楽興の時(48) Salon&Bar SAMGHA MANGETSU LIVE 2024.4.24 小出智子(リュート)
2024年4月24日 元本能寺町そばのSalon&Bar SAMGHAにて
元本能寺の近く、油小路に面したSalon&Bar SAMGHAで、MANGETSU LIVEに接する。
毎月、満月の日にSAMGHAで行われる古楽を中心とした演奏会。今日はリュート奏者の小出智子がソロで出演する。
小出智子は、同志社女子中学校時代にクラシックギターを始め、同志社大学英文科卒業後、会社員生活を経てリュートを始め、関西を中心にリュートの演奏活動を行っている。左京区下鴨の月光堂音楽教室リュート科講師であり、日本リュート協会理事も務めている。
バロック時代までは盛んに奏でられていたリュートだが、その後、急速に衰退。弦の数が多すぎることや音が小さいことなどがその理由とされる。ギターやマンドリンといった楽器に取って代わられ、20世紀半ばに古楽ブームが起きるまでは過去の楽器扱いだった。現在も知名度こそ回復しているが、レパートリーが古い時代のものに限られるということもあり、演奏家の数や演奏を教える教室の数などもギターなどに比べると段違いで少ない。
午後7時からと、午後8時から、それぞれ演奏時間30分ほどの2回公演。
小出はまず、「誰でも知っているはず」の曲として「グリーンスリーブス」を演奏する。
リュートの音楽の多くが、パッサメッツォというコード進行で出来ているということで、パッサメッツォの進行による音楽が何曲も奏でられた。
服部良一の「蘇州夜曲」を弾いて欲しいというリクエストがあったのだが、小出が出だししか知らないということで、私が急遽アカペラで「蘇州夜曲」を歌って協力したりした。
その後、ネット上にあった「蘇州夜曲」の楽譜が印刷されて配られ、皆で歌うことになったが、印刷した譜面は渡辺はま子が歌った女声バージョンを元にしているため、キーが高く、男声には歌いにくかった。
リュートの主なレパートリーとしてベルガマスカ(ベルガマスク)という北イタリアのベルガモ地方の中世の舞曲があり、第2部ではベルガマスカを中心として演奏が行われた。
フランスの作曲家であるドビュッシーがベルガマスク組曲(第3曲の「月の光」が有名)を、フォーレが「マスクとベルガマスク」という舞台音楽を書いているが、フランスにおけるベルガマスクは、イタリア発の中世のベルガマスクとは趣が大きく異なるようである。
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