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2020年3月 5日 (木)

これまでに観た映画より(157) 「感染列島」

配信で日本映画「感染列島」を観る。2009年に公開された瀬々敬久監督作品である。出演:妻夫木聡、檀れい、池脇千鶴、国仲涼子、馬渕英里何、田中裕二(爆笑問題)、光石研、キムラ緑子、宮川一朗太、嶋田久作、正名僕蔵、カンニング竹山、山中聡、佐藤浩市(友情出演)、藤竜也ほか。

パンデミックを題材にしたパニックスリラーにも分類されるような映画であるが、基本的にはヒューマンドラマ路線である。


フィリピンの内陸の村で鶏インフルエンザが流行したことが前段階として描かれる。

東京都いずみ野市という架空の街が主舞台である。いずみ野市立病院に運ばれた患者の真鍋(山中聡)が、突然、血を吐くなど劇症を示す。救命救急医の松岡剛(妻夫木聡)や安藤一馬(佐藤浩市)らが処置に当たるが、真鍋は死亡。真鍋の妻で一緒に付き添いで病室に入っていた麻美(池脇千鶴)も感染する。

フィリピンでの鶏インフルエンザ封じ込めに成功した、WHOメディカルオフィサーの小林栄子(檀れい)が、いずみ野市立病院に派遣されてくる。院内感染があったため、栄子は病院の封鎖を指示し、病床の確保を優先するために訪れた患者も重症者を優先させてそうでない人には自宅療養を勧めて帰すなどしたため、医師や看護師、患者などからも反発を受けることになる。

鶏インフルエンザの発生源とされた養鶏場を営む神倉(光石研)の自宅には投石があったり、神倉を非難する電話が掛かってきたりする。

いたたまれなくなった神倉は縊死してしまうのだが、残酷なことにその後、現在流行しているのは鶏インフルエンザではなく、新種のウイルスであることが判明する。

パンデミックの怖ろしさが描かれているが、医大生と指導教授の助手として知り合った松岡と栄子を軸にした人間や人命の意味などを問う作品でもある。

何を救うのか、優先させるのを問うという意味では黒沢清監督の映画「カリスマ」に繋がる部分がある(ただ同じテーマではない)。

妻夫木聡と池脇千鶴は、犬童一心監督作品で田辺聖子原作の「ジョゼと虎と魚たち」のコンビであり、見ていて懐かしかった。

結果的には、松岡や大学教授の仁志(藤竜也)によって発生源が突き止められ、ワクチンの開発に繋がるのだが、ワクチンが出来るまでに多くの人命を救ったのは人と人の繋がりであり、技術も勿論だが「心」の大切さが伝わってくる映画である。


今現在は、新型コロナウイルスの発生で、社会的なパニック状態が現在進行形で進んでいるのだが、こういう状況にあっては別の意味での「心」や「人と人の繋がり」のあり方が問われるようになっている。この映画や前田司郎の本によって上演された「生きてるものはいないのか」などではパンデミックの恐怖が描かれているが、まだパンデミックの状態ではないが、現実にその前段階にあると見られるような状況にあっては、パンデミックそのものよりも普通の人々の方が恐ろしいのだということを実感させられる。フィクションでは考えつけない集合体の予測不能の動きが、全世界を沈没させるだけの力を持っているということである。

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