コンサートの記(836) Fever presents Candlelight 「坂本龍一の名曲集」 長富彩(pf)
2024年2月2日 京都コンサートホール小ホール「アンサンブルホールムラタ」にて
午後5時から、京都コンサートホール小ホール「アンサンブルホールムラタ」で、Fever presents Candlelight「坂本龍一の名曲集」を聴く。ステージ上いっぱいにキャンドルを灯してのピアノコンサート。ピアノ演奏を務めるのは、リストやラフマニノフを得意とする技巧派の長富彩。
曲目は、「水の中のバガテル」、「The Last Emperor」、「東風(tong poo)」、「The Sheltering Sky」、「Shining Boy and Little Randy(星になった少年)」、「Rain(I want to divorce)」、「Energy Flow」、「Bolerish」、「The Wuthering Heights(嵐が丘)」、「Merry Christmas Mr.Lawrence(戦場のメリークリスマス)」
生前の坂本龍一のピアノソロコンサートには2度接しているが(いずれも大阪。旧フェスティバルホールとサンケイホールブリーゼ)、長富彩の表現は作曲者本人のそれに比べてダイナミックレンジの幅が大きいようである。特に「ラストエンペラー」の冒頭などはスローテンポでスケールも大きく、重厚さが印象的であった。
マイクを手にして楽曲解説を行いながらのコンサート。
「Bolerish」は映画のための音楽だったが、ブライアン・デ・パルマ監督から、「ラヴェルの『ボレロ』そっくりの曲を書いてほしい」と依頼され、「禁を破って」書いた曲である。ラヴェル協会から訴えられそうになったりしたそうだが、「ボレロ」のメロディーと構成を生かしつつ、洒落た音楽に仕上げているのは流石である。
「The Sheltering Sky」は高校2年生の時に音楽の授業のピアノ発表会で演奏した思い出深い曲である。残念ながら今回はアレンジ違いであったが、ミステリアスで悲劇的な曲調を生かした演奏になっていたように思う。
アンコール演奏は、「M.A.Y. IN THE BACKYARD」。ノリの良い演奏であった。
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