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2020年9月 5日 (土)

これまでに観た映画より(203) シム・ウナ主演「インタビュー」

2005年11月16日

韓国映画「インタビュー」を観る。主演は、元韓国のトップ女優シム・ウナ。そして「イルマーレ」、「純愛譜」のイ・ジョンジェ。

映画監督のチェ・ウンスク(イ・ジョンジェ)は、様々な人々の恋愛に関するインタビューをまとめた映画を作ろうとしている。ある日、女優のクォン・ミンジュン(クォン・ミンジュン。本人役での出演)へのインタビューを申し込んだADが、たまたま一緒にいたミンジュンの友人イ・ヨンヒ(シム・ウナ)のインタビューも一緒に撮ってくる。美人だが地味で影のあるヨンヒにウンスクは一目で惹かれ……。

事前にパソコン通信などで出演者を募り、その人自身の恋愛話の数々を収録。シム・ウナ以外の人々へのインタビューはノンフィクションである。

ただ、知らない人の恋愛話というのは退屈なもので、本人達にとっては素敵な話なのかも知れないが、客観的に見るとそうでもない。単なるのろけや自慢話が続く。

そこへ、イ・ヨンヒへのインタビューという形でフィクションが紛れ込んでくるという仕掛けである。

ヨンヒの話はほとんどが嘘であり、時間が経つに連れて真相が明らかになっていくという展開。ヨンヒの恋愛話も特に目新しいものではないが、ノンフィクション場面の出演者達が得意になって答えているのに比べると、好感が持てる。それがこの映画の狙いなのでそれは当然である。

バレリーナを夢見ていたヨンヒ。しかし恋人に死なれ、魂の抜け殻のようになっている。そんなヨンヒにウンスクは急速に惹かれていくのだが、誰の目にもウンスクがヨンヒに恋をしたのは明らかであり、分かり易すぎるのは難点かも知れない。もっと葛藤のようなものも欲しい気がする。

ウンスクがパリに留学していた時期に撮った映画に、フランス人女性が死んだ恋人の墓の前で苦悩を一人語りする場面が登場する。かなり嘘くさいシーンだが、何と全く同じセリフをヨンヒが言う場面があり、こちらは聴き手としてカメラを持ったウンスクが目の前にいるので一人で悲劇のヒロインを気取っているようには見えず、こちらの胸に迫ってくるものがある。同じセリフでも場面設定によって真実味が異なるということを示したかったのであり、ある程度成功しているように見える。

場面の重複や前後する時間などの技法も用いられているが、成功と失敗が半々といったところだ。

舞踏を学んでいたシム・ウナのダンスシーンや映像や風景の美しさなど見所は多い。ただ心理的な動きはあってもそれがダイナミックなドラマへと発展することはないので物足りなく感じる人も多いような気がする。

現時点でシム・ウナ最後の映画出演作であり、彼女が好きな人は必見。芸術映画に興味がある人も観ておいた方がいいだろう。ただストーリー性のあるドラマティックな恋愛ものが好きな人にはあまりお薦め出来ない。

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