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2020年11月 9日 (月)

コンサートの記(666) 外山雄三指揮 京響バースデーコンサート@先斗町歌舞練場

2006年6月18日 先斗町歌舞練場にて

午後2時から先斗町歌舞練場で、京響バースデーコンサートを聴く。丁度50年前の1956年6月18日、ここ先斗町歌舞練場で、結成されたばかりの京都市交響楽団のお披露目演奏会があった。指揮は京都市立音楽短期大学(現・京都市立芸術大学音楽学部)の講師であり、京響の初代常任指揮者となったカール・チュリウス。ポピュラーな小品を中心としたプログラムでデビューを飾った。

今日は、そのお披露目演奏会で演奏された曲目を前半に、後半にベートーヴェンの交響曲第5番を置くというプログラム。指揮は京響第4代常任指揮者であった外山雄三。京響の現役メンバーと京響OB(京響学友会)による合同演奏。

先斗町歌舞練場ロビーには京響のお披露目演奏会のプログラムの拡大版や、第2回定期演奏会のポスターなどが展示されている。第2回定期演奏会のチケット料金はなんと50円である。京都会館第1ホールで行われた第100回定期演奏会(1967年)のポスターも飾られているが、その時もS席700円。今の十分の一だ。


予定されていた曲目よりも前に、まず、先日亡くなった岩城宏之と佐藤功太郎の二人の指揮者にJ・S・バッハの管弦楽組曲第3番より「エア」(G線上のアリア)の演奏が捧げられる。京響のバースデーコンサートに来る人はコンサートに通い慣れている人ばかりだろうから、もちろんマナー違反の拍手は起こらなかった。

ヴェルディの歌劇「ナブッコ」序曲、シベリウスの交響詩「フィンランディア」、ブラームスの「ハンガリー舞曲」より第5番と第7番、ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツ「春の声」が演奏される。

先斗町歌舞練場は当然ながら音楽用には出来ていないので、残響は全くなく、聴きづらいが、イベント主旨からいってこれは仕方ない。演奏は堅実。面白味には欠けるがよしとする。

外山雄三のベートーヴェン交響曲第5番は、NHK交響楽団を指揮したものをBSで聴いているが、覇気のない演奏にがっかりした憶えがある。それゆえ心配したのだが、今日の演奏は流線型のフォルムを持った堅実なもので安心して聴くことが出来た。京響と京響OBによるオーケストラは、チェロがたまに引きずるような歌い方をするのが気になったが、大きなミスもなく、50年目の晴れ舞台に相応しい演奏となった。


アンコールはモーツァルトの歌劇「イドメネオ」よりメヌエット。第6代京響常任指揮者であった山田一雄がアンコールピースとして好んで演奏した曲だという。

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