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2024年10月 8日 (火)

テレビ朝日ドラマプレミアム「黄金の刻(とき) 服部金太郎物語」

2024年3月30日

テレビ朝日ドラマプレミアム「黄金の刻(とき) 服部金太郎物語」を見る。セイコーグループ(旧・服部セイコー)の創業者である服部金太郎を描いたドラマ。楡周平の同名小説が原作である。出演:西島秀俊、松嶋菜々子、山本耕史、濱田岳、水上恒司、吉川愛、正名僕蔵、高嶋政伸、高島礼子、船越英一郎(特別出演)ほか。ナレーション:八木亜希子。

服部金太郎の若き日を、朝ドラ「ブギウギ」の村山愛助役で話題になった水上恒司が演じているほか、壮年期以降の金太郎役で連続ドラマ「さよならマエストロ」を終えたばかりの西島秀俊が主演。昨年は大河ドラマ「どうする家康」で家康の母・於大の方として出演していた松嶋菜々子、NHKドラマ「ベトナムのひびき」に主演したばかりの濱田岳などお馴染みの顔ぶれが揃っている。

銀座のシンボルである和光(現在はセイコーハウス銀座に改称)に本社を置くことでも知られるセイコー。後楽園球場のスポンサーとなり、電光掲示板最上部の時計の下に「SEIKO」の文字を出していたことでもお馴染みである。

創業者の服部金太郎は、幕末生まれと意外に古い人物で、寺子屋で学び、丁稚奉公を経験している。年季が明けた後は時計店に見習いで入り、その後独立して時計修理の服部時計店を立ち上げると、西洋式の取引で頭角を現し、時計の製造へと手を伸ばす。時計技術長に迎えられた吉川鶴彦を山本耕史が演じているが、今だとASDかそのグレーゾーンの診断を受けそうな人物として描かれている。コミュニケーションが取れず、相手の目を見ることが苦手で、過集中で仕事にのめり込み、英語を習ったことがないのに内容を理解し、細工の腕や創造力の高さは一種のサヴァンを連想させる。戦前の職人仕事だから良かったが、高度コミュニケーション化された現代社会で通用するのかどうか微妙な人物である。

ベテラン俳優の領域に達した西島秀俊が貫禄はあるがどこか抜けている社長を好演。濱田岳が敵役で憎たらしさを出している。松嶋菜々子はいつもながらの松嶋菜々子で、良くも悪くも安定感があった。

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