人類が自然との戦いに勝利したことは史上一度もない
考えてもみて欲しい。老いも死も全て自然のなせる業である。秦の始皇帝を始め、不老不死を願って様々な無茶を重ねた者がいるが、一人たりとも凱歌を上げ続けたことはない。
主に西洋においてはだが、自然は芸術の対立概念である。人は芸術的な意味において、あるいは別の捉え方も可能かも知れないが、自然を愛する。だが、自然に愛され返されることは、こと実質面に関してはない。精神性においてはまた違ってくるが、人類の自然への思いは永遠の片想いに終わる。
一方的な愛で勝利しようなどということ自体が、あるいは人類の奢りなのかも知れないとも思われる。我々は自然を含めた大きな歴史の中に「ある」しかない。
「そういうものだ」と受け止めて我々はまた歩き出す。
| 固定リンク | 0
コメント