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2020年12月11日 (金)

これまでに観た映画より(234) 「デストラップ・死の罠」

2006年8月29日

DVDでアメリカ映画「デストラップ・死の罠」を観る。ブロードウェイで大ヒットしたアイラ・レヴィン作の同名舞台の映画化。「12人の怒れる男」のシドニー・ルメットと「パトリオット・ゲーム」のフィリップ・ノイスの共同監督作品。「サイダーハウス・ルール」のマイケル・ケイン、「スーパーマン」でお馴染みのクリストファー・リーヴ主演。

スリラー専門の劇作家のシドニー・ブリュール(マイケル・ケイン)はブロードウェイのロングラン記録を持つほどの大作家であるが、最近は失敗作ばかり。最新作も酷評され、意気消沈してニューヨーク州イースト・ハンプトンの自宅に戻ったシドニーを妻のマイラ(ダイアン・キャノン)が出迎える。シドニーは「更に頭に来ることがあった」と言う。クリフ・アンダーソン(クリストファー・リーヴ)という大学の教え子が「死の罠」という戯曲を送って来たことを知らせる。「死の罠」は傑作であり、シドニーはクリフ・アンダーソンを殺害して、「死の罠」を自作として発表しようと持ちかける……。

二重三重のどんでん返しが仕掛けられたスリラーで、これならブロードウェイでヒットしたのも肯ける。ただ、現在の日本で「死の罠」を上演しても成功するかどうかは微妙だと思う。

演劇が原作であるということを意識して、役者の演技もわざと大袈裟になっている。特にダイアン・キャノンの長ゼリフは「そこまでやるか」と思えるほど身振りの大きな演技を見せ、笑わせてくれる(映画の観客を笑わせるためにわざとやっていると見て間違いない)。

入れ子構造を用いたり、わざとキャラクターの奥行きを浅くしてそれが罠であったことを後になって観客に悟らせる技法など、感心させられるところも多い。演技もストーリーもリアリズムから外れたものを目指しており(外連のためだろう)大人の観客はニヤリとさせられるだろう。ただ、リアリズム絶対病にかかっているといってもいい現代日本人が見ると、その「わざとわざとらしくやる魅力」は伝わらない可能性が高い。かくいう私もリアリズム絶対病に多少なりとも罹患しているためだろう、心理的に入り込めない箇所があった。

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