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2019年6月 2日 (日)

コンサートの記(560) 「ラージャスターンの風2019」砂漠の街の4人の楽士 京都公演

2019年5月17日 南禅寺前の京都市国際交流会館イベントホールにて

午後6時30分から、京都市国際交流会館イベントホールで「ラージャスターンの風2019」砂漠の街の4人の楽士 京都公演を聴く。Jaisalmer Beatsによるインド音楽の演奏会。
インド西北部のラージャスターン州のジャイサルメールに住む4人のミュージシャンが結成したJaisalmer Beats。マーンガニヤールという階級に属しているそうだが、このマーンガニヤールというのはイスラム教徒でありながらヒンドゥー教の王族に仕えてきた音楽カーストのことだそうである。このカーストに生まれたら音楽家以外にはなれないそうだ。
出演はサリム・カーンとケテ・カーンの兄弟、ビルバル・カーン、サワイ・カーンの4人。
ダンサーとして日本への招聘社であるmadhuと、大阪在住のラージャスターンダンサーであるNalikaと彼女のダンスグループの弟子であるEriとToki、更に千葉市出身のバーンスリー奏者である寺原太郎も2曲に参加する。
使われる楽器は、カスタネットのようなカルタール、演奏する3本の弦と共鳴する7本の弦を持つ7本の弦からなるカマイチャー、両面太鼓のドーラク、口琴のモールチャン、手ふいごオルガンのハルモニウム、一弦楽器のパパン、壺状の打楽器であるマトゥーカなど。

個人的には邦楽も含む民族音楽も好きなのだが、生で聴く機会は余りないので貴重である。

マーンガニヤールは、結婚式などのお目出度い場所で演奏を行うことも多いようで、全体的に高揚感のある音楽が多い。こうした音楽は耳と頭で聴くのではなく体全体で感じるべきものであり、オーディエンスも手拍子を行うなど、自発的に、ある意味参加して音楽を味わっている。
音楽の捉え方も西洋とは異なっており、リズムが中心である。旋律は区別がつかないか、区別がついたとしてもそれほど重要視されてはおらず、楽器そのものの音と声に込められたソウルに重点が置かれている。ある意味、物語的ではない音楽である。

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