コンサートの記(725) 高関健指揮 京都市交響楽団第536回定期演奏会
2010年6月19日 京都コンサートホールにて
午後2時30分から、京都コンサートホールで、京都市交響楽団の第536回定期演奏会に接する。今日の指揮者は高関健。
曲目は、ウェーベルンの「管弦楽のための5つの小品」と「大管弦楽のための6つの小品」、マーラの交響曲第7番「夜の歌」という意欲的なものである。
ウェーベルンの「管弦楽のための5つの小品」はチェレスタ2台が指揮台の横で向かい合うという特殊で小規模な編成、「大管弦楽のための6つの小品」はその名の通り、大編成による演奏。「大管弦楽のための6つの小品」は古典的配置による演奏であった。いずれの曲においても京響は精緻な演奏を繰り広げ、充実した響きを生んでいた。
マーラーの交響曲第7番「夜の歌」も古典配置による演奏である。マーラーの交響曲第7番「夜の歌」は比較的演奏会プログラムに載ることが少ない曲である。様々な要素が無秩序に並べられたようなところがあり、失敗作と断じる人も決して少なくはない。
京響は弦も管も充実した響きを奏でる。高関の構築力は確かであり、優れた演奏になった。欲を言えば、エリアル・インバルやレナード・バーンスタインらの名盤に比べると歌がやや硬めなのが気になるが、そうした名盤の名演と比べるのも野暮だろう。
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