これまでに観た映画より(219) クシシュトフ・キェシロフスキ監督作品「殺人に関する短いフィルム」
2006年4月13日
DVDでポーランド映画「殺人に関する短いフィルム」を観る。クシシュトフ・キェシロフスキ監督作品。十戒をテーマにした10作品からなるテレビドラマ「デカローグ」(長編映画として映画館で上映されることもある)の中の1本にエピソードを加えて映画化したもの。「短い」とタイトルにあるが、これは「デカローグ」の時のタイトルをそのまま使ったもので、映画自体は85分の長さがあり、短いフィルムではない。
無気力な若者、身勝手なタクシー運転手、未来に燃える若手弁護士の三人が主な登場人物である。舞台となっているのはポーランドの古都クラクフ。
物語自体は特に目新しいものではないが、描き方は丁寧である。観る者の不安を掻き立てるような独特の映像美がいい。映像のそこかしこに配された不吉な記号が、さらに効果を高めている。
芸術映画であり、娯楽性には乏しいが「深い」一本である。
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