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2020年4月28日 (火)

change.org 「演劇は生きる力です。演劇緊急支援プロジェクト」に寄せた文章

 私は劇場に学んだ。義務教育と高校と、更には大学を二つ、そのうち一つは演劇専攻であったが、そうした学校で学んだことよりも劇場で得たことの方が今は大きい。例えば世界の多様性や、懸命に生きる個々の存在や、「絶対」の疑わしさや、言葉とイメージと存在の乖離の知覚や、とにかく私がステージで得られたものを上げれば切りがないが、それらの共通点を上げれば、「社会と対峙することの力」の獲得といえる。いい加減な思い込みで世の人々を押し流そうとするいくつかの社会と対等に切り結ぶために私は演劇と向き合ってきたし、これからも向き合っていくことだろう。「生きる」ために。

 演劇のない「押し流されることを許す社会」にあっては、人は存在することは可能でも「生きる」ことは出来ない。そうならないことを願うものである。そして「良き社会を生む」基盤を演劇は築き上げるものであると確信する。良き社会は個々の想像力から生まれる。それ以外のものからは生まれない。劇場は想像力の宝庫である。コロナ禍後の新しい社会は劇場から生まれると断言しても構わないと私は思っている。

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