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2024年6月17日 (月)

スタジアムにて(43) 日本生命セ・パ交流戦2024 オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズ第1戦 奥川恭伸復帰登板 2024.6.14@京セラドーム大阪

2024年6月14日 京セラドーム大阪にて

京セラドーム大阪で、日本生命セ・パ交流戦、オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズの一戦を観戦。久しぶりの京セラドーム大阪であり、久しぶりの東京ヤクルトスワローズの試合観戦である。午後6時プレーボール。

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試合前には、山田哲人の母校である履正社高校の吹奏楽部とチアリーディング部によるパフォーマンスがある。履正社高校のチアリーディング部は意外に歴史が浅く、創部からまだ2年しか経っていないそうだ。

その山田哲人は今日は出場はなく、セカンドには武岡龍世が9番バッターとして入る。
今日のスワローズ打線は、相手投手が右腕のカスティーヨということもあるが、両外国人と捕手の松本直樹以外の6人が左バッターである。相手が右腕だからというだけでなく、主力に右投げ左打ちが多いということでもある。

今日のスワローズの先発は奥川恭伸。金沢・星陵高校時代に高校ナンバーワン投手と呼ばれ、甲子園では準優勝。ドラフト1位でスワローズに入団し、2年目には中10日前後という余裕を持たせた登板で規定投球回数未到達ながらチームトップタイの9勝を挙げて優勝と日本一に貢献し、ブレークしたが、翌年はコンディション不良で投球がままならず、オフには肘の故障によりトミー・ジョン手術を勧められるが、手術は避け、保存的療法を選択する。

4年目となる2023年は二軍では投げて、それなりに好投することもあったが成績自体はよくはなく、更に右足首の骨折により戦線離脱していた。

奥川が背負っていた背番号11は、ヤクルトスワローズの準エースナンバーであるが、歴代の背番号11の選手の中には、荒木大輔や由規(佐藤由規)といった、活躍はしたが長期離脱も経験した選手が複数含まれおり、また奥川も背番号変更を望んだため、験担ぎの意味も込めて背番号を18に変えている。12球団共通のエースナンバーであるとされる18(たまに野手がつけたりもするが)であるが、ヤクルトで成功した背番号18は伊東昭光と藤井秀悟が目立つ程度。特に藤井は背番号23の時の方が活躍している。先に背番号18をつけていた寺島成輝(てらしま・なるき)は、高校ナンバーワン左腕としてドラフト1位で履正社高校から入団しながらほとんど活躍できずにチームを去っており、その前の背番号18である杉浦稔大(すぎうら・としひろ)も即戦力右腕としてドラフト1位で國學院大學から入団したが、入団直後に右肘靱帯断裂の故障が判明し、その後も不振のままトレードで北海道日本ハムファイターズに移っている。ということでスワローズに関しては18も余り良い番号ではない。

奥川は、今年の1月1日に、帰省していた石川県かほく市の実家で令和6年能登半島地震に遭遇。隣町の親戚宅に避難している。


今日の京セラドーム大阪はブラザーDAYとして、バファローズ高校という架空の高校が設定され、甲子園球場での高校野球でアナウンスをしていた女性(ウグイス嬢とはもういわないのかな?)が招かれて、バファローズの選手は高校野球同様に「君」付けでアナウンスされ、出身高校が呼ばれる。大卒や社会人経由の選手もそれらの経歴には触れられず、高校のみである。甲子園の常連校出身者もいれば、甲子園には縁がないが地方では強豪の高校を出た選手、そして全くの無名校出身の選手もいる。出身高校の知名度とプロでの実績が必ずしも一致しているわけではない。オーロラビジョンには選手の高校時代の写真が映る。甲子園に出ている選手は甲子園での写真が選ばれているが、そうでない選手は地方大会や練習試合での写真。それもない場合は卒業アルバムの写真が用いられる。

オリックス・バファローズの先発はドミニカ出身のカスティーヨ君。外国人の選手であっても出身高校名(リセオ・パドレ・ファンティノ高校)はコールされる。MAX152キロを記録するが、球が走っているという感じはなく、本人も自覚があるのか、ストレートは見せ球に使って、スライダーなどの変化球で勝負する。今日の京セラドーム大阪のスピードガンは、全体的に跳ね気味で、実際よりも2~3キロほど速く計時されているような印象を受けた。

スワローズは先頭打者の西川遥輝がファーストゴロを放つが、カバーに入ったカスティーヨがボールを後逸。いきなりのエラーでトップバッターが出塁する。2番の丸山和郁が送りバントを決め、一死二塁。長岡秀樹は凡退するが、4番の村上宗隆がセンター前に抜ける当たりを放ち、西川が生還して、スワローズが先制点を奪う。


奥川恭伸は、ストレートのMAXは151キロ。球速よりも打者の手元での伸びが感じられるストレートで、押されてファールになったり、いい当たりでも途中で失速して野手が追いつくという場面が見られる。
ただ奥川もストレート主体というよりは、スライダー、カット、フォークなどを織り交ぜて打たせるピッチングである。

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ちなみにオリックスの1番バッターは、廣岡大志君(智弁学園出身)。スワローズ時代は大型ショートとして将来を期待されたが田口麗斗とのトレードでジャイアンツに移籍。ジャイアンツでもそこそこの活躍で今度はバファローズに移り、内野手登録ながら今日はセンターでの出場である。打率は1割台半ばで、このままだとレギュラー定着は難しい。

今日のスワローズは、青木宣親を7番レフトで先発起用するが、3打数ノーヒットでベンチに引っ込んだ。これで打率は2割を下回り、青木も年には勝てないようである。

3回表、ヤクルトは先頭の9番セカンド・武岡龍世がヒットで出塁。西川は三振に倒れるも、丸山和郁がヒットで繋いで一塁三塁。長岡のセカンドゴロの間に武岡が帰って追加点を奪う。村上は四球。続くサンタナの当たりはライトへの大飛球。ライトが追いついたかに見えたが捕れず、更に2点が加わった。4-0。

4回裏にオリックスはラオウこと杉本裕太郎君(徳島商業出身)の左中間への一発が飛び出して1点を返す。VTR映像が出たが、ど真ん中へのストレートであった。
奥川は5回を投げて被安打7、奪三振3と上出来とはいえないピッチングであったが、四死球はなく、失点1に抑えて、勝利投手の権利を得たままマウンドを降りる。


5回裏、ヤクルトは一死一塁三塁のチャンスを作り、オスナはライトへの浅いフライ。サードランナーの村上はタッチアップで本塁を狙うが、バファローズのライト・来田涼斗君(きた・りょうと。明石商業出身)のバックホームが速い上にコントロールが良く、キャッチャーはノーバウンドキャッチで楽々アウトとした。好返球にスタンドが沸く。

スワローズの2番手は大西広樹だったが、大西も150キロ台を連発。やはりスピードガン表示がいつもより速いようである。

スワローズの3番手は、今年はケースによってはクローザーも務めた石山泰稚。石山も最近には珍しく151キロをマークするが、ヒットを許して暴投と乱調。代打の森友哉君(大阪桐蔭出身)にライトへのツーベースを打たれて1点を与える。その後ツーアウトまで漕ぎ着けるが、太田椋君(天理高校出身)にレフトへのタイムリーツーベースを打たれて、1点差。伊藤智仁ピッチングコーチが現れて、石山はここで降板となった。左の西川龍馬君(敦賀気比高校出身)がバッターボックスということで、ヤクルトも左腕の山本大貴をマウンドに送る。勝負は山本が勝った。

8回表、オリックスのマウンドには2番手の富山凌雅君(とみやま・りょうが。九州国際大付属高校出身)。戦力外、育成契約を経て支配下登録に戻った左腕である。富山はそれほど球の速いピッチャーではないが、先頭の丸山和郁の頭に当ててしまう。一時は担架も運ばれたが、丸山は立ち上がり、一塁まで歩いたところで代走を送られた。セ・リーグだとバッターの頭に当てると問答無用でピッチャー一発退場だが、交流戦ということで富山の続投が許される。ヤクルトはチャンスを作るが二者連続三振で点は奪えなかった。

8回裏。ヤクルトは清水昇ではなく、木澤尚文をマウンドに送る。木澤も登板過多の傾向にあり、以前ほどの安定感はない。木澤はMAX153キロのツーシームを投げるが、オリックス打線も負けず、一死満塁とする。しかしここで木澤は踏ん張り、二者連続三振を奪って点を許さなかった。

9回表に、バファローズは中日ドラゴンズから現役ドラフトで移った鈴木博志君(磐田東高校出身)をマウンドに送る。
先頭のオスナがスワローズファンの待つ左中間スタンドへのアーチを架ける。5-3。

2点リードで迎えた9回裏。スワローズはクローザーの田口麗斗をマウンドに送る。故障が癒えたばかりの田口。球速は戻っておらず、MAXは144キロに留まったが、3人で抑え、5-3で東京ヤクルトスワローズがオリックス・バファローズとの交流戦第1戦を制した。

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ヒーローインタビューは、980日ぶりの一軍勝利を挙げた奥川恭伸が受ける。奥川は感極まって男泣き。スタンドから拍手と「奥川」コールが奥川を励ました。

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