コンサートの記(492) 大阪フィルハーモニー交響楽団京都特別演奏会「大植英次スペシャル」2010
2010年4月20日 京都コンサートホールにて
京都コンサートホールでの、大阪フィルハーモニー交響楽団京都特別演奏会「大植英次スペシャル」を聴く。指揮はもちろん大植英次である。午後7時開演。
曲目は、ロッシーニの「泥棒かささぎ」序曲、ショパンのピアノ協奏曲第2番(ピアノ独奏:菊池洋子)、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」。
古典的配置での演奏である。
ロッシーニの「泥棒かささぎ」序曲では舞台の両袖にスネアドラムをおいての演奏。大植はほとんど手を振らなかったり、背もたれに手を置いて目だけで指揮したり、かと思えば大袈裟に腕を振り回したりと、変幻自在の指揮ぶり。音楽も極端に音を引き延ばす箇所があるなど自在な作りであった。
ショパンのピアノ協奏曲第2番。ソリストの菊池洋子のピアノはマイルドな音が特徴。第2楽章のリリシズムも印象的だが、強奏の部分に少々乱暴さが感じられたのが玉に瑕だった。
大植に促され、菊池はアンコールとして、「子犬のワルツ」を弾いた。
チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」。コントラバスを最後列に横一線に並べるという配置である。ゆったりとした冒頭は、真横に並べられたコントラバスが効果的。そこから加速するが、金管の精度がいかにも低い。第2主題も熱を帯びてはおらず、大植は相変わらずエンジンのかかりが遅いようだ。
最強音の部分に達してようやく大植にもエンジンが掛かり、巧みなオケ捌きが繰り広げられる。
第2楽章はたびたびテンポが変わるという、ロマン的な解釈だったが、不自然な感じはしなかった。
第3楽章は熱い演奏。今日は金管の出来が悪いが、それでも盛り上がる演奏で、楽章の終わりに拍手が起こった。
第4楽章も金管の精度の低さが気になったが、それなりに熱い演奏が展開される。ただ、大植ならもっと熱い演奏をするかと思ったが、案外、冷静さが保たれていた。最後のコントラバスのピッチカートは、コントラバス群が横一列に並んでいるだけに視覚的にも効果的であった。
アンコールとして、レナード・バーンスタインの「管弦楽のためのディヴェルティメント」より“ワルツ”が演奏された。
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