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2019年1月19日 (土)

コンサートの記(511) 京都外国語大学・京都外国語短期大学 第52回教養講座 京都フィルハーモニー室内合奏団「新春コンサート」2019

2019年1月16日 右京区の京都外国語大学 森田記念講堂にて

午後6時半から、京都外国語大学森田記念講堂で、京都フィルハーモニー室内合奏団の「新春コンサート」を聴く。京都外国語大学・京都外国語短期大学の第52回教養講座として行われるもので、事前申し込み不要の無料公演である。中央列は招待客エリアとなっているが、その他は自由席である。


森田記念講堂に来るのは初めてだが、木の温もりが感じられる内装で響きも素直。好感の持てるホールである。京都フィルハーモニー室内合奏団は、森田記念講堂を練習場として使用しているそうだ。


曲目は、前半がクラシック作品で、シャンパンティエの「テ・デウム」より前奏曲、ヴィヴァルディのファゴット協奏曲ホ短調より第1楽章、モーツァルトの弦楽四重奏曲第14番「春」より第1楽章、モーツァルトのクラリネット五重奏曲より第2楽章、ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツ「春の声」、ヨーゼフ・シュトラウスの「鍛冶屋のポルカ」、ヨハン・シュトラウスⅡ世の「山賊のギャロップ」、オッフェンバックの歌劇「ホフマン物語」より人形の歌、ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツ「美しく青きドナウ」。後半はポピュラーと映画音楽で、ビートルズの「オブラディ・オブラダ」、ロッド・スチュワートの「セイリング」、ジェスロ・タルの「ブーレ」、エンニオ・モリコーネの「ガブリエルのオーボエ」、坂本龍一の「ラストエンペラー」、チャック・マンジョーネの「フィール・ソー・グッド」、ジャニス・ジョプリンの「ジャニスの祈り」、フレデリック・ロウのミュージカル「マイ・フェア・レディ」より踊り明かそう。

司会はソプラノ歌手の四方典子(よも・のりこ)が務める。四方はオッフェンバックの歌劇「ホフマン物語」より人形の歌とミュージカル「マイ・フェア・レディ」より踊り明かそうではソプラノ独唱も担う。司会には慣れていないようで、トークも得意とはしていないようである。


名前からもわかる通り、京都フィルハーモニー室内合奏団は編成が小さいので、音の足りないところをピアノで補ったり、小編成用のアレンジを用いたりして演奏を行う。室内楽の定期演奏も行っているが、常設の室外楽団体ではないので、カルテットでの演奏などは本職に比べると典雅さや緻密さで後れを取るのは致し方ない。

各々のメンバーがソロを務め、楽器紹介を行うなど、家庭的な楽しさに溢れる演奏会である。

四方典子は、「人形の歌」では機械仕掛けのオランピアの歌唱を巧みに歌い(ねじ巻き係はトランペットの西谷良彦が務める)、「踊り明かそう」では英語と日本語で伸び伸びとした歌声を聴かせる。ただ、「踊り明かそう」はクラシカルな歌唱よりもミュージカル風に歌った方が効果的であるように感じる。クラシックの歌唱法では声に感情が乗りにくいのである。

後半の楽曲では、坂本龍一の「ラストエンペラー」が演奏されたのが嬉しい。二胡を独奏とする曲だが、今回はヴィオラを独奏とする編曲を採用し、京フィルヴィオラ奏者の松田美奈子がソロを務めた。


アンコールは、ヨハン・シュトラウスⅠ世の「ラデツキー行進曲」。勿論、聴衆も手拍子で参加した。


なお、開会の挨拶と終演後の挨拶は京都外国語大学の女子学生が行ったが、自身のこと「1年次生」と紹介し、終演後の花束贈呈で現れた男子学生を「2年次生」と紹介していたため、京都外大では関西で主流の○回生やその他の地域で一般的な○年生ではなく、○年次生という独自の表現を行うことがわかった。


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