コンサートの記(829) 尾高忠明指揮大阪フィルハーモニー交響楽団第574回定期演奏会
2024年1月18日 大阪・中之島のフェスティバルホールにて
午後7時から、大阪・中之島のフェスティバルホールで、大阪フィルハーモニー交響楽団の第574回定期演奏会を聴く。今日の指揮者は大フィル音楽監督の尾高忠明。
曲目は、武満徹のオーケストラのための「波の盆」とブルックナーの交響曲第6番(ノヴァーク版)。
今日のコンサートマスターは崔文ジュ(さんずいに朱)。ドイツ式の現代配置での演奏である。
武満徹のオーケストラのための「波の盆」。1983年11月15日に日本テレビ系列で放送されたテレビドラマ「波の盆」のために武満が作曲した劇伴音楽をオーケストラコンサート用に再編した作品である。
ノスタルジックな曲想が特徴で、尾高と大フィルもリリシズムに富んだ演奏を聴かせる。ちなみに尾高は、「波の盆」を札幌交響楽団とNHK交響楽団を指揮して二度レコーディングを行っている。
ブルックナーの交響曲第6番。
現在ではオーケストラコンサートの王道となったブルックナーの交響曲。今年はブルックナー生誕200年ということで、日本でも各地でブルックナーの曲が演奏される予定である。
交響曲第3番以降が主なオーケストラレパートリーとなっているブルックナーの交響曲であるが、交響曲第6番だけはスパっと抜け落ちたように演奏回数は少なく、尾高自身も以前振った記憶はあるが、その時のことはもう覚えていないそうで、今年、日本のオーケストラがブルックナーの交響曲第6番を演奏するのも現時点で決まっているのは今回の大フィルの演奏会と札幌交響楽団の演奏会のみのようである。
他の交響曲に比べると特徴に欠けるという部分が大きいように思われる。
それでも尾高と大フィルは、突き抜けた青空のように爽快な演奏を展開。スケールも適度で、弦も管も力強く輝かしい。
他の交響曲に比べて魅力的ではないというのは確かかも知れないが、美しいメロディーにも溢れ、演奏機会がもっと多くてもいいような力作であった。
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