3番、3つのロマンス、ヴァイオリン・ソナタ第2番。


ヴァイオリン・ソナタ第1番。ムラタホールの音響がシューマンをやるにはや乾き気味なのが難点だが、その後は耳も慣れて特に気にならなくなる。
最終楽章のドラマティックな展開が印象的である。


ヴァイオリン・ソナタ第3番。この曲では、漆原の高音の美しさが特に気に入った。


3つのロマンス。オーボエあるいはクラリネットもしくはヴァイオリンと伴奏ピアノのために書かれた作品である。ロマンスと聞いて想像するような愛らしさよりも深い思索を感じされる作品であるが、漆原は丁寧な演奏で聴かせた。


ヴァイオリン・ソナタ第2番。シューマンのヴァイオリン・ソナタの中では最もスケール豊かな作品である。第3楽章冒頭ではピッチカートが連続する部分があるなど、表現の幅も広い。漆原のヴァイオリンはスケールの大きさを感じさせ、展開も巧みである。

ベリー・スナイダーは、ソリストとしても活躍しているようだが、伴奏ピアニストとしてかなりの実力者のようで、上手く漆原を立てて丸みのある音できちんとした設計を行っていく。

音で読む叙事詩のような演奏会であった。


アンコール演奏。漆原は、「今日はお越し下さってありがとうございました。クララ・シューマンの3つのロマンスから第1曲」と言って演奏を始める。可憐な作品で、ロベルトとの作風の対比がよい効果を生む。

その後、「リーダークライス」第2集から第1曲と第12曲の編曲版が演奏された。

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