観劇感想精選(451) 山口浩章×KAIKA 「既成戯曲の演出シリーズ」vol.2「特急寝台列車ハヤワサ号」
2022年12月3日 東九条のTHEATRE E9 KYOTOにて観劇
午後7時から、THEATRE E9 KYOTOで、山口浩章×KAIKA 「既成戯曲の演出シリーズ」vol.2 「特急寝台列車ハヤワサ号」を観る。作:ソーントン・ワイルダー、テキスト日本語訳:時岡茂秀(劇書房『ソートン・ワイルダー一幕劇集』より)。演出:山口浩章(このしたやみ/劇団飛び道具)。上演時間約1時間の中編である。
出演は、浅田誠、鈴木美由紀、くぬぎ森子(劇団虹色どんぐり)、多田祥太郎、西山あずさ、齋藤薫、辻智之、橘(ヨアガキ)、鎌田奨一(ウィンターパーク)、大田陽彦(劇団ケッペキ/劇団ゲスワーク)、奥村海斗、渡邊志織、由良真介(笑の内閣)、渡邊容(劇団ケッペキ)、深草友紀子、岡田眞太郎(劇団トム論)、藤村弘二、友井田亮、乱痴パック(演劇集団Q)、河田全休(オフィスKAJA)、野村明里(ブルーエゴナグ)、サンタナカ(忍者ショー企画事務所team児雷也/MIYABEKIKAKU Action Team)、西村花織(劇団しようよ/劇団飛び道具)、合田団地(努力クラブ)、中村こず恵(劇団飛び道具)、佐藤真/ゆめみがち、岡田ヒビキ(ウィンターパーク)、吉岡沙月。総勢28名の大挙出演である。
舞台となるのは、ニューヨークからシカゴに向かう特急寝台列車ハヤワサ号であるが、車内でのやり取りが中心になるのではなく、ある女性の死とそれを巡る、人間ドラマとは異なった諸相が描かれており、特急寝台列車での行程があたかも60分の人生に喩えられたかのような印象を受ける。出演者達による合唱が効果的であり(戯曲には直接的には指示されておらず、今回の上演のための演出である)、生まれたしみじみとした効果は、この作品が年末に上演されるに相応しいことを教えてくれる。
登場するのは人間ばかりでなく、アメリカの各地方や、各地の天候、惑星のさえずりなどであり、今終わった一人の人間の人生が、他の人間のみならず、森羅万象に支えられた行いであったことが実感される。人生は本当に様々な事象に彩られている。
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