美術回廊(31) 京都国立近代美術館 トルコ文化年2019「トルコ至宝展 チューリップの宮殿トプカプの美」
2019年7月26日 左京区岡崎の京都国立近代美術館にて
左京区岡崎にある京都国立近代美術館で、トルコ文化年2019「トルコ至宝展 チューリップの宮殿トプカプの美」を観る。イスタンブールにあるオスマントルコのトプカプ宮殿遺物の展覧会である。トプカプ宮殿は現在は博物館になっている。
強国として知られるオスマントルコ。1453年に要塞都市であった首都のコンスタンティノープルを攻略し、東ローマ帝国を滅亡させたことでもよく知られている。コンスタンティノープルはその後、オスマントルコの首都として栄え、イスタンブールとなった現在は首都の座はアンカラに譲っているが、ヨーロッパとアジアの中継地点にある都市として隆盛を誇っている。
トルコを原産とするチューリップは、トルコ語で「ラーレ」というのだが、トルコの文字で並べ替えると「アラー」や滋賀県知事じゃなかった「三日月(ヒラール)」になるということで「幸せの花」として愛されているそうである。
ということで、今回はチューリップのデザインがフィーチャーされている。装身具はもちろん、盾や兜の立物、射手用指輪という兵器にまでチューリップのデザインが施されている。
トルコは陶器の表面に宝石を飾り付けることが流行っていたそうで、ルビーやエメラルド、トルコ石、サファイヤなどの宝石が鏤められた皿や茶碗などを見ることも出来る。他の宝石はそうでもないが、なぜかエメラルドには惹かれる。
日本とトルコの交流に尽力した山田寅次郎(山田宗有)の『土耳古畫觀(とるこがかん)』もページを開けた形で展示されている。トルコという国号の由来が、「オスマンの人々が七面鳥(ターキー)を好んだから」と解説されているが、これは言うまでもなく誤解である。
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