コンサートの記(826) 沖澤のどか指揮京都市交響楽団第682回定期演奏会
2023年9月23日 京都コンサートホールにて
午後2時30分から、京都コンサートホールで京都市交響楽団の第682回定期演奏会を聴く。今日の指揮者は、今年の4月から京響の第14代常任指揮者に就任した沖澤のどか。曲目はベートーヴェンの交響曲第4番と、ギヨーム・コネソンの管弦楽のための「コスミック・トリロジー」。「コスミック・トリロジー」は今回が日本初演となる。明日には同一演目による東京公演を控えているというプログラム。チケット完売の盛況である。
午後2時ごろから沖澤のどかによるプレトークがある。曲目としては「コスミック・トリロジー」が先に決まっており、曲目としてベートーヴェンの交響曲第4番を入れることは後から決めたそうだが、「コスミック・トリロジー」が宇宙を描いているということで、ベートーヴェンの交響曲第4番の冒頭の響きとアレグロの爆発力が宇宙に結び付くということで選んだそうである。
2016年から17年にかけて、ドイツで現代音楽の音楽祭に参加したという沖澤。それまで現代音楽に苦手意識があったそうだが、「コスミック・トリロジー」に関しては「面白い!」と気に入り、自身でも取り上げたいと思ったそうだが、一人一人のパートが技術的にとても高度であるため、客演指揮者として提案したとしてもどこのオーケストラにも受け付けてもらえない。ならいつかオーケストラにポジションを持った時に取り上げようということで、京響の常任指揮者となって日本初演に漕ぎつけたそうである。
今日のコンサートマスターは「組長」こと石田泰尚。フォアシュピーラーに泉原隆志。ドイツ式の現代配置での演奏である。
ベートーヴェンの交響曲第4番。黒光りのするような渋い音色によるドイツ的な演奏である。テンポは中庸からやや速めで、ティンパニによる強打が効果的である。
コネソンの管弦楽のための「コスミック・トリロジー」。ギヨーム・コネソンは、1970年生まれのフランスの作曲家。「スーパーノヴァ(超新星)」「暗黒時代の一条の光」「アレフ」の三部からなる作品で、通常は、「アレフ」「暗黒時代の一条の光」「スーパーノヴァ」の順に演奏されるが、今回は作曲された順番で演奏される。
神秘性とダイナミズムを兼ね備えた作品であり五感に訴えかけるような作風を持つ魅力的な楽曲であった。
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