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2021年2月 7日 (日)

これまでに観た映画より(246) 「ハサミ男」

2007年6月3日

DVDで日本映画「ハサミ男」を観る。池田敏春監督作品。原作:殊能将之。出演は、豊川悦司、麻生久美子、阿部寛ほか。音楽担当:本田俊之。

日活ロマンポルノの監督として一時代を築いた池田敏春によるサイコホラーサスペンス。なお、本多俊之は、「ハサミ男」のラッシュフィルムを観ながら即興でサックスを吹いており、ルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター」と同じ手法が取られている。

2004年の作品だが、冒頭から古い感じの映像と、学生の自主製作映画のような脚本と演出に違和感を覚える。わざとやっているとしか思えず、「どうしてなのかな?」と思っていたが、途中でその理由がわかった。それらは観る者の意識をそちらへと引きつけるための罠だったのである。

豊川悦司の怪しい魅力が生きているが、実質的な主役は麻生久美子。この映画での麻生久美子の演技には女優魂を感じる。「時効警察」の麻生久美子しか知らない人は、三日月クンと同じ女優がやっているとは気付かないかも知れない。

和製ホラー映画というと「リ×グ」(×は伏せ字です)のように、ショッキングな映像が頼りのちょっと情けないものが多いが、この映画はじんわりと来る怖さを持つ。何でもないようなラストも実は怖かったりする。

殊能将之が書いた原作の評価は極めて高く、原作好きの人からは「がっかり」という意見が聞かれたというが、純粋に映画作品として観ると良い作品だ。

(後期)その後、池田敏晴監督は三重県志摩市で投身自殺を遂げ、原作者の殊能将之も不可解な突然死を迎えるという因縁の作品となった。殊能将之は覆面作家であったが、死後に正体が明かされ、本名は田波正といい、高校生の頃からSF・ミステリー小説界では「福井の神童」といわれるほどの逸材であったことが明らかとなった。

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