スタジアムにて(44) セ・パ交流戦 オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズ 高知よさこいシリーズ@京セラドーム大阪 2015.6.10
2015年6月10日 京セラドーム大阪にて
京セラドーム大阪で、セ・パ交流戦、オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズの試合を観戦。三塁側の内野席で見たのだが、思ったよりもスワローズファンが多い。オリックス・バファローズと東京ヤクルトスワローズの試合はこれまでも京セラドーム大阪で見てきたのだが、いずれも三塁側までバファローズファンというのが常であった。ちなみに家族で来ていて、子供も含め両チームのファングッズを持ってどちらも応援という人もいた。そういうのもいい。
投手だけ予告先発で、バファローズは2年目の東明大貴(とうめい・だいき)、スワローズはホークスから去年移籍してきた新垣渚である。共に今シーズン挙げた勝ち星は1つだけで負け越している。
今日は高知よさこいシリーズということで、「リョーマの休日」と書かれた高知家(高知県のキャッチフレーズ)の幟が立ち、高知県観光案内が入ったビニール袋を入り口で手渡された。また、ミス高知の岡林綾乃さんも来ており、岡林さんは始球式も務めた。「そういえばスワローズの90年代前半のエースだった岡林洋一もパラグアイ生まれの日系二世だったが、両親は高知県出身で、岡林本人も高校は高知商業だったな」と思い、後で調べてみると、「岡林」というのは高知県固有ではないが高知県ではかなり多い苗字だそうである(高知県だけ「多い苗字トップ10」に入っている。他の都道府県ではトップ500にすら入っていない)。
高知県のゆるキャラ、坂本龍馬くんも来ており、試合前と5回終了後のグラウンド整備の時間にバファローズのマスコットと並んでグラウンドを歩いた。
先発ピッチャーであるが、新垣の方が調子が良い。ストレートは東明がMAX147キロ、新垣がMAX148キロで大差ないが、東明のストレートがリリースからキャッチャーミットに収まるまで同じ速度で進むように見えるのに対して、新垣のストレートは打者の手元で伸びがある。ストレートが途中から加速することは絶対にあり得ないので、初速と終速の差が少ないストレートなのであろう。
今日のヤクルトの先発ショートは今浪。「守備の人」というイメージの強い森岡がDHで入る。スワローズのセカンド・山田哲人とバファローズ・ファーストのTー岡田は大阪の履正社高校の先輩後輩である。
東明は立ち上がり、山田哲人に対して4球連続でスプリットを投げた後で146キロのストレートを投じるが、山田に詰まりながらもセンター前に運ばれる。2番・上田はサードゴロ。ゲッツーは免れてランナーが入れ替わり上田が一塁走者となる。その後、東明がバランスを崩してボールを上手くリリース出来ないという場面がある。ボークでランナー二塁。だが、東明はこの回は0に抑える。
2回表、スワローズは7番・森岡が右中間フェンス直撃のスリーベースヒットを放ち、チャンスを作ると、今浪は勝負を避けられるも、今年は打撃の調子が今一つの9番・中村がタイムリーヒットを放ち、ヤクルト先制、1-0。
新垣渚というとどうしても「ノーコン」「暴投」のイメージがあるが、今日はバファローズ打線の早打ちにも助けられ、球数も少ないまま快調なピッチングを続ける。
スワローズは4回表にも森岡のヒットと今浪のバント、山田へのフォアボール(キャッチャーは立ち上がらなかったがおそらく敬遠である)で二死一塁二塁とすると、上田がセンターに弾き返して追加点を挙げる。2-0。
4回裏、T-岡田がライト線に大きな当たり。軌道からファールだと思い、実際ファールであったが、思ったよりもライトポールに近い当たりであった。T-岡田のバットコントロールが良いのであろう。逆にバットコントロールが不調なのがヤクルトの4番打者・雄平で、バットスイングを見ていると、どうも自身が思っているスイングスピードと実際の速度に差があるように感じられた。
5回表、一死から畠山が痛烈な打球。スピードが速すぎてボールが見えなかったが、前で捌いたのはわかったのでレフトスタンドを見ると、ボールが弾丸ライナーで吸い込まれていくところであった。スワローズ追加点、3-0。
新垣はストレートとフォーク、カーブを軸にバファローズ打線を抑える。6回までに許した安打は中島の1本だけ。糸井に対してはスローカーブを投げ、スローカーブが全く頭になかった糸井がピクリとも動かずストライク。客席から笑い声が起こる。
しかし、7回表、中島が今日2本目のヒットを放ち、迎えるは前の打席で大飛球を飛ばしたT-岡田。岡田の痛烈な当たりが一塁コーチャーズボックスに向かって飛び、すんでのところで交わして横になったバファローズの佐竹コーチが立ち上がると客席から拍手が起こる。続く岡田の当たりは打った瞬間に入ったとわかる特大のもの。外野2階席中段に飛び込むビッグアーチであった。バファローズ追い上げ2-3。T-岡田はこれがプロ通算100号のメモリアルアーチとなった。新垣がTー岡田に2打席続けて大きな当たりを打たれたため、スワローズベンチはここから継投策に入る。2番手はサイドスローの秋吉。カラバイヨがフォアボールで歩いた後で、バファローズはこちらも「守備の人」のイメージのある原拓也を代打に送る。たが、原は期待に応えられず三振。二盗を試みたカラバイヨもタッチアウトとなり、三振ゲッツーでスワローズはピンチを切り抜ける。
バファローズは東明から岸田、塚原、マエストリという投手リレー。塚原とマエストリは共にMAX150キロを出した。
スワローズはセットアッパーのオンドルセクが8回を三者凡退に抑える。軸足である右脚に乗せた体重を左脚を踏み込むと同時に前に倒すように移動させるというピッチングフォーム。ストレートもMAX150キロを記録した。そして9回はクローザーのバーネットが登場。
バーネットは今日登板したピッチャーの中で最速となるMAX151キロを二度マークしたが、先頭打者の安達にライトオーバーの二塁打を許し、ピンチを招く。糸井はボテボテのキャッチャーゴロであったが、ランナーは進塁。一死三塁となる。内野ゴロでもランナー生還の可能性が高い場面である。ここで高津投手コーチがマウンドへ行き、内野手達もマウンドに集まる。
スワローズはゴロでは1点もやらないということで内野は超前進守備を敷く。外野は逆に深く守る。ヒットを外野手の前に打たれて同点は仕方ないが外野手オーバーの長打でサヨナラのランナーが得点圏に進むことは避けるという意味もある。
中島の当たりはサードへのゴロ。ヤクルトのサード・川端慎吾は三塁ランナーの動きを牽制してから一塁へ送球。二死三塁と変わる。
そして迎えるのは大砲のT-岡田。岡田はバーネットの球威に押され、ショートゴロ。予め右寄りに守っていた今浪がこれを捌いて、東京ヤクルトスワローズが、3-2で辛勝した。
ちなみに今日登板した投手の中でワインドアップで投げたのは0。アーム式のテイクバックの場合は球に勢いを付けるのに有効だったワインドアップであるが、肘から上げるスクラッチ式のテイクバックではワインドアップにするメリットはほぼないのでワインドアップするピッチャーはかなり減っている。
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