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2022年6月 3日 (金)

コンサートの記(778) ムジークフェストなら2022@奈良県コンベンションセンター天平ホール The Osaka Brassters

2022年5月29日 新大宮の奈良県コンベンションセンター天平ホールにて

奈良へ。ムジークフェストなら2022を聴くためである。

一昨年に完成した奈良県コンベンションセンター天平ホールで行われる2つの室内楽コンサートが目当て。

ムジークフェストならは、一昨年は中止、昨年は配信公演のみに限られたため、奈良県コンベンションセンター天平ホールで、ムジークフェストならの有観客公演が行われるのは今年が初めてとなる。

奈良県コンベンションセンターは、近鉄新大宮駅から西へ10分ほど歩いたところにある。北には奈良市役所があり、南にはNHK奈良放送局の新庁舎が奈良県コンベンションセンターと時を同じくして建てられている。天平ホールがあるのは、蔦屋書店やスターバックス、ファミリーマートなどが入った「観光振興施設」の2階である。コンベンションホールなどが入った北側の「コンベンション施設」と南側の「観光振興施設」との間に天平広場があり、ここでアマチュアによるジャズなどの演奏が行われ、その周辺が飲食スペースとなっていて屋台などが出ている。コロナ禍はまだ続いているということもあって、天平広場の演奏ステージと飲食スペースの周囲は柵で覆われており、入場時には手指の消毒が必要で、また滞在時間は1時間以内に限られている。

天平ホールは、多目的の小ホールであるが、音響設計などはなされていないようで、基本的には講演などが中心となりそうである。演劇の公演も可能なようだが、舞台の奥行きや袖の深さなどは確認しづらい。


まずは午後3時15分開演の、The Osaka Brasstersの公演を聴く。
The Osaka Brasstersは、オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ(旧大阪市音楽団)のメンバーからなる金管五重奏団である。約2年前のコロナ下での結成。コロナで仕事がなくなってしまった時に、「じゃあ配信をしてみるか」ということで、5人で配信を行ったのが始まりだそうである。

メンバーは、新穂優子(トランペット)、中嶋尚也(トランペット)、伊藤数仁(ホルン)、戸井田晃和(トロンボーン)、北畠真司(チューバ)。

曲目は、宮川彬良の「ゆうがたクインテット」、宮本正太郎編曲による「日本の歌による幻想曲」、レナード・バーンスタインの「ウエスト・サイド・ストーリー」より“プロローグ”“トゥナイト”“アメリカ”(ジャック・ゲイル編曲)、久石譲の「ジブリメドレー」(宮本正太郎編曲)、ハドソン編曲の「ダニー・ボーイ(ロンドンデリーの歌)」、酒井格(さかい・いたる)の「たなばた」

前半は北畠真司が、後半は戸井田晃和が司会を務める。

奈良での公演ということで、北畠真司がメンバーに「奈良にまつわるエピソードを用意するよう」促したが、事前に挙げてきたのは新穂優子だけだったそうである。新穂優子は奈良を代表する高級住宅街である学園前の皮膚科で初めてピアスを開けたそうである。

北畠真司は、奈良県橿原市の出身で、八木中学校から高田高校、大学は大阪府柏原(かしわら)市にある大阪教育大学教養学科芸術専攻音楽コース(いわゆる教育大学のゼロ免コースの一つ)を出ているのだが、大阪教育大学の音楽棟は大学の中でも一番奥にあり、あとちょっとで奈良県香芝市という場所に位置しているそうで、「ほとんど香芝」らしい。
ちなみに、新穂優子も大阪教育大学教養学科芸術専攻音楽コースで、新穂の方が先輩なのだが、オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ入団は北畠の方が早いそうである。

天平ホールは音響面で優れているということはないようだが、金管五重奏ぐらいの響きはちょうど良く聞こえる。

宮本正太郎編曲の「日本の歌による幻想曲」は、元は四季メドレーとして依頼され、プログラムの書かれたチラシにも「四季メドレー」と記されているが、少し凝った出来になったため、新たにタイトルを与えられたようである。「雪(雪やこんこ)」、瀧廉太郎の「花」、「七夕」、「ちいさい秋みつけた」の4曲からなる。

「ジブリメドレー」は、「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」の3つの映画から曲が取られているが、「となりのトトロ」「君をのせて」「アシタカとサン」「さんぽ」の4曲からなっている。

「たなばた」は、童謡の「七夕」とは無関係の酒井格のオリジナル曲。なかなかかっこいい曲である。

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