これまでに観た映画より(248) 章子怡主演作「ジャスミンの花開く」
2007年8月17日
DVDで中国映画「ジャスミンの花開く」を観る。章子怡(チャン・ツィイー、チャン・ツーイー、ZHANG Ziyi)主演。「ラストエンペラー」のジョアン・チェンや、張芸謀監督作品への出演も多い姜文も出演している。ホウ・ヨン監督作品。
ジャスミンを漢字で表記すると茉莉花であるが、そこから取った、茉(Mo)、莉(Li)、花(Hua)という名の親子三代に渡る女性の物語。名前の付け方がイージーな気もするし、茉、莉、花の三人とも章子怡が演じるというのも変だが、まあいいだろう。
少し前の暗い中国映画の雰囲気を引きずっているような映画。茉、莉、花ともに男運が悪く、苦労する。
上海が魔都と呼ばれていた時代。写真屋の娘である茉(章子怡)は、店頭に飾ってあった写真を見た映画プロデューサーの孟(姜文)に見初められ、映画女優としての道を歩き始める。しかし、上海事変など、戦時色が強くなる中で映画会社は解散、孟は有り金全てを持って香港へと逃げてしまう。茉は孟の子を身籠もっていたが、捨てられた格好となった。茉と孟の子は女の子で莉と名付けられる。
18年後、莉(章子怡)は、文革の時代の少し以前に、高傑という男性に恋をする。高は労働者階級で、共産党員である。母親の茉(ジョアン・チェン)は結婚に反対するが、それを押し切って莉は高と結婚する。だが、高の実家のいかにも労働者階級的な生活に絶えきれなかった莉は実家へと戻る。高が莉の実家へとやってきて、新たな生活が始まる。しかし、莉は子供が産めない体質であり、そのことを気に病んでいる。高は養子を貰うことで莉を納得させ、花という女の子を養子とする。
しかし、莉の精神状態は更に悪化していった。
13年後、花(章子怡)は、杜という男と恋に落ちる。杜は蘭州にある大学に入学することが決まっている。杜が蘭州に向かう前に、花は祖母の茉には内緒で杜と入籍する……。
監督のホウ・ヨンは、張芸謀の下で撮影監督をしていた人。それだけに色彩感覚は鋭く、茉の時代はグリーンを、莉の時代は赤などの暖色系を、花の時代はブルーを基調とした美しい映像を撮る。
章子怡の演技力も非常に高い。
莉と血のつながりのない花も章子怡が演じていたり、ストーリーに新しさが感じられなかったりと、問題点もあるが、映像に浸る感じで観れば楽しめる。ただ、悲惨な展開が多いため、一昔前の暗い中国映画が苦手な人は観ない方が良いかも知れない。
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