ホームドラマチャンネル「笠置シヅ子スヰング伝説」
2024年6月10日
録画しておいたホームドラマチャンネルのオリジナル特番「笠置シヅ子スヰング伝説」を見る。司会は佐藤利明。「スヰングかっぽれ ラッパと娘」「HOT CHINA 聖林(ハリウッド)見物」「HOT CHINA ほっとちゃいな」という神戸映画資料館から見つかった3本のショートフィルムが公開される。
いずれも笠置シヅ子が、SGDこと松竹楽劇団に所属していた26歳頃の映像である。
「スヰングかっぽれ ラッパと娘」には、まず、やんちゃガールズという4人組(荒川おとめ、雲井みね子、志摩佐代子、波多美喜子)の女性グループが現れ、「スヰングかっぽれ」を踊りながら歌う。続いて、笠置シズ子(笠置シヅ子)が現れ、デビュー曲の「ラッパと娘」を歌う。音声も映像も古いので途中で飛んだり、ノイズが多かったりするが、戦前の笠置シヅ子の映像は存在しないとされていただけに貴重である。単に映像を撮っているだけではなく、トランペットの映像を重ねるなど、当時としては凝った編集が施されている。トランペット独奏は斉藤広義。SGDスイングバンドのバンドマスターで、「ラッパと娘」のSP盤でもトランペットを吹いている奏者である。新交響楽団、日本交響楽団(いずれもNHK交響楽団の前身)を経て、大阪に渡り、関西交響楽団(大阪フィルハーモニー交響楽団の前身)の首席トランペット奏者として活躍した。
「HOT CHINA 聖林見物」。聖林というのは、Hollywood(柊林)のHollyをHolyだと勘違いして付けられた日本語表記である。
まず、リズム・ボーイズ(一條徹、上白潔、飛鳥亮、三上芳夫。「あすか・りょう」という人物がいるのが面白い)の「お江戸日本橋」の歌唱があり、SGDスイングバンドの演奏を経て、笠置シズ子が登場して「紺屋高尾の聖林見物」を歌う。「紺屋高尾の聖林見物」は、篠田実の浪曲「紺屋高尾」を服部良一がジャズ化したもので、途中でアニメーションが挿入され、笠置シズ子がハリウッド俳優のタイロン・パワーと出会う様が描かれている。
「HOT CHINA ほっとちゃいな」は、笠置シズ子の「ホットチャイナ」と、やんちゃガールが「支那の夜」ならぬ「支那の朝」を歌う様が収録されている。
SGDスイングバンドの華麗な演奏(予想以上に上手い)に始まり、爆竹の鳴る映像が流れて、笠置シズ子が中華風の衣装を纏って登場して歌う。普段よく見るのは、笠置シズ子が「東京ブギウギ」を発表して以降の映像なので、若くて可愛らしい頃の笠置シズ子の映像を見ることが出来るのは新鮮な心地を覚える。
やんちゃガールズは、まず「支那の夜」(李香蘭主演の同名映画の主題歌。渡辺はま子が歌った)を歌い、その後、小芝居を挟んで、中国を題材にした楽曲を次々に歌い、最後は「支那の夜」のパロディーである「支那の朝」を歌って終わる。途中でタップを踏む場面があるなど、やんちゃガールズがかなり器用な女性の集まりであることが分かる。
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