これまでに観た映画より(158) 「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」
DVDでアメリカ映画「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」を観る。ピーター・ランデズマン監督作品。製作:トム・ハンクスほか。出演:ジェームズ・バッジ・デール、ザック・エフロン、ジャッキー・アール・ヘイリー、コリン・ハンクス、デヴィッド・ハーパー、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ロン・リヴィングストン、ジェレミー・ストロング、ビリー・ボブ・ソーントン、ジャッキー・ウィーヴァー、トム・ウェリング、ポール・ジアマッティ、カット・ステフェンズほか。
1962年11月22日に起こった、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件を、陰謀論などを交えず、事実をなるべく忠実に再現することに力点を置いた映画である。パークランドというのはケネディ大統領が狙撃された後に運び込まれた病院の名であり、後にジャック・ルビーに狙撃されたリー・ハーヴェイ・オズワルドもパークランド病院に運び込まれている。
狙撃犯とされるリー・ハーヴェイ・オズワルド(ジェレミー・ストロング)の兄であるロバート・オズワルド(ジェームズ・バッジ・デール)やそのかなりエキセントリックな母親であるマーゲリート・オズワルド(ジャッキー・ウィーヴァー)、サプルーダーフィルムの撮影者として知られながら、その素顔がほとんど知られていないエイブラハム・サプルーダー(ポール・ジアマッティ)などに焦点が当てられており、オリバー・ストーン監督の「JFK」などでは知ることの出来なかった事件直後の生々しい出来事などが丁寧に描かれている。リー・ハーヴェイ・オズワルドがかなり不可解な人物であったことはよく知られているが、その母親もかなり変わっており、あるいは今もなお残るオズワルド単独犯説の根拠となっているのかも知れない。
ケネディ大統領は即死ではなくパークランド病院に運び込まれた時にはまだ脈があり、蘇生術が試みられたこと、リー・ハーヴェイ・オズワルドも狙撃後同じ病院で施術を受けたこと、ケネディ大統領の遺体を巡ってシークレットサービスとテキサス州関係者の間で一悶着あったこと、ケネディ大統領の棺を納めるためにエアフォースワンの搭乗口や内部に手を加えたこと、オズワルドがケネディ大統領と同じ25日に埋葬されたことなど、余り知られていない話が次々に描かれていく。
なるべく忠実に描くことを第一としているため、JFK暗殺に関する陰謀を期待するとドラマに欠けるかも知れないが、骨太で見応えのある作品に仕上がっている。描かれた人々がその後どのような人生を送ったのか明かされているのも興味深い。
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