スタジアムにて(28) J2 京都サンガF.C.対ギラヴァンツ北九州@サンガスタジアム by KYOCERA 2020.10.21
2020年10月21日 JR亀岡駅前のサンガスタジアム by KYOCERAにて
JR亀岡駅前のサンガスタジアム by KYOCERAまで、J2 京都サンガF.C.対ギラヴァンツ北九州の試合を見に出掛ける。午後6時33分キックオフ。
新設のサンガスタジアムをホームグラウンドとしたことで相手チームはピッチの把握が不可能となり、ホームでは強い京都サンガF.C.。実際、私が今季観に行った4試合は全て勝利している。だがアウェイに弱く、波になれないでいたところをホームのサンガスタジアムでも、大宮アルディージャに初敗戦を喫すると、アルビレックス新潟、レノファ山口FC戦も落として3連敗中。順位も10位まで落ちてしまっている。
対するギラヴァンツ北九州は、現在3位と、J1自動昇格圏内まであと一歩の位置に付けているが、ここ数試合は勝ち星がなく停滞気味である。
ギラヴァンツ北九州は、三菱化成黒崎サッカー部を前身に、2010年にJリーグ加盟を果たした若いチーム。加入当初は極端に弱いチームというのがJリーグには存在し、チーム名がパープルサンガ時代の京都や今では強豪の浦和レッズなども余りの弱さが話題になったが、ギラヴァンツ北九州もJ加盟初年度はわずか1勝に終わるなどプロレベルの厳しさを味わう格好になった。2017年からはJ3降格となり、昨年J3で優勝を果たしてJ2に昇格、J1まで1年での躍進を狙っている。現在ではサッカー・ラグビー専用スタジアムであるミクニワールドスタジアム北九州をホームグラウンドとしており、環境面でも比較的恵まれているようである。
入場者数の緩和が図られ、これまでの左右3席空けが、前後左右1席空けにまで縮まり、収容人数も多くなったはずなのだが、平日のナイトゲームということもあってか、入場者数は2100人ちょっとと、これまでよりも減ってしまっている。増えたら増えたで行き帰りのJR車内が混雑するのであるが、最大収容人数の10分の1程度の入りというのはやはり寂しい。
前回、サンガスタジアムで観戦したのが、9月5日の対ジェフユナイテッド千葉戦ということで少し間が空いてしまった。その間に変化があり、観客数の上限の緩和もそうだが、これまで禁止だった手拍子が今では推奨されるようになっている。拍手は推奨だが手拍子は禁止という奇妙な取り決めがあったのだ。プロ野球では手拍子での応援可なのに、なぜJリーグでは駄目なのかというと、「声援を誘発する怖れがあるから」だったようである。Jリーグは基本的には歌って叫ぶ応援スタイルであり、集団で行うのは好ましくないとされたのだろう。Jリーグに限らずサッカーの場合は地元密着スタイルの副産物でフーリガンと呼ぶべき観客が結構多いのも特徴であるためプロ野球などとは別の規定が設けられた可能性もある。
またアウェイ専用席が復活し、少ないながらも北九州のサポーターが駆けつけていて、JR亀岡駅にも「ギラヴァンツ北九州サポーターの皆様!! ようこそ亀岡へ!!」の横断幕があった。
今日はバックスタンドの2階席、前から4列目に座る。3階席を取ったつもりが2階席だったのだが、料金は変わらないので臨場感を楽しむことにする。バックスタンド2階席前方は、メインスタンド2階席前方以上に臨場感に優れている。
今日のサンガのスタメンは、キーパーが若原ではなく清水、背番号10の庄司も控えに回る。ピーター・ウタカがワントップである。
今日先発の上夷克典(うええびす・かつのり)が、試合開始3分程で負傷。グラウンド内にうずくまっていたが、結局、6分過ぎに安藤淳に交代した。今日のサンガは、後半にもヨルディ・バイスと曽根田が負傷で交代するなど怪我が多い。コロナ下特別ルールで、5人まで交代が認められているが、通常の3人交代で、交代要員を全て使い切ってしまっていた場合は少ない人数で戦うことを余儀なくされるケースである。
ギラヴァンツ北九州の中盤が守備的であるため、サンガは攻めあぐねる。一方、攻撃の切り替えの速さ、上がりのスピード、個人技による突破力などはギラヴァンツの攻撃陣の方が上であり、ゴールにこそ到らないが、チャンスを何度も作る。
サンガも攻め上がりは速いが、左サイドに自軍の選手2人がフリーでいるのに、右サイドのウタカにパスを送ってしまうなど、ウタカ頼みの部分は否めない。
前半21分、中央付近にいたウタカが、左サイドの仙頭啓矢にパス。仙頭はオフサイドポジションにいるようにも見えたのだが、副審は旗を揚げず、そのままプレー続行。仙頭は落ち着いてシュートをゴール右隅に決め、サンガが先制する。問題は、ギラヴァンツが「オフサイドだ」と抗議しないかだが、やはりギラヴァンツベンチから抗議があり、試合がしばらく中断した。主審は副審に確認したが判定は覆らず、試合続行となる。
後半に入ってからしばらくするとサンガは最終ラインを3人から基本5人に増やす。ヨルディ・バイスの負傷により後半から入った上月壮一郎はオーバーラップに積極的だが、それ以外のディフェンダーは攻めに回ることは余りない。ギラヴァンツの攻めに速さとキレがあるだけに、まだ逃げ切るには早いのだが、サンガの中盤の選手が厚みに欠けるため、相手陣地でのプレーに持ち込むことがなかなか出来ないでいる。
ワントップのウタカであるが、後半に入ると疲れが目立つようになり、キープ力はあるがスピードが十分ではなくなるため、決定的チャンスを作ることが出来ない。通常ならウタカを引っ込めて守りを固めるところなのだが、ギラヴァンツの攻撃を見ると、出来るならもう1点欲しいところで、専守防衛は得策ではない。
だが、それでも後半も半ば以降はギラヴァンツイレブンが一方的に攻める展開が多くなる。サンガゴール手前でのセットプレーも多く、こぼれ球の向きが変わってあわやオウンゴールという場面もあったが、キーパーの清水がなんとか弾き出した。
アディショナルタイムは4分。ここでサンガは仙頭と怪我をした曽根田に代わって庄司悦大と谷内田哲平を投入。ゴール前ではなく中盤での防御を行う策だったのかも知れないが、これで確かにサンガゴール前でのプレーは減り、タイムアップの笛を迎えた。
試合内容はお世辞にも良いとは言えなかったが、なんとか逃げ切り、勝ち点3を獲得。サンガは7位に浮上、ギラヴァンツは4位に転落となった。
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