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2020年7月14日 (火)

これまでに観た映画より(192) 「子猫をお願い」

2005年7月5日

DVDで韓国映画「子猫をお願い」を観る。監督は女流監督:チョン・ジェウン。出演は、ペ・ドゥナ、イ・ヨウォン、オク・チヨン、イ・ウンシル、イ・ウンジュ(2005年に自殺した有名女優と同じ名前であるが別人である。イ・ウンジュとイ・ウンシルは実の双子)、オ・テギョンほか。

高校を出た20歳前後の女の子5人の青春ストーリー。ただし、かなり暗めである。

仁川の商業高校を出たものの、韓国の厳しい学歴社会に阻まれ、5人のうち4人は仕事に就くことができなかった。双子の姉妹、オンジョ(イ・ウンジュ)とピリュ(イ・ウンシル)はマーケットなどをやってそれなりに楽しくやっているようだが、テヒ(ペ・ドゥナ)は実家の料理店で働き、脳性麻痺の青年の作る詩を代筆するボランティアをしている。ジヨンは家が貧しいためデザインの勉強をすべく海外留学を希望するも叶わず、両親もいないため就職も出来ないでいる。

一人、ソウルの大手の証券会社に就職し、若いということもあってチヤホヤされていたへジュ(イ・ヨウォン)も大卒の優秀な人材が入ってくると次第に男性社員も遠ざかっていき、尊敬する女性上司から「学位がないと一生雑用係よ」と言われ、社会の苦さを味わう。

蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督作品並みに苦い味わいを持つ 画なのだが、女性が監督したということもあってか、まだ何とか救いを感じることが出来る。

ラストは夢へ向かっての旅立ちなのか、それともさらなる転落が待っているのかわからないが、とにかく一歩を踏み出したという明るさは感じることが出来る。テヒを演じるペ・ドゥナは日本人的な顔立ちで、吉本興業の武内由紀子にどことなく似ている。

携帯メールやタイプライターなどの文字をスクリーン上に堂々と映し出す演出が面白い。また韓国映画に多いことだが、この作品でも省略が多く、場面が飛ぶ箇所がある。

韓国の若い世代の現実を知る上で興味深い作品である。映画としてのクオリティが十分でないような場面もあるが、ほろ苦い青春映画として一見の価値がある。

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