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2024年1月の4件の記事

2024年1月31日 (水)

コンサートの記(830) 沖澤のどか指揮京都市交響楽団第685回定期演奏会フライデー・ナイト・スペシャル

2024年1月19日 京都コンサートホールにて

午後7時30分から、京都コンサートホールで、京都市交響楽団の第685回定期演奏会を聴く。今日の指揮者は、京響常任指揮者の沖澤のどか。オール・フレンチ・プログラムで今日明日と演奏会があるが、今日は休憩なし演奏時間約1時間のフライデー・ナイト・スペシャルと称した演奏会となる。

曲目は、ドビュッシーのハープと弦楽のための舞曲「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」(ハープ独奏:吉野直子)、オネゲルの交響曲第5番「三つのレ」、イベールの「寄港地」。明日はドビュッシーの代わりに、フランス六人組の紅一点であるタイユフェールのハープと弦楽のための小協奏曲が入り、ラヴェルの「ボレロ」が加わる。

なお、今日明日とNHKによる収録があるようで、天井からデッカツリーが下がり、ステージ上にもマイクロフォンが並んでいる。NHKはBSで「沖澤のどか特集」を放映したことがあり、推されているようである。


午後7時から沖澤のどかによるプレトークがある。
オネゲルの交響曲第5番「三つのレ」に関しては、客席に「お聴きになったことのある方、いらっしゃいますか?」と聞いていた。私は手は挙げなかったが、シャルル・デュトワ指揮バイエルン放送交響楽団による「オネゲル交響曲全集」(エラート)を持っているので、録音でなら聴いたことがある。「三つのレ」は、一応オネゲルの交響曲の中では最も分かりやすくポピュラーなので、実演でも一度聴いたことがあるような気がするのだが、はっきりとは覚えていない。
沖澤は、令和6年能登半島地震について触れ、オーケストラ・アンサンブル金沢で指揮研究員をしていた頃の話をし、終演後にエントランスに立って寄付金を募ることを表明した。

今日のコンサートマスターは特別客演コンサートマスターの会田莉凡。フォアシュピーラーに泉原隆志。今日はヴィオラにソロ首席ヴィオラ奏者の店村眞積が入り、チェロの首席には客演の森田啓介が招かれている。ドイツ式の現代配置での演奏。


ドビュッシーのハープと弦楽のための舞曲「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」。この曲を聴くと2日前が誕生日だった故坂本龍一がドビュッシーから強い影響を受けていたことが感じられる。
広上とは透明感にあふれる見通しの良い音を出していた京響であるが、沖澤と出す音はやや渋めで彼女の個性が感じられる。
日本を代表するハープ奏者である吉野直子のハープもエレガントであった。


オネゲルの交響曲第5番「三つのレ」。プレトークで沖澤は「仮の宗教音楽」といった風に例えていたが、冒頭のコラールが実にかっこいい曲である。沖澤の指揮する京都市交響楽団は立体的な音響を作り出す。力強く、透明感もあり、スケールもしっかりとした演奏である。


イベールの「寄港地」からは管楽器の首席奏者も増え(明日はなんといってもラヴェルの「ボレロ」がラストにある)、音の豊かさが増す。沖澤のオーケストラドライブも素晴らしく、左手での指示も効果的で、地中海の匂いが音の殻を破って飛び出してくるような、生命力に満ちた演奏となっていた。


被災地・能登のためのアンコール演奏がある。徳山美奈子の交響的素描「石川」~加賀と能登の歌による~第2楽章「山の女」山中節より。ノスタルジックな楽曲であった。

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2024年1月27日 (土)

コンサートの記(829) 尾高忠明指揮大阪フィルハーモニー交響楽団第574回定期演奏会

2024年1月18日 大阪・中之島のフェスティバルホールにて

午後7時から、大阪・中之島のフェスティバルホールで、大阪フィルハーモニー交響楽団の第574回定期演奏会を聴く。今日の指揮者は大フィル音楽監督の尾高忠明。

曲目は、武満徹のオーケストラのための「波の盆」とブルックナーの交響曲第6番(ノヴァーク版)。

今日のコンサートマスターは崔文ジュ(さんずいに朱)。ドイツ式の現代配置での演奏である。


武満徹のオーケストラのための「波の盆」。1983年11月15日に日本テレビ系列で放送されたテレビドラマ「波の盆」のために武満が作曲した劇伴音楽をオーケストラコンサート用に再編した作品である。
ノスタルジックな曲想が特徴で、尾高と大フィルもリリシズムに富んだ演奏を聴かせる。ちなみに尾高は、「波の盆」を札幌交響楽団とNHK交響楽団を指揮して二度レコーディングを行っている。


ブルックナーの交響曲第6番。
現在ではオーケストラコンサートの王道となったブルックナーの交響曲。今年はブルックナー生誕200年ということで、日本でも各地でブルックナーの曲が演奏される予定である。
交響曲第3番以降が主なオーケストラレパートリーとなっているブルックナーの交響曲であるが、交響曲第6番だけはスパっと抜け落ちたように演奏回数は少なく、尾高自身も以前振った記憶はあるが、その時のことはもう覚えていないそうで、今年、日本のオーケストラがブルックナーの交響曲第6番を演奏するのも現時点で決まっているのは今回の大フィルの演奏会と札幌交響楽団の演奏会のみのようである。
他の交響曲に比べると特徴に欠けるという部分が大きいように思われる。
それでも尾高と大フィルは、突き抜けた青空のように爽快な演奏を展開。スケールも適度で、弦も管も力強く輝かしい。
他の交響曲に比べて魅力的ではないというのは確かかも知れないが、美しいメロディーにも溢れ、演奏機会がもっと多くてもいいような力作であった。

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2024年1月11日 (木)

コンサートの記(828) サッシャ・ゲッツェル指揮 京都市交響楽団特別演奏会「ニューイヤーコンサート」2024

2024年1月7日 京都コンサートホールにて

午後2時30分から、京都コンサートホールで、京都市交響楽団特別演奏会「ニューイヤーコンサート」を聴く。指揮は、ウィーンの生まれ育ちであるサッシャ・ゲッツェル。

ウィンナワルツやポルカを中心としたプログラム。

曲目は、ヨハン・シュトラウスⅡ世の喜歌劇「ジプシー男爵」序曲、ヨハン・シュトラウスⅡ世のエジプト行進曲、ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツ「南国のばら」、コルンゴルトの組曲「シュトラウシアーナ」、ヨハン・シュトラウスⅡ世の狂乱のポルカ、ヨハン・シュトラウスⅡ世の喜歌劇「こうもり」序曲、ヨハン・シュトラウスⅡ世のトリッチ・トラッチ・ポルカ、ヨーゼフ・シュトラウスのワルツ「天体の音楽」、ヨハン・シュトラウスⅡ世のペルシャ行進曲、ヨハン・シュトラウスⅡ世のポルカ「雷鳴と電光」


コンサートマスターは泉原隆志、フォアシュピーラーに尾﨑平。今日はヴァイオリン両翼の古典配置での演奏である。京都市交響楽団ニューイヤーコンサート恒例であるが女性奏者は今日は服装自由で、思い思いにドレスアップした姿での演奏である。

いずれも溌溂とした演奏。弦楽の音色も甘く、ウィーン情緒たっぷりである。ゲッツェルのオーバーアクション気味の指揮姿も見ていて楽しい。

楽団員たちからの、ゲッツェル「あけまして」京響楽団員「おめでとうございます」の新年の挨拶の後、アンコールとしてヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツ「美しく青きドナウ」とヨハン・シュトラウス1世の「ラデツキー行進曲」が演奏される。「ラデツキー行進曲」では、ウィーン・フィルニューイヤーコンサート同様、ゲッツェルは客席を向いて手拍子を指揮したほか、指揮台の周りを回りながら華麗な指揮を見せていた。

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2024年1月 1日 (月)

初詣に行ってきました

今年も東山七条の豊国神社(祭神:豊臣秀吉公)へ。

いつもより少し遅く、午後4時前に行ったのだが、人が多く行列が出来ている。例年は並ぶ必要はないのだが、今年は少し並んだ。豊国神社自体の知名度も上がってきているようで、20年ほど前に最初に詣でた頃に比べると参拝者が徐々にだが増えているのが分かる。

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京都三大唐門の一つである唐門を潜り、拝殿の前へ。ちなみに唐門を潜れるのは正月三が日だけである。本殿の前で参拝している時に地面が揺れたようで、石川県の能登地方で震度7の地震が発生したことを後に知る。

 

その後、豊臣吉子(北政所。寧、寧々、於寧)を祭神とした摂社・貞照神社にも参拝。その後、方広寺の「国家安康」「君臣豊楽」の鐘を見て、仕事守を購入して帰路についた。

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