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2020年10月25日 (日)

これまでに観た映画より(222) 麻生久美子主演「eiko」

2006年4月21日

DVDで映画「eiko」を観る。加門幾生監督作品。麻生久美子主演。

話の転がし方が実に巧い作品である。冒頭、駅前のシーン、秋森エイコ(麻生久美子)が様々な会社が配っているポケットティッシュを全部貰ってしまうことで彼女の断れない性格が示される。案の定、キャッチセールスの女性(南果歩が演じている)に引っかかり、96万円もする指輪を買ってしまう。しかしエイコは自分が騙されたことに気づいていない。彼女の部屋には、同様に騙されて買ってしまったと思われる健康器具が沢山。当然、借金もしている。借金取りの男(宇梶剛志が演じている)から、今日までに借金を返さないと売り飛ばすと脅されるエイコ。「明日お金が入るのでそれまで待って欲しい」と頼んだエイコだが、翌朝、出勤すると会社は倒産、社長の岡本は夜逃げしてしまっている。岡本のマンションを訪ねるが、そこには江ノ本という老人(沢田研二)が暮らしていて……。

人が良すぎて人生駄目駄目街道一直線のエイコ。本当にどうしようもない状態に陥ってしまって見ていて哀れになってしまう。男としては絶対に放っておけないタイプの女の子なのだが、実際に関わり合うと大変であることもわかる。

そんなエイコの成長を静かなタッチで描くのだが、脚本が巧みであり、映像も美しく、決してきれいな物語ではないのに観ていて心が温まる作品である。20代の女性のための童話という趣もある。

エイコを演じる麻生久美子はやはり巧い。麻生久美子は確かに美人だけれど飛び抜けて美人というわけではないし、ルックスだけならもっと上の女優も沢山いる。しかし自分が演じる人物のキャラクターを的確に把握して表現する力は抜きんでている。心理とセリフの一致させ方と突き放し方の両方がこれほど巧い女優は同世代では他にいないだろう。

ラストシーンも爽快で、観ていて元気が貰える。観る前はあまり期待していなかったのだが、拾いものの一本であった。「映画はリアリズムでないと絶対に駄目」という人は除いて、観て絶対に損はしない映画である。

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