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2024年8月31日 (土)

NHKBS「クラシック俱楽部」 村治佳織 村治奏一 ギター・デュオ・リサイタル 岡山県津山市公開収録

録画しておいたNHKBS「クラシック俱楽部」村治佳織 村治奏一 ギター・デュオ・リサイタル 岡山県津山市公開収録を視聴。冒頭に村治佳織が演奏した、映画「ディア・ハンター」のテーマ曲であるマイヤースの「カヴァティーナ」が流れるが、公開収録ではこの曲は演奏されない。

演目は、カルッリの対話風小二重奏曲第2からロンド、エンニオ・モリコーネの映画「ミッション」から「ガブリエルのオーボエ」(村治佳織独奏。モーガン&ポーチン編曲)、坂本龍一の映画「戦場のメリークリスマス」から「Merry Christmas Mr.Lawrence」(村治佳織独奏。佐藤弘和編曲)、ヘンリー・マンシーニの映画「ひまわり」から「ひまわり」(村治奏一独奏:鈴木大介編曲)、映画「プマリアネッリの「プライドと偏見」から夜明け(牟岐礼編曲)、藤井眞吾の「ラプソディー・ジャパン」

津山城の一角にある津山文化センター大ホールでの2020年12月11日の収録。津山文化センターは1965年の竣工。2020年にリニューアル工事が行われ、リニューアルオープンを記念しての収録だと思われる。

コロナが猛威を振るっていた時期であるため、感染対策を十分に講じての収録となった。

4歳差の村治姉弟。ギタリストである村治昇の子である。デビューは姉の村治佳織の方が早く、15歳でデビュー。当時は「女子高生ブーム」だったので(今考えると変なブームである)「女子高生ギタリスト」としてもてはやされ、村治自身もそれを強みと考えている旨を発言していたりする。同世代の男子高校生は村治佳織のことを「ムラジー」のあだ名で呼んだとの記録があるが本当かどうかは定かでない。クラシック音楽の奏者としてはトップレベルのビジュアルの持ち主であり、若い頃からテレビ番組への出演も多く、写真集も出している。
姉がアイドルのような人気を博す一方で、弟の村治奏一は周囲に騒がれることなくギターに専念できた強みがある。

映画音楽を多く取り入れたプログラム。モリコーネの「ガブリエルのオーボエ」は、現在ではオーボエ奏者のアンコール曲目の定番となっているが、ギターで演奏されるのは珍しい。

坂本龍一の「Merry Christmas Mr.Lawrence」。村治佳織は生前の坂本龍一と交流があり、この曲も村治のギター、坂本龍一のピアノで共演しており、その時の映像は今でもYouTubeなどで確認することが出来る。2020年ということで、坂本龍一はまだ存命中であるが、今、放送ということで追悼の意味も込められているのかも知れない。
村治佳織の演奏はギターによるものとしてはスケールが大きいのが特徴である。

指揮者の藤岡幸夫の大のお気に入りでもあるマンシーニの「ひまわり」。私も簡単な編曲によるピアノ版を弾いたことがあるが、単に聴くよりも弾いた方が胸に響く楽曲である。マンシーニは、作曲する際には女優の顔を思い浮かべるのが常だったようだが、この曲もソフィア・ローレンを思い浮かべながら作曲したのだろうか。
村治奏一の演奏は切々とした語り口が印象的である。

二人によるトーク。村治佳織はパリのエコールノルマルで、村治奏一はニューヨークのマンハッタン音楽院で学んでいるため、スタイルが異なるはずなのだが、実の姉弟ということで、間の取り方や表現の仕方の根っこの部分が同じになるので、敢えて違えるように工夫しているそうである。
ちなみにテレビ収録ということで、村治佳織は弟のことを「奏一さん」、村治奏一は姉のことを「佳織さん」と呼んでいるが、普段はどう呼んでいるのかは分からない。


藤井眞吾の「ラプソディー・ジャパン」は、日本の民謡や日本人作曲家の旋律を取り入れた作品で、「さくらさくら」、瀧廉太郎の「花」(村治姉弟は東京都台東区出身なので隅田川を「地元」と語る)、川越城が舞台とされる「とおりゃんせ」、「かごめかごめ」、成田為三の「浜辺の歌」、「ずいずいずっころばし」 、「故郷」 などが次々に演奏され、ノスタルジアに浸ることが出来た。

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