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2021年10月25日 (月)

「全国龍馬ファンの集い関東大会 in 横浜」2014 大友啓史監督トークショーより「龍馬伝」について

2014年10月18日 横浜大さん橋ホールにて

大河ドラマ「龍馬伝」の演出家で、映画「るろうに剣心」の監督である大友啓史の講演が始める。勝海舟の玄孫である高山みな子をコーディネーターとしてのトークである。

大友監督は「いかにも業界人」といった風の飄飄とした雰囲気で登場する。思っていたよりも軽い感じの人であったが、話の内容は興味深かった。「龍馬伝」は構想から完成まで3年を要したが、「龍馬伝」の企画が立ち上がった頃に、丁度、アメリカではバラク・オバマ大統領が当選し、「チェンジ!」をスローガンに掲げていた。そのため、大友も「大河ドラマにもチェンジが必要だ」として、これまでの大河ドラマの慣例から外れた手法を採用したという。まず、セットであるが、天井も部屋割りもある本当の家屋と同じようなものを造っている。これは今も高知駅前の記念館に保存されており、有料ではあるが実際にセットに上がることが出来る。普通は屋内のセットには天井がなく、上からは照明が当たっているのだが、大友監督は「上を見たときに照明が目に入ったら、なりきっている役から役者本人に戻ってしまうのではないか」との考えから敢えて天井のあるセットを拵えたそうだ。当然のように照明担当からはクレームが殺到したそうだが、「これは龍馬伝だから」と押し切ったそうである。

大友監督は、チェンジには二つ方法があって、まず周囲を変える。実際、「龍馬伝」からはカメラなどの機材も新しいものが導入されたそうである。もう一つは自分を変えることで周囲が変わって見える。大友監督は、細かいカット割りが基本であるテレビの撮影法に敢えて背き、長回しが基本で、数台のカメラで撮影という方法を採用したそうである。その方法だと、VTRの量が通常のドラマの4倍から5倍になってしまったそうで、編集に時間が掛かり、制作からもクレーム殺到だったそうだが、長回しをすることで、役者が役になり切っている時間を撮ることが出来たという。近江屋事件のシーンは16分間長回しだそうであるが、確かに独特の感じは出ていたように思う。長回しだと演技が粗くなるという欠点もあるが、役者が意図した以上の演技が生まれる可能性がある。

ドラマで求められる演技力は瞬発力であり、映画では短時間の演技維持力である。最も演技力が求められるのはやはり演劇で、2時間かそれ以上に渡って役であり続けなければならない。それもロングランになるとそうした状態が3ヶ月以上続くこともある。ただ、演劇における演技でも終演まで上手く演じきるための計算は必要であり、そうした計算は役になり切っていない客観的な部分で行う必要がある。そのため、演劇でも出番の長い主要キャストの場合は、どんなに没入型の俳優でも完全に役になり切ることは出来ないし、やってはならないのである。やってしまっては様にならないのだ。

ただ、ドラマで期限を設けない長回しの場合は100%役になりきれるし、なっても構わない。映像であるため上手くいかなくなると「カット」が掛かり、打ち切りや、やり直しが利くのである。言い換えると「カット」が掛かるまでは存分に役になり切ることが出来るということになる。
大友監督によると、福山雅治が長回しで役になり切った後には、「風が吹く」ような感覚があったという。

大友監督は、映画「るろうに剣心」についても、「続『龍馬伝』です」と語り、「龍馬伝」では人斬りの岡田以蔵を演じていた佐藤健が、主役の緋村剣心を演じていることは繋がっていると語っていた。

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