コンサートの記(840) びわ湖ホール オペラへの招待 オッフェンバック作曲「天国と地獄」(新制作)
2023年12月23日 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール中ホールにて
午後2時から、びわ湖ホール中ホールで、びわ湖ホール オペラへの招待 オッフェンバック作曲「天国と地獄」(新制作)を観る。オペレッタにも分類されるということで日本語上演・日本語字幕付きである。終盤のみフランス語が用いられる。台本と演出を手掛けるのは神戸出身の岩田達宗。岩田はホワイエに展示された神々相関図のイラストも手掛けていて、神々の可愛らしい絵姿を描いていた。訳詞は宮本益光。びわ湖ホール声楽アンサンブルの指揮者である大川修司指揮大阪交響楽団(コンサートマスター・林七奈)の演奏。出演は、有本康人(オルフェ)、山岸裕梨(ユリディス)、藤居知佳子(字幕)、奥本凱哉(おくもと・ときや。プルトン/アリステ)、市川敏雅(いちかわ・としまさ。ジュピター)、森季子(もり・ときこ。キューピッド)、佐々木真衣(ダイアナ)、船越亜弥(ヴィーナス)、西田昂平(マルス)、迎肇聡(むかい・ただとし。メルキュール)、黒田恵美(ジュノン)、島影聖人(しまかげ・きよひと。ハンス・スティックス)。合唱はびわ湖ホール声楽アンサンブル。ダンサーは、浅野菜月、片山未知、天上うらら、天上さくら(振付:河森睦生)。
今回の演出では、字幕が「世論」として重要な役割を果たす(びわ湖ホールを制御するコンピューターの言葉という設定)。
フレンチカンカンの音楽がとにかく有名なオペラ(オペレッタ)だが、私が「天国と地獄」(原題は「地獄のオルフェ」)を観るのは映像も含めて初めてになる。
グルックのオペラでも有名な「オルフェオとエウリディーチェ」の話を当時の世相を反映させる形の奔放なパロディーに仕立てた作品で、今回の演出でも、自民党安倍派のパーティー券問題、アメフトの日大フェニックスの不祥事、インボイス制度の導入などが風刺されている。今年(2023年)亡くなった、吉本新喜劇の桑原和男の玄関先ネタも加えられていた。
今日は前から2番目の席で聴いたのだが、大川の指揮する大阪交響楽団に威力があり、歌手の歌唱の水準も高く、バカ騒ぎのようなファルスを楽しむことが出来た。
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