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2020年6月 8日 (月)

これまでに観た映画より(181) 矢口史靖監督作品「スウィングガールズ」

2004年11月4日 京極東宝にて

京極東宝で矢口史靖(やぐち・しのぶ)監督の「スウィングガールズ」を観る。
京極東宝は歴史ある映画館だがシートは新しく座りやすくなっている。足下にも余裕がある(2006年閉館)。

出演、上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ、白石美帆、平岡祐太、小日向文世、渡辺えり、佐藤二朗、福士誠治、竹中直人

「ウォーターボーイズ」でメジャーになった矢口監督だが、これはその女の子版。ジャズバンド版スポ根風青春劇である。
主人公の名は相変わらず鈴木さんだ。「ウォーターボーイズ」の鈴木君(妻夫木聡)は情けない男だった。「スウィングガールズ」の鈴木さん(上野樹里)も駄目駄目系だが鈴木君とは違い、自分から積極的に道を切り開く女の子だ。
最初は勉強は出来ないし、パソコンも苦手な取り柄のないどうしようもない女の子だったのだが、ジャズに取り憑かれてからは見違えるほど魅力的になる。

一番駄目そうな女の子、関口(本仮屋ユイカ)が一番上達が早いのも面白い。
鈴木さんの表情は以前何度も見たことがある。多分矢口監督が指導したのだろう。

いつもの通り、変な子どもも登場。野球応援に行けなくなった鈴木さん達が泣くシーンは悲しいのだが、これまたおばあちゃんがナイスボケ。笑いに転じている。ストップモーションも最高だ。

カメラワークにも愛情が感じられる。ブラスを真横から撮るのはヘルベルト・フォン・カラヤンがよく演出に用いた方法だが、ブラスが最高に格好良く映るのだ。

スウィングガールズの演奏も凄い。徹底して練習したのだろう。クライマックスの「シング・シング・シング」における客のノリは映画「ベニー・グッドマン物語」を彷彿とさせる。

予想を遙かに上回るご機嫌な映画である。評判はいまいちだそうだけれど、この映画の良さがわからない人は自分で道を切り開いたことのない人だろう。
あり得ない話かも知れないが、いいじゃないか、フィクションなんだから。

「この世の中には二種類の人間がいる。成し遂げる者と諦める者だ」(劇中より)
運も間も悪い女の子達なのだが、諦めずに転がっていればいいことにぶつかる。メッセージと希望が溢れている。これほど観ていて幸せになれる映画もそうはない。

伊丹弥生先生はガールズ達に言ったのと同じジャズ観を小澤先生にも言ったのだろうな。

珍しくパンフレットを買ってしまう。映画のパンフレットを買うのは京都に来てからは初めてではないだろうか。

映画館を出ると周りの風景がいつもよりずっと美しく感じられる。鴨川も北山も東山も夢の中の光景のようだ。

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