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2020年10月22日 (木)

これまでに観た映画より(221) 「ビューティフル・マインド」

2006年4月17日

DVDで映画「ビューティフル・マインド」を観る。ロン・ハワード監督作品。ラッセル・クロウ主演。実話を基にした作品であり、アカデミー作品賞、監督賞、助演女優賞(ジェニファー・コネリー)などを受賞している。

1947年、プリンストン大学大学院に入学したジョン・ナッシュ(実在の人物である)は、天才的な数学の才能に恵まれていたが、人付き合いが苦手であり、思いやりにも乏しかった。画期的な理論を発案したジョンは数学者として順調にキャリアを築いていく。しかし彼はすでに統合失調症を患っていた……。

統合失調症に苦しむ天才を描いた作品であるが、統合失調症に対する誤解を与えかねないとの批判も受けたことで有名だ。
どんでん返しには圧倒させられるが、その仕掛けのために最後まで冷や冷やさせられる。もっと感動できる映画のはずなのに、その仕掛けの巧妙さが逆にあだになっている。
精神病を扱う作品の多くが、「面白さ」のために症状を誇張、または脚色、時には創作までしてしまう。また「感動」のために人物を綺麗に描きすぎるという欠点を持つ作品も多い。これもそういった作品の一つで、「もっと違う形で面白く出来るはずなのに……」、と思ってしまう。観ていて感動はするけれど、嘘の多さが目につくだけに心の底から感動することは出来ない。感動した自分の心に罪悪感を持ってしまうという後味の悪い感動だ。

ジョン・ナッシュを演じるラッセル・クロウの演技力の高さが一番の見物。ジェニファー・コネリーも確かに良いけれど、ラッセル・クロウの前では光を失いがちになる。

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