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2019年12月 9日 (月)

コンサートの記(614) Marihiko Hara 《FOR A SILENT SPACE 2019 KYOTO》

2019年12月2日 左京区岡崎のロームシアター京都ノースホール

午後7時から、左京区岡崎のロームシアター京都ノースホールで、Marihiko Hara 《FOR A SILENT SPACE 2019 KYOTO》を聴く。
野田秀樹の「贋作 桜の森の満開の下」の音楽を手掛け、「『Q』 A Night At The Kabuki」ではサウンドデザインを手掛けた原摩利彦。1983年生まれ、京都大学教育学部卒業、同大学大学院教育研究科修士課程中退で、京都を本拠地としている作曲家である。現在は京都のパフォーマンス・アート・グループであるダムタイプにも参加している。ベートーヴェンと坂本龍一に影響を受け、坂本龍一とは後に共演も果たしている。
私は音楽家ではないが、好きな音楽は一致しているようである。

《FOR A SILENT SPACE》は、原摩利彦の室内楽コンサートのシリーズで、劇場での公演は初となる。原も「室内楽と言いながら基本一人なんですが」と語っていた通り、ピアノの他はコンピューターを使って流れる音楽で構成されており、演奏者は原一人である。今後は演奏家を増やしていく計画もあるそうである。

曲目は、「Habit」「Nuage」「Vibe」「山村余情」「Grazia」「Entree」「Carina」「Circle of Life」「Fontana」「Midi」「Memoire」「Inscape」「Nocturne」、映画「駅までの道をおしえて」より「Main Theme」、NODA・MAP舞台「贋作 桜の森の満開の下」より「Waltz」と「Princess Yonaga」、「Confession」「Passion」「Via Muzio Clementi」

演奏時間約1時間20分、ノンストップでのライブである。

コンピューターを使って出すアンビエント系の音楽は、坂本龍一よりも細野晴臣に近い印象を受けるが、ピアノで弾かれる曲はどれもどこか懐かしく、坂本龍一や坂本龍一が影響を受けた音楽家(ブライアン・イーノなど)の姿が仄見えたりする。基本的は鋭さの余りない美しい音楽である。

「贋作 桜の森の満開の下」は、残念ながら観ることが出来なかったのだが(新歌舞伎座での公演は抽選に漏れた)、「Waltz」も「Princss Yonaga(夜長姫)」も野田秀樹の世界観に合いそうな音楽である。実は「贋作 桜の森の満開の下」はテレビ放送されたものを録画はしているのだが、まだ観ていなかったりする。早く観よう。

ラストに弾かれた「Via Muzio Clementi」は、ローマのクレメンティ通り沿いにピアノの弾けるアパートを借りて、一夏掛けて作曲したそうである。それを友人に話したところ、「え? お前、ずっとローマにいて1曲しか書かなかったん?」と言われたそうで、原本人は「1曲書き上げたぞ!」という達成感で得意になっていたのだが、そう言われて、「え? 足りなかったん?」と肩透かしをくらったようになったそうだ。その友人というのが作曲やなんらかの創作をするのか否かで内容が変わってきそうな話であるが。

今の天候が雨上がりということで、アンコールとして「After Rain」という曲が演奏される。三拍子のウキウキした感じの曲であった。

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