これまでに観た映画より(329) ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ 美を患った魔術師「ZOO」
2024年4月1日 京都シネマにて
京都シネマで、ピーター・グリーナウェイ監督作品「ZOO」を観る。独特の映像美を特徴とするピーター・グリーナウェイの代表作4作を上映する「ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ 美を患った魔術師」の1本として上映されるもの。出演:アンドレア・フェレオル、ブライアン・ディーコン、エリック・ディーコン、フランシス・バーバー、ジェラード・トゥールン、ジョス・アクランドほか。音楽:マイケル・ナイマン。
動物園で動物学者として働くオズワルド(ブリアン・ディーコン)とオリヴァー(エリック・ディーコン)の双子の兄弟は、交通事故で共に妻を亡くす。事故を起こした車を運転していたアルバ(アンドレア・フェレオル)は一命を取り留めるが、右足を付け根から切断することになる。アルバとオズワルド、オリヴァーは次第に接近していくのだが、双子の兄弟は腐敗する動物の死骸に興味を持つようになる。
全裸のシーンが多いため、日本でのロードショー時にはかなりの部分がカットされたというが、現在はカットなしで上映されている。
シンメトリーの構図が多用されているのが特徴で、フェルメールの話が出てくるなど、グリーナウェイ監督が元々は画家志望だったことが窺える要素がちりばめられている。絵画的な映画と呼んでもいいだろう。
動物の死骸が腐敗していく様子を早回しで映すシーンで流れるマイケル・ナイマンの曲は、映画のために書かれたものではなく、先に「子どもの遊び」として作曲されていた曲の転用である。
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