これまでに観た映画より(314) ドキュメンタリー映画「役者として生きる 無名塾第31期生の4人」
2022年11月1日 京都シネマにて
京都シネマで、ドキュメンタリー映画「役者として生きる 無名塾第31期生の4人」を観る。
仲代達矢が主宰する無名塾。1975年に仲代と妻の宮崎恭子と共に創設した俳優養成所である。入塾のための倍率は高く、文学座と共に「演劇界の東大」と呼ばれることもある。
無名塾に第31期生として入ったのは、上水流大陸(かみずる・たいりく)、中山正太郎、島田仁(じん)、朝日望(のぞみ。女性)の4人である。バックボーンは様々で、中山正太郎は日大一高演劇部から日大藝術学部演劇学科を卒業して入塾。上水流大陸は鹿児島高校の演劇部での活動を経て無名塾に入り、島田仁は国立香川高等専門学校の5年次に無名塾に合格、国立大学の編入試験にも合格していたが無名塾を選んでいる。朝日望は以前に無名塾に合格するも短大での学生生活より無名塾を優先させることがためらわれて一度辞退し(最終面接で、「短大は辞めて来て下さい」と言われたようである)、短大卒業後に無名塾を再度受けてまた合格し、第31期生となった。
無名塾は学費無料だがアルバイトは原則禁止であり(新入生に仲代本人が説明する場面がある)、塾生(でいいのだろか)は常に俳優としてのスキルを上達させることが望まれる。
第31期生は2017年の入塾ということで、新型コロナによる中断を経て、2021年の11月に、総決算ともいえる「左の腕」(松本清張原作、仲代達矢の演出。能登演劇堂ほかでの上演)に全員が出演することとなる。
無名塾は自主稽古が多く、無名塾の先輩からの指導で稽古をすることも比較的多く、仲代が年4回ほどの直接指導を行う。
仲代は、「俳優はアスリート」と考えを持っており、身体訓練は自主的に行うことが求められる。第31期生も、近くの砧公園でランニングを行い、それぞれが成長を自覚しているようである。
養成課程修了後に関しては仲代は、「自由にしていい。ただ演劇は続けて欲しい。技術が必要になるから」と述べている。
4人の演劇観もそれぞれ異なり、小劇場指向で、「お金のために演技をしたくない。稼ぐにはアルバイトがあるので」と昔ながらの舞台俳優としての生き方を志すメンバーもいた。
| 固定リンク | 2
« コンサートの記(812) ザ・フェニックスホール アンサンブル・ア・ラ・カルト65 フィリップ・グラス 「浜辺のアインシュタイン」(抜粋版・演奏会形式) | トップページ | コンサートの記(813) オペラ「石見銀山」石見銀山世界遺産登録15周年記念関西公演@京都劇場 »
コメント
はじめました。
4人は活躍してるのでしょうか。
無名塾は東大ですか。エリートですね。無名塾出は役所、真木、滝藤、若村か活躍してますね。映画「モテキ」の真木は好きです。連ドラ「半沢直樹」の滝藤、連ドラ「この素晴らしき世界」の若村、面白いです。新劇も嘗ての輝きがない気がします。何故?文学座・太地、江守。民芸・滝沢。俳優座・平、山本圭、栗原など眩しい存在でした。劇団通らないで今は活躍してますね。京都造形大出黒木。メンズノンノ出成田凌。国士舘大出眞島秀和。演技の勉強しなくても才能があれば🆗なのでしょうか?
投稿: 広い世界は | 2023年10月 6日 (金) 09時48分