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2022年7月30日 (土)

コンサートの記(793) 夏川りみコンサートツアー2022「たびぐくる」京都公演

2022年7月24日 左京区岡崎のロームシアター京都サウスホールにて

午後3時から、ロームシアター京都サウスホールで、夏川りみコンサートツアー2022「たびぐくる」京都公演に接する。沖縄の本土復帰50年を記念してのツアーである。夏川りみのコンサートはこれまで、伊丹、大阪、宇治、城陽、なぜか岐阜羽島でも聴いているが(しかもなぜか京都フィルハーモニー室内合奏団との共演)、京都市内で聴くのは実は初めてとなる。

6月にニューアルバム「会いたい~かなさんどぉ~」をリリースした夏川りみ。これまでは他人が提供した曲を歌い上げるというスタイルで、自分で作詞・作曲したのはライブのみで歌われる「タイガービーチ」ぐらいだったが、この新譜では作詞・作曲も手掛けており、ライブでも自作曲が披露された。

今日が祇園祭の後の祭りの山鉾巡行ということで、「山鉾巡業、巡業じゃなかった巡行か。それを見た後でこっちに来た? あるいはそちらを捨ててこっちに来た?」と聞いていた。山鉾巡行を見るのは、山や鉾を出す町以外は、市外や府外から来る人の方が多い。

「てぃんさぐぬ花」をウチナーグチで歌った夏川りみ。「初めて夏川りみの声を生で聴いたという人は拍手」「ほぼ全員だねえ」(実際には3分の1程度だろうか。夏川りみは京都市内でのライブはたまにしか行わない)ということで、「静かな歌が多いです。で、方言なので歌詞の意味が分からない。意味の分からない静かな歌を聴いていると眠くなる」「でも起こしたりはしません」「起きる歌もあるからさあ」ということで、「起きる歌」としては、「知ってる歌の方がいいでしょう」として、THE BOOMが30年前に発表した「島唄」が歌われた。前半がヤマトグチ、後半はウチナーグチでの歌唱である(THE BOOMが両バージョンをリリースしている)。

沖縄の民謡としては、「月ぬ美しゃ(かいしゃ)」「東里真中」などの子守唄が歌われ、夏川は歌う前に「おやすみなさい」と言っていた。

代表曲の一つ、「童神(ワラビガミ)」をヤマトグチで歌うことを発表して、お客さんの一人が拍手し、夏川も「中途半端な拍手ありがとうございます」と冗談を言うが、誤解されるといけないので、「嘘! 嘘! 嘘ですよ!」とフォローしていた。その後、今年12歳になるという息子さんの話をする。この間生まれたばかりかと思っていたらもう12歳と時の流れは速いが、考えてみれば私が夏川りみのライブに接するのも2017年12月以来と久しぶりである。息子さんはまだ母親と遊んでくれているそうだが、来年は中学校に上がるため、もう遊んでくれないかもと少し寂しそうに語った。

「涙そうそう」を歌う前には、「今の私があるのもこの歌のおかげさあ」「なに歌うか分かったさあね」とお約束の語りを入れる。余り関係ないが、私は最近は「涙そうそう」はシンガポールのシンガーである蔡淳佳による北京語の新訳バージョンで歌っている。

自作曲3曲、「愛(かな)さ生(う)まり島(じま)」、「波照間ブルー」、「会いたい(想你)」は全て披露される。このうち、「波照間ブルー」と「会いたい(想你)」は、今日はキーボード奏者として参加していた醍醐弘美との共作である。夏川は、「沖縄本島行ったことある人?」「私が生まれた石垣島行ったことある人?」「竹富島行ったことある人?」と聞いていき、「波照間島行ったことある人?」と最後に聞くが、実は夏川りみも深めて今日の出演者4人は全員、波照間島には行ったことがないそうである。「波照間ブルー」は、夏川が醍醐と共作する過程で、「パラダイスのような感じがする」ということで、イメージだけで作り上げたようだ。
また、「会いたい(想你)」は副題に中国語が入っているが、テレサ・テンが残した音声と夏川が架空デュエットをして曲を作ったことを思い出して、テレサ・テンへの思いを歌に込めたものだと明かしていた。一部に北京語の歌詞あり。

アンコールでは沖縄民謡「芭蕉布」が歌われる。

今日は白い旗袍のような衣装に紫色の羽織を纏って登場した夏川りみ。文様のデザインは夏川のオリジナルで、「ムカデ」を表したものであり、ムカデはその足の多さから「よく通う」という意味があるそうで、「お客さんにたくさん足を運んで欲しい」という願いを込めたものだという。
今日も声の情報量が多く。歌声で繰り広げられる絵のない映画を存分に楽しんだ。

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