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2020年5月19日 (火)

配信公演 茂山千五郎家「YouTubeで逢いましょう! part8 リモート狂言Ⅲ」(文字のみ。アーカイブへのリンクあり)

2020年5月17日

午後2時から茂山千五郎家によるWebLive配信「YouTubeで逢いましょう! part8 リモート狂言Ⅲ」を観る。
今日は冒頭から進行役を務める茂山逸平のパソコンに配信動画が映らないため視聴者からのコメントも読めないというハプニングがあり、茂山千五郎家のIT担当である茂山茂が直すという場面が見られた。ちなみに茂山茂は「長官」と呼ばれている様である。

今回は、清水寺の大西英玄執事補がゲストとして参加。ちなみに清水寺は前年に比べると参拝者が95%減となっているそうである。この大西英玄氏の法話というほど本格的ではないが、清水寺の歴史や、自身の得度の体験、北観音と呼ばれた清水寺に対する南観音(観世音)こと長谷寺が、能の観世流の由来となっているといったお話が面白くてためになるというので、茂山千五郎家からもチャットのコメントからも大好評であった。ちなみに大西氏は清水寺のIT関係も受け持っているようで、検索すると、「清水寺のホームページのアクセス解析を行ったところ、アクセスや拝観時間などのページしか見られていないことがわかった」ため、これではいけないということでインスタグラムを開設して画像や映像の配信を行い、好評であるという。

 

演目は、清水寺ゆかりの「吹取(ふきとり)」が演じられる。清水寺参詣の場が加わった特別編での上演である。

いい年だが独身の男性が、清水寺の観音に妻乞いを行う。通夜(夜通し念じること)をしていると、五条の橋で月に向かって笛を吹けば妻を与えようと観音からの託宣(でいいのかな?)を受けることになる。しかし、男は笛が吹けず……。
出演:茂山千五郎、島田洋海(ひろみ)、山下守之。

笛が吹けない男(茂山千五郎)は、笛の上手(島田洋海)が知り合いにいるので代わりに笛を吹いて貰うことにする。五条の橋(今の五条大橋ではなく、松原大橋である)で笛を吹いて貰うと、果たして妻(山下守之)が現れるのだが、妻は笛の上手を夫と見做してしまう。妻乞いをした男はなんとか妻に振り向いて貰うのだが……。
なんで今まで妻がいなかったのか、なんとなく察せられる内容となっている。

 

太郎冠者と次郎冠者が顔を合わせない演目が一つだけあるという。「樋の酒」という演目であるが、今では廃曲になっているという。だが、茂山逸平が、これはリモート狂言にピッタリだと思いついたということで演じられることになる。

太郎冠者の茂山宗彦(もとひこ)が茂山家の稽古場の能舞台で演じ、次郎冠者の茂山千之丞(茂山童司)と主人役の井口竜也がぞれぞれZoomを使って自室から演目に加わるというリモート上演。

「棒縛」と同じ趣向であるが、「樋の酒」では太郎冠者と次郎冠者がそれぞれ別の蔵に監禁される。次郎冠者は酒蔵に閉じ込められるのだが、これは主人から下戸だと思い込まれているためで、太郎冠者が留守の間に酒を飲んでしまわないようにとの措置である。だが、次郎冠者は実際は「酒豪」と呼んでいいほどの酒好き。ということでガブガブ飲み始め、樋を使って太郎冠者にも酒を与える。上機嫌の二人は舞い始め、という内容である。「Zoom飲み会に見えてきた」というコメントもあった。
実際に隔離されての上演であるため、舞台で演じられるよりもリアリティがある。片方を酒蔵に閉じ込めてしまう必要性が感じられないなど、論理的に破綻しているため廃曲になったのだと思われるが、リモート上演という、ついこの間まで存在すらしなかった上演形態にピタリと填まる。ちなみに宗彦にちなみに宗彦が持つ杯に見立てられた扇に酒を注ぐ樋は茂山逸平が持ち続け、上演後の配役紹介で自ら、「壁:茂山逸平」と読み上げた。

 

狂言と人類愛を結びつけた大西英玄氏のお話の面白さもあり、「今回は神回だった」という言葉がコメント欄に浮かぶが、逸平は清水寺なので「仏さんですよ!」と突っ込み、コメント欄にも「仏回」という言葉が並んだ。


アーカイブ https://www.youtube.com/watch?v=S20nfDl9Nm0&t=329s

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