これまでに観た映画より(324) ビクトル・エリセ監督作品「瞳をとじて」
2024年2月15日 京都シネマにて
京都シネマで、スペイン映画「瞳をとじて」を観る。ビクトル・エリセ監督が31年ぶりにメガホンを取った作品。出演:マノロ・ソロ、アナ・トレント、ホセ・コロナドほか。
1967年、映画「別れのまなざし」撮影中に主演俳優のフリオ・アレナスが失踪する。22年後、フリオの元親友で元映画監督、その後は小説家などとしても活動していたミゲルは、テレビ局からフリオ失踪事件の謎に迫るドキュメンタリー番組の取材を受ける。その後、フリオに似た男が海辺の町の養老院にいるという情報を得たミゲルは、海辺の町へと向かう。
上映時間2時間49分の大作である。失踪事件のミステリーを描きながら、家族の事情、ミゲルの人生などにも踏み込んだ意欲作である。
劇中劇ならぬ映画中映画「別れのまなざし」で中国語が用いられているのも興味深い。
ラストは明かされることなく、観客に委ねられている。失われた歳月に思いをはせながら今を描いた作品である。
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