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2020年6月22日 (月)

楽興の時(35) 京都坊主BAR 「MANGETSU LIVE vol.21」 リコーダー:森本英希(テレマン室内オーケストラ)

2020年6月6日 本能寺跡近くの京都坊主バーにて

午後7時から、油小路錦小路上ルにある京都坊主BARで、「MANGETSU LIVE vol.21」を聴く。出演は、テレマン室内オーケストラのフルート奏者である森本英希。リコーダーのコンサート、二部制での上演である。

日本でも小中学校の音楽授業で必携になるなどお馴染みの楽器であるリコーダー。バロック期にはリコーダーの曲が多く書かれたが、古典派の時代に入るとフルートなどの横笛のみが生き残るようになり、リコーダーは忘却の彼方へと押しやられた。リコーダーが復権するのは20世紀に入ってからである。

リコーダーの名手としては後に指揮者として高い評価を得ることになる故フランス・ブリュッヘンが有名である。現役の奏者としては、デンマーク出身のミカラ・ペトリの存在が知られる。


お坊さんの経営するバーということで、知り合いにも何人か会う。


飛沫防止のためのビニールシートを前に垂らしての演奏である。演奏の時は当然ながら無理だが、トークはマスクで顔を覆って行われる。


森本英希は、和歌山県橋本市生まれ。京都市立芸術大学修士課程を修了。フルート、バロックフルート、リコーダーを専攻し、篠笛なども演奏するなど、笛のスペシャリストでもある。2013年に日本フルートコンヴェンションコンクールで第1位を獲得。2017年には京都芸術賞と京都新聞社賞を受賞している。


予定されていた曲目の前に、コロナ禍で亡くなった人を追悼するために「涙のパヴァーヌ」の演奏が行われる。「涙のパヴァーヌ」はフランス・ブリュッヘンのアルバムのタイトルにもなっている曲である。

フランス・ブリュッヘンのリコーダーアルバムの代表作は、自らがリコーダー用に編曲したJ・S・バッハの「無伴奏チェロ組曲」集であるが、今回のコンサートでも、ブリュッヘン編曲版かどうかは定かでないが(聞くのを忘れた)、無伴奏チェロ組曲第1番と第3番が演奏される。

クープランの「恋の鶯」という曲が演奏された他、「ターフェルムジーク」で知られるテレマンのファンタジアよりや、尺八を意識したという日本人作曲家の作品なども演奏された。

リコーダーのみによる演奏会を聴くのは、おそらく今回が初めてのはずで、なかなか貴重な体験である。


ラストもアンコールの代わりに小型のリコーダーによる「涙のパヴァーヌ」が演奏されて、コンサートは締められた。


その後は、森本さんとも少しお話。余り詳しい内容は書けないが、日本における古楽演奏発展の経緯なども教えていただいた。

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