NHK連続テレビ小説「虎に翼」全話概要、解釈及び解説
第1回
明治大学法学部OGで、日本初の女性弁護士、日本初の女性裁判官、日本初の家庭裁判所女性所長となった三淵嘉子(みぶち・よしこ。1914-1984)をモデルにしたNHK連続テレビ小説「虎に翼」。ちなみに三淵さんは誕生日も私と1日違いです。ヒロインの猪爪寅子(いのつめ・ともこ)を演じるのは、私と同郷の伊藤沙莉(いとう・さいり)。今回はヒロインオーディションは行われず、制作側から直々にオファーを受けてのヒロイン抜擢です。三淵さんが、五黄の寅年の生まれなので、寅子という名がつけられました。ちなみに私も寅年。三淵さんとは丁度60年違います。
三淵さんは上流階級の出身。父親は東京帝国大学卒で、当時の日本領・台湾の基幹銀行だった台湾銀行に勤務。シンガポールに赴任中に嘉子が生まれたのですが、その名はシンガポールの漢字表記、新嘉坡の中の1字から取られています。父親はニューヨーク支店にも勤めたことのあるエリートです。余りにエリート過ぎて、庶民とは感覚が異なり、視聴者の支持を得にくいので、今回の朝ドラは子役を使わず、寅子が高等女学生だった頃から始まります。ちなみに寅子が通っている高等女学校は、お茶の水女子大学附属高等学校の前身で、日本で最も頭の良い女子が集う学校。寅子はそこで2番の成績(学科では同等だったが、態度面で減点)という才女です。
高等女学校に行くのは、良家に嫁ぐためのブランド作りという時代。しかし、寅子は父親の方針により自立した女性を目指します。
「多摩川にさらす手作りさらさらに何そこの児のここだかなしき」(東歌)で知られる多摩川。笹舟が流れます。
ファーストシーン。新聞で「日本国憲法」を読む寅子。
尾野真千子さんによる日本国憲法第14条の朗読。
弁護士資格を持ちながら今は無職の寅子は、法務局人事課を訪れます。そこにいたのは旧知の桂場等一郎(松山ケンイチ)。寅子は、自分を裁判官に任命して欲しいと桂場に頼みます。これは戦後のシーン。
時系列的なファーストシーンは寅子のお見合いの場面になります。やる気が全くない寅子。
実は見合いが嫌で前日に家出をしようとしていました。大阪にある梅丸少女歌劇団に入ろうとしていたのです。梅丸少女歌劇団には、前作の朝ドラのヒロイン、福来スズ子(趣里)が在籍しています。階段から転倒し、家出がバレた寅子。それでも父親の直言(岡部たかし)は寅子の歌と踊りのセンスを褒めるのですが、母親のはるさん(石田ゆり子)は呆れ顔。
頭の回転の速さを表すために寅子はかなりの早口です。
女学校の親友の花江ちゃん(森田望智)。女学生時代に結婚することが夢で、実現しつつあります。
明治大学枠で出演の藤森慎吾とお見合いする寅子。かなりのアメリカかぶれを演じる藤森であるが、寅子は明らかにこれまでと顔が違う。知的な印象に惹かれ、社会面に明るい寅子は蕩々と持論を展開して、「女のくせに」という常套句を投げつけられてしまう。
女に求められるものが、今とは違う時代。寅子の前に道はない。切り開いて行く必要がある。
第2回
寅子の空気クラッシャーぶりはこの頃から。猪爪寅子の名前の通り猪突猛進。
花江ちゃん。寅子の兄の直道(上川周作)と結婚。
書生の優三(仲野太賀)。高等試験司法科(現在の司法試験の前身)に落ち続ける。昼間は直言の斡旋で帝都銀行で働き、明律大学の夜学に通う。明律大学の記念館(モデルとなった明治大学の記念館は1928年=昭和3年竣工なので出来たばかり)に優三のためにお弁当を届けに行ったことで、穂高先生(小林薫)と桂場と出会うことになる寅子。桂場の方が穂高先生よりほんの少し前に寅子と出会っている。
穂高先生は法学者。桂場は現場の人間。師弟関係にあるが立場が違う。
婚姻状態にある女性は「無能力者」
寅子「はあ?!」
はるさんは香川・丸亀の出身。丸亀城は一度は行った方が良い城。ただ四国は運転のマナーが悪い。福来スズ子もその両親も香川県出身なので、2作続けて香川繋がり。
大物声優(田中真弓)、花江ちゃんの使用人。
高井理事。共亜事件(帝人事件がモデル)にも登場。
男達の見栄、女達の聞き分けの良い、「スン」。日本人の美徳ではあるのだが。
若い寅子はあらゆることが機敏。
第3回
寅子「はあ?!」3連発。この後も繰り出されます。
「続けて」初登場(穂高先生)。女性の言うことを受け入れる男性。
優三、うろ覚え。桂場がフォロー。旧民法では女性の地位はかなり低く、家に縛り付けられる。
失笑を買う寅子だが、桂場が学生達に「何が可笑しい」と一喝。かなり精悍な印象。
すぐ拍手する穂高先生、これも受け継がれます。
穂高先生「いいね、君。うち(明律大学)の女子部に来なさい」
実はこの後ろで、桂場、微妙な態度。
直言に甘える寅子だったが、直言は言うことばかり大きくて、実は頼りにならないことが分かる。寅子「ええ?」
女学校の先生に進学を反対される寅子。嫁の貰い手がなくなる。直言は楽観視。
別嬪アピールの花江ちゃん。実は直道に一目惚れしたのは花江ちゃん。狙った獲物を逃がさない策士。実は寅子を利用していた。寅子、花江ちゃんを「えげつない女」
第4回
直道と花江ちゃんを見て寅子、「なにこのバカップル」。当人達はいいけれど、これでは結婚に憧れなど持てない。
直道と花江ちゃんの結婚。披露宴。寅子が結婚を望んでいるものだと思い込んでいるはるさん。当時としては当然か。
寅子、「モン・パパ」初披露。「モン・パパ」はシャンソン。様々な歌詞があることからかなり流行ったと思われます。コミカルソングだが、ピアノソロになると悲しくなるメロディー。笑いと哀しみは表裏一体。複雑な表情の寅子。哀しみとかすかな怒り。
直言とはるさんの馴れ初めを語る穂高先生。
穂高先生と握手した後、漫画のように固まったままの寅子。はるさんに明律大進学がバレた。目が鬼龍院花子なはるさん。はるさんは娘のいうことを聞こうとしません。実はここではるさんと穂高先生は対比されています。
お見合いをしたくないと正直に言う寅子。はるさんは穂高先生が策士だと気づいているようですね。
はるさん「あなたが優秀なことぐらい分かってます」
優秀でも女ではダメな時代。はるさんも複雑でしょう。ただこう考えると紫式部の時代からほとんど変わってない。人類、何してた?
第5回
米津玄師は、「さよーならまたいつか!」において、「人が宣う地獄」という表現を用いている。これは単なる「地獄」ではなく、「誰かが定義した地獄」という意味である。漠然と思い浮かべる地獄とは別のものであるということ。誰が定義するのか、それは「地獄」という言葉を最初に使う人物、つまりはるさんです。
はるさんは、寅子の優秀さを知っており、法律家にだってなれるかも知れないと述べる。だが、なれなかった時は、なれたとしても上手くいかなくなって辞めなくてはいけなくなった時は「地獄」。
そうなるためには、「頭のいい女が確実に幸せになるためには頭の悪いふりをするしかない」。そのためには結婚して男性の庇護下に入る必要がある。だが、寅子は、「お母さんの言う幸せも地獄にしか思えない」と返す。夫の言いなりになる(無能力者)地獄。直言は良い人なので地獄にはならないだろうけれども。
では逆の「地獄」とは、「頭の良い女が頭の良いまま生きる」ということになる。寅子は確かにこうした生き方を選んでいる。女が女として生きていく。道なき道。
竹もとで偶然出会った桂場にも相談する寅子。桂場はこの時、寅子について良くは知らない。穂高先生は学者で、桂場は現場の人間。桂場は穂高先生を現実を知らない理想主義者と見ている。桂場は寅子が頭がいいことを認めるが、「時期尚早」。この「時期尚早」はその後口癖にように何度も出てくる。
女が男の世界に飛び込んだとしても、優秀な男と肩を並べて生きる必要がある。勿論、男は女に配慮などしない。女として先陣を切っても報われない。これが桂場の地獄の定義。
同じ土俵に上がれば男に負ける気はないと言う寅子だが、桂場は泣いて逃げ出すと「決めつけ」る。ここではるさんが現れて反論するが、やってもいないことを「決めつけ」ることに反発していることが分かる。「決めつけ」。これをやる人、この後、何人か出てきますね。これにあらがう必要があるのが第三の地獄。
そしてはるは寅子を連れて、法律専門書店で「六法全書」を購入する。これが翼。地獄を生き抜くための。だが翼があったとしても前には地獄が立ちはだかっている。
「賢い女として生きられない」地獄。「先陣を切らなければならないし、それが報われるとは限られない」地獄。これは後の寅子を地獄へと叩き落としましたね。「先入観で女を決めつける人々に抗わねばならない」地獄。何度も出てきます、寅子に限らず。これは「さよーならまたいつか!」の「したり顔で触らないで背中を殴りつける的外れ」に相当します。これらの地獄を見る覚悟。確かにこれらの地獄は寅子の前に立ちはだかってきます。
第6回
寅子が「地獄へ行って参ります」と言っていることから、地獄が一般的な女性が歩む道とは別のものであることが分かります。
明律大学講堂。アールデコ。モデルになった明治大学記念館は1928年(昭和3)竣工。京都の三条寺町西入ルに1928ビルというビルがあって(旧毎日新聞社京都支局庁舎)があって、これも同じく1928年竣工です。今はギア劇場になっていますが、ステージの上を囲むように、同じアールデコ調のアーチがあります。
涼子様も実は演技に癖があるんですね。
竹中記者(高橋努)登場。女子部の誰よりも早く寅子に話しかける。名刺を片手で渡すなど、余り行儀は良くない模様。
よね(土居志央梨)が例えられた「ターキー」こと水の江瀧子。男装の麗人。松竹歌劇団の大看板です。
小橋(名村辰)登場。魔女呼ばわり。これも地獄。幼稚な地獄。
すぐ泣く中山先輩(安藤輪子)。法律を学ぶ女は嫌だと婚約破棄。これも地獄。
いきなり歌い出す寅子。これも見方によっては結構な地獄。法律の定義がまだ幼い。
超早口の寅子。頭の回転は速いが、すぐに答えを求めたがる悪い癖。
第7回
直道、見る目なし。
浮いてる人ばかりが結果的に残るということは、やはりこの時代は一般的な女性には法律は向かないということ。
周囲の理解も得られず。
好き勝手書かれることに慣れてるという涼子様。ずっと後にリフレインが来ます。
第8回
寅子、人生初の裁判傍聴。民事裁判。妻と夫の争い。
シソンヌライブ。
寅子は、偏見の塊。まだまだ幼い。一方のよねは、怒りと復讐心が原動力。こちらも法曹の資質には遠いです。
旧民法はジャイアニズム。妻のものは俺のもの、俺のものも俺のもの。
江戸時代も、夫から離縁する際は、三行半で良かったのですが、妻から離縁を切り出すのは難しく、今は有名人のお墓が多いことで知られる鎌倉・東慶寺などの駆け込み寺に入って、様々な手続きをする必要がありました。
結婚は罠。結婚すれば女は全てを奪われる。このことが寅子を奮い立たせるのですが、これも一種の罠で、寅子もこれに引っかかります。
法廷に正解はない。穂高先生は、どんな弁護をするかどんな判決をするか考えるように問いかける。今後、寅子は何度も法律を定義しようとするとするが、そのきっかけを作ったのが、この穂高先生の言葉。
第9回
竹もと来訪。あんみつを美味しそうに食べる玉ちゃん。普段はこうしたものは食べられない様子。
ヒャンちゃん、口癖の「ありえない」
女性は戸主の庇護下にある。穂高の著書を暗記している寅子と涼子様。
「妻の無能力。これは妻にとって必ずしも不利益な制度ではない」「しかしこれは妻を一個の人格者として考えるならば恥ずかしき保護と言わねばならず」。ただそれから踏み出すと茨の道。とりあえずヤケ食い。みな原告側敗訴の結論。
みなで裁判の傍聴。課外授業。ヒャンちゃん楽しそう。
面白いのは、涼子様と梅子さんの脳内映像。モノクロームの映像ですが、これが後にカラー映像として出てきます。部分的な記憶が先行して暗示的に登場する。
何事かと見つめる桂場登場。小窓から覗く。
第10回
判決は予想を覆して、裁判官の「自由ナル心證」(民事訴訟法第185条)により原告の女性側に有利なものに。明律大学専門部女子部法科の学生沸く。「権利の濫用」は日本国憲法にも出てきます。小窓から覗き続ける桂場。これを寅子がリフレインする日が来ます。夫婦喧嘩。夫を威嚇する寅子。ただ引っ掻く真似だけですね。
よねは法律を力を持たない者の武器と定義。夫に妻を殴らせれば暴行罪が成立するので、殴らせれば良かったと考える。寅子は弱い人を守る楯や傘や温かい毛布のようなものと定義。穂高先生は「正解はなし」。「人と会う約束がある」と出て行ってしまう穂高先生。実際は裁判所内にいました。判決の黒幕が穂高なのではないかと疑う桂場。
寅子「女のくせに。一個の人格者として認められていない女のくせに法律を学んでいる地獄の道を行く同士」
第11回
明律大学専門部女子部存続の危機。最終学年の3年に進んだのは、久保田先輩と中山先輩だけ。意味なく泣く中山先輩。
YWCA(NHKなので具体名は出せずYWSAとなっている)で水泳をする寅子。御茶ノ水(神田駿河台)のYWCAは小栗上野介忠順の屋敷跡にあります。よね「なんだその髪?」。「濡れた髪を初めて見せた夜」。夜ではないか昼か。濡れ髪寅子は例のシーンでまた出てきます。ちなみに伊藤さんは高校生まで顔も洗えないほど水が嫌いで、当然、泳げない模様。「前世でなんかあったんじゃないか」レベルらしい。
次第にはるさんとの関係が悪化する花江ちゃん。
法廷劇を上演することになった女子部。寅子、月のものが重い。大学を4日も休む。
2年生ではリーダー格となった寅子だが、この頃から空気を読むのは苦手。
「毒饅頭殺人事件」。モノクロ映像になりイメージ内で活動弁士を演じる寅子。声音を変えて演じる。出演者は猪爪家の人々。「よよよよよ」って泣く人がいるのか?
防虫剤入りの毒饅頭を作り、変装して饅頭を置く。変装だが、頬被りしただけじゃ却って怪しい。
寅子の部屋に張り子の虎。女中さんと間違えられる花江ちゃん。「女中みたいなもの」と自虐発言する花江ちゃん。寂しそうな顔。寅子は気づいていないが、花江ちゃんとはるさんとの関係悪化中。「虎ちゃんにお嫁に来た人の気持ちなんて分からないわよ」
はるさん「家のことは私がやっておくから、寅子の手伝いしてあげて頂戴」。言葉は優しいが、実質的には使いっ走りの命令で、女中に対するようなものの言い方。花江ちゃん、キレ気味。
よねは褒められることに慣れていないので、評価されるとすぐ動揺する。
花江ちゃんの前には義母のはるさんが、涼子様の前には実母が立ちはだかります。
当時の「夜の街」上野。今はこれらの施設は一つ北の駅である鶯谷の方に移っています。女郎や娼婦のことを俗に「地獄」と呼びます。
涼子様の先ほどの記憶のリフレイン。
第12回
法廷劇の衣装作り。花江ちゃん、相変わらず不機嫌。桜川家の執事、岸田。有無を言わせぬ態度。
桜川家は、婿養子が3代続いており、涼子様は男の子を生むことを母から義務づけられている。「女は子どもを産む機械」と発言して失脚した政治家がいたが、この時代はそうした考えがまかり通っていた。
よね、孤高の意識。桂場も同じように孤高の意識を持っている。「私は孤独じゃない、孤高なの」。これ、実は伊藤沙莉さんが発したことのあるセリフです。
またもダメ出しされて表情をなくす花江ちゃん。
竹中記者再登場。オノマチさん叫ぶが、寅子は平静を装う。
明律大学法廷劇。みなわざと下手に演じる女優陣。小橋らの妨害。小橋らが頭の良い女性を脅威に感じていたことがずっと後になって分かる。
第13回
誤って優三を引っ掻いてしまう寅子。よね、金的一発。しかしこれで足を痛める。暴力に訴えたものは報いを受ける。
上野の店の中に桜。「東京音頭」に「花は上野」と出てくるように往時の上野は桜の名所。
寅子は本人がいないところでの噂話が嫌い。
よねの告白。
貧しい農家の子は売られる。この時代は女であること自体が地獄の人もいる。女を捨てたよね。だが男になった訳でもない。このスタンスはずっと続く。
法に目覚めたよね。明律大学専門部女子部の創設を新聞で知る。よねの年齢については不詳だが、高等女学校を出てストレート入学の寅子よりは上のはず。寅子はよねを常に「よねさん」とさん付けで呼ぶ。高等女学校出身者は簡単に入れるが、学歴のない人は女子部に入るのは難しいようです。
第14回
寅子が考えるバーチャルよね反応。何度も繰り返す寅子だが。
よね全員を否定。男性にとっては気まずい内容の話。
「性格が悪いでしょ」→「お気立てに難がおありでしょ」
毒饅頭事件の再検証。伊藤さん、ハスキーボイスですが、透明度は操れます。
まだまだ甘さが足りないといわれる花江ちゃん。ちなみに香川県は砂糖の名産地で、白砂糖は全国の7割を占めていた時代もある。
伊藤さんが子どもの頃に言われたことがあるようなセリフを吐くよね。
ヒャンちゃんの口癖。「ありえない」
「哀れな女を救う健気な女性の図」。女性をイメージの道具にする。これは良くも悪くもなんですが。後に寅子もこのイメージに足をすくわれることになります。
第15回
文字通り華やかに見える華族階級の孤独。仲間のいない花江ちゃんの孤独。寅子は同じミスは繰り返しません。
よね、「こんな奴」って言わない。人を指ささない。
人は皆、自分の中に地獄を抱えている。
伊藤さんは、自殺願望を抱えた人達の弱音を聞く「ももさんと7人のパパゲーノ」をやっているので、こうした展開になるのかも知れませんね。強くあらねばならない、弱くあってはいけないという呪縛。
直道、家を出る決意。
直道「思ってることは口に出していかないとね。その方が良い」の登場。今後、何度も変奏されます。
「よねはよねでいて」の寅子のメッセージ。実際、その通り、よねはよねであり続けます。
生理に効くツボを教えるよねに群がる女子部の面々。よねにとって意外な展開が多い。
女子部卒業。なんとなく余ってた5人のみ。いざ、明律大学法学部へ。男子学生と共に学ぶ。キザな花岡。
第16回
直道と花江ちゃんの長男、直人誕生。
次第に弱気になる優三。余計なことを言う直道。
地獄の入り口。弁護士法が改正されて女子にも弁護士の道が。
ここで松山ケンイチさんが寅子のことを「可愛い顔」と表現。
勇みながら教室へ乗り込む女子達を迎えるのはイケメン花岡。明律大学法学部の男子学生は一部を除いて皆優しい。呆けた表情の女子達。女子には余り優しくない時代。ということは優しくされたら女は弱い。玉ちゃんは呆れ気味。
俺たちの轟登場。笑止! 男と女が分かり合えるはずがない。小橋、机の陰に隠れていた。
梅子さんのおにぎりを、男は全員右手でも持ち、女は両手で持つ。例外はよね。右手で持つ。轟と張り合うよね。
はるさんの日記は伝言板の役割も持つ。
梅子さんの夫、大庭登場。弁護士としては優秀らしいのだが。梅子さん、スンの表情。というより露骨に嫌い。
第17回
梅子さんを気にする寅子。
寅子脳内劇場。甲子、直言降板、花江ちゃんに。森田さんは普通の喋り方なので口を大きく開けます。
嫁入り前の女性が犬に顔を傷つけられた事件。異例とも言える高額の慰謝料。大庭、何から何まで無神経。健気な梅子さん。敢えて明るく振る舞う。こうした女性、また出てきます。
特別な女性。これ、実は伏線ですね。
東京帝国大学に通う梅子さんの息子、竹もとに登場。明律大の男達、帝大生にコンプレックス。
御茶ノ水橋の下。冷たい花岡を目撃する寅子。
ハイキング。これまで制服以外は着物姿だった寅子。フェミニンな格好。
明律大の男達。女にモテモテの花岡。寅子達のことをファイブウィッチーズと呼んでいることも判明。花岡に抗議する轟。
第18回
松山ケンイチさんは玉ちゃんのこと「お玉」って呼ぶんですね。神田お玉が池の千葉周作道場(玄武館)を連想します。細川ガラシャ夫人(明智光秀の娘)も「たま」でしたね。
ハイキング先はどこなんでしょう。東京だと多摩方面の可能性が高いですが。
靴擦れ寅子。花岡に介抱される。朝見掛けた花岡との態度の違いに戸惑う寅子。
ハイキング向きの格好じゃない人数名。
男の甲斐性の話。男社会の一側面。寅子もちょっと強情ですね。若いだけあって潔癖です。
「君たちを僕たちは最大限敬い尊重している。特別だと認めているだろう」。上からですね。また、そうでない女性は尊重しなくていいということになってしまいます。それが実際に橋の下での態度に出てましたね。
結局、男が女より上なのは当たり前って意味ですね。寅子が納得するはずがない。
花岡転落。断崖で喧嘩をしてはいけない。
梅子さんの理想の話。「それでも恋は恋」
以前、モノクロで出てきた映像がカラーで。息子から見下される母親。離婚し、親権を取るために法を学ぶ。
民法第877条。「子はその家にある父の親権に服す」。離婚しても親権は取れない。何らかの糸口。みな梅子さんの味方。
第19回
花岡入院。病院で「地獄」の女性達にモテモテの花岡。寅子、見舞いに行っては会えずに引き返す。罪悪感だけが増す。
花岡が退院するので付き添う轟。寅子も花岡が入院する病院へ。
寅子への態度を変えようと語る花岡に、轟張り手一発。男っぷりが日に日に下がっていく。
寅子、退院に間に合わず。
オノマチさん「寅子の馬鹿! 寅子の大馬鹿!!」
柱に隠れての立ち聞き。花岡、梅子さんに謝罪。
佐賀と言えば、大隈重信の出身地ですが、この世界に早稲田大学はあるんでしょうか?
実は花岡も小橋と同じ怖れを抱いていることが分かります。
「どれもあなたよ」「人は持っている顔は一つじゃないから」
本当の自分とは何か?
教室に二人でいて。花岡、告白。「はて?」じゃないよ寅子。春が来た。
共亜事件始まる。モデルは帝人事件。大阪の帝人本社内にあるホールには入ったことがあります。
第20回
優三、思いのほか優秀。
猪爪家家宅捜索。はるさん、「書く女」
優三、過敏性腸症候群。この病気、「悪魔の病気」とも呼ばれています。
「遅いよ、お兄ちゃん!」。まるで遅刻癖のある兄を叱る伊藤沙莉って子のよう。
松本サリン事件や和歌山毒物カレー事件を連想させるマスコミの態度。
寅子、大学に行けず。花岡と共に猪爪家に向かう穂高先生。
裏庭から猪爪家に忍び込み花岡と穂高先生。女の人の悲鳴好き、あ、ここカットね。
堀部圭亮さんが出演された舞台、ハロルド・ピンターの「昔の日々」は良かった演劇作品のトップスリーに入ります。
堀部さん、最初は火野玉男の芸名で欽ちゃんの番組に出てました。1987年ですね。そこからお笑いコンビのK2を経て俳優に。
第21回
共亜事件の続き。
穂高先生。直言の弁護人になることを申し出る。
穂高先生の励ましもあって登校する寅子。抜き打ちの試験があるが、仲間達の協力で乗り切る。厚い友情。「ぼくの味方」。
轟と小橋、稲垣の喧嘩。轟も額に傷を負う。
花岡の逡巡。「不器用で色々考え過ぎちゃう人なのね」。え? そういう人、目の前にいない?(寅子のことです)
黒幕の水沼。
直言、囚人のジレンマ。
直言、帰宅するも罪の自白。「虚偽自白」
寅子に出来ること。「いわれなき罪」からの開放。
第22回
日々を記す、はるさん。
調書の筆写。穂高先生の手伝いをする寅子。明律大のみんなも手伝ってくれる。
直道一家に、猪爪から籍を抜くよう勧めるはるさん。花江ちゃんは、「今じゃないです」
はるが残した手帳が証拠になると気づく寅子。
初の「家族裁判」。日記との齟齬の指摘。書き記すことの効用。いわば脳の記憶力を外部に置くようなもの。
雲野先生(塚地武雅)登場。
穂高先生、「無罪」を目指す。
鼻をほじる子役。松山ケンイチさん、そこ、ご覧になってましたか。
鼻をほじるシーンで有名なのは映画「スウィング・ガールズ」の上野樹里さん。
矢口史靖(しのぶ)監督から、「君はアイドルになりたいのか? 女優になりたいのか?」と聞かれて、「女優になりたいです!」と即答。鼻をほじるシーンに挑みました。
第23回
いきなり連れてこられて事情が飲み込めない寅子。
寅子の法律観「法は強き者が弱き者を虐げるものじゃない。法は正しい者を守る者だと私は信じたいんです」
才気を発揮する寅子。竹中記者に記事の依頼をし、断られるが、それは竹中が寅子の身を気遣ってのことだった。他の記者の取材に答えて新聞に顔写真が載る寅子。しかしこれが寅子を危険へと陥れる。若いので危機管理が甘い。
花岡と一緒にいるところを何者かに後をつけられ、複数の男達に襲われる寅子。竹中記者が現れて寅子を救う。おそらく寅子が襲われることを予見して彼も寅子をつけていたのだろう。襲われたことを秘密にする寅子。
竹中記者は強い。竹中次郎記者役の高橋努さんは国士舘大学ですので、と書くと偏見のようですが、あそこはその名の通り国士養成の大学なので男子は武道必修です。だから強い人多いんですね。
大阪大学は水泳必修で、泳げない人は苦労します。
共亜事件。桂場が裁判長。桂場を怒鳴りつけたことを後悔するはるさん。
猪爪家の住所、東京市麻布区笄町(こうがいちょう)は武藤嘉子(三淵嘉子)さんの実家の住所と一緒です。今は港区になっていますので、寅子は港区女子なんですね。
第24回
直言、罪を否認。
検察は自白を楯に取る。
弁護人を買って出た穂高先生と検察官・日和田(堀部圭亮)との対立。穂高の賢さと同時に策士ぶりが目立つ。
寅子、監獄法施行規則第49条を思い出し、穂高先生にアドバイス。
桂場に圧力を掛ける貴族院議員、水沼淳三郎(森次晃嗣=モロボシ・ダン)。
「今よ!」
「今じゃない! 未来だ」
(野田秀樹『パンドラの鐘』より)
第25回
「水中に月影を掬う」
李白です。
伊藤座長、見てるんじゃない?(伊藤沙莉を牽制)
第26回
専門部女子部廃止騒動。実際には明治大学専門部女子部は廃止されず、明治大学短期大学に直結しています(現在は廃止)。
明治大学は新しいことを始めるのが好きな大学で、私立大学初の商学部や日本初の経営学部などを作っています。
第27回
「何かしそうな思想犯」
(野田秀樹『カノン』より)
第28回
那时候的伊藤沙莉(Shali)小姐很可爱、可现在的她非常漂亮。
なんで北京語で書いたかって? 日本語で書くのが気恥ずかしいからに決まってるじゃないですか。
専門部女子部廃止騒動は実際にあったようですが、明治大学専門部女子部は存続し、明治大学短期大学に直結しています(現在は廃止)。
第29回
高等試験司法科試験、寅子二度目の受験。梅子さん出奔。梅子からの手紙を受け取った寅子、声を抑えるようにして泣き崩れる。
寅子、優三、よね、轟、中山先輩、筆記試験合格。口述試験に向かっての準備。
口述試験の日に月経が来てしまい、体調不良の寅子。試験に手応えがなく、さめざめと泣く。泣き方や泣き声が梅子さんからの手紙を受け取った時とは違うのが特徴。はるさんへの報告も放心状態。再び泣くが今度は涙だけを流して静かになく。優三さん、法曹への道を諦める。寅子、目に涙を溜めて泣き顔。涙は溜めるだけで流さず。同じ「泣く」でも演じ分けてみせる伊藤沙莉の真骨頂。あの子、元々泣き虫だけどね。
寅子は合格し、法曹への第一歩を踏み出す。
第30回
千葉出身で今は京都にいますが、南関東出身の俳優さんはアドバンテージがあります。セリフは標準語であることが多いのですが、南関東の人は普段の言葉が標準語かそれに近いものなので、緩急、強弱、メリハリ全て自在に操りやすいです。伊藤沙莉さんも千葉なので、標準語を音楽のように操れます。
東京出身で、今は静岡のSPACにいる舞台俳優の関根淳子さんの一人芝居を観て思ったことでもあります。
関西の舞台俳優は標準語のセリフを喋ると、音楽でいうインテンポで進むことが多いです。自在感は出ない。勿論、関西の言葉を喋ると良いですけれど、関西の言葉自体緩急をつけるものではないように思います。
関根淳子さんは、お茶の水女子大学附属高校出身ですので、三淵嘉子さんや寅子の直接の後輩になります(学校の所在地は異なる)。
第31回
優三さんのいない孤独。法の知識がある者同士だから分かりあえた。
体を揺すって喜びを表す寅子が可愛いのですが、ト書きなどでは説明出来ないはずなので(出来ても「全身で喜びを表す」ぐらい)、伊藤さんに任されてるんじゃないでしょうか。これが「仕事行きたくねー」ダンスに繋がるのかも。
第32回
寅子としてはもっと手を握っていたかったし振り向いて欲しかったのですが。花岡は敢えて振り向きませんでした。別れの場は名古屋の鶴舞公園。最寄り駅は鶴舞(つるまい)ですが、鶴舞公園は「つるまこうえん」と読みます。背後にあるのは名古屋市公会堂。
直明、岡山へ。岡山にあるのは第六高等学校(六高)です。
第33回
シニカルに本質をつく竹中記者。
日常が大きく変わったということはありませんが、竹もとの食材が足りなくなったり、「ぜいたくはできないはずだ」の看板が出たり。戦争が足音もなく忍び寄ってきます。
第34回
はるさんも花岡が良かったんですね。あんなにムキになるんですから。
第35回
寅子は優三と世間体を自身のキャリア形成のために結婚。はるさん試しました。優三は即答した。ずっと前から本気で相手を好きで色々考えてないとあんな問いに即答出来ませんよ。合格です。寅子は気づいていません。
田中BOBA要次さん。BOBAさん。元・自主制作映画の帝王。元・国鉄職員。
第36回
寅子、お人好しなのをつけ込まれ、悪女にあっさり手玉に取られる。
岡本玲さん。知性派の結構凄い女優さんです。
第37回
オノマチさんのナレーションも久保田先輩の言葉も、呪縛、というより「罠」として寅子に利いてきます。「自分しか、もう自分しか」
第38回
直道出征。自分の言うことが一度も当たったことがないので帰れないことは自覚してます。寅子の「お兄ちゃんが言うなら女の子だね」に直道頷く。運命を知ります。
寅子は自分が駄目になったら女性が法曹に進む道が絶たれてしまうと思っている。穂高先生は「そうだね」「犠牲」という言葉を使ってしまいました。
第39回
なんか罠にかかってる気がするんですけど。
轟も全く悪気はないのですが、言葉が寅子には呪縛になる。
穂高先生に相談したのは失敗で、良心から話をどんどん進めてしまう人。頭の良い人にありがちなんですが。
青春との決別の涙。真下に落とすには屈んで目を開けたままから切るですよね。難しそう。
第40回
この回は見てるだけでいいでしょう。
明天见吧。
第41回
会津磐梯山。
この時代は検閲があるので、手紙に本音は書けません。直道が本当は何を思っていたのかは分かりません。残酷ですね。
直明は本当に人が変わったみたいですねえ。歌うたうと格好良さそう。
岡山空襲では烏城の由来となった旧国宝・岡山城天守が灰燼に帰しました。
第42回
『嫌われる勇気』のアドラー。読んでない。読む気もない。
アイリーン・アドラーは好きです。「ボヘミアの醜聞」でシャーロック・ホームズを出し抜く女性。
優三さん、上等兵でした。水島さんと一緒。
第43回
テレビにトラブルがあったのですが、意地で直しました。
まず、石田ゆり子さん、お誕生日おめでとうございます。
ショックが大きいと感情が死ぬ。目の焦点が合ってない寅子。
目の焦点は近眼か両目の視力が大きく異なると自然にぼやけやすいですけれど、それをやっているのかは不明です。
「花岡君が良いなあ」を否定できない、はるさん。言っていることは残酷だが、この夫婦、かなり良い人たち。
第44回
カメラのキタムラで売ったんですかね?
日本国憲法。優三からの贈り物です。
声を上げて泣く寅子。産声です。
第45回
顔つきが変わった寅子。
今日はアップが多いので、花江ちゃんの声の作り方が分かりやすい。
名古屋市公会堂に向かう寅子。多分、そこコンサートホール。
柴田淳のコンサートで入ったことあります。2011年のことです。
オープニングを後に回した演出は大河ドラマ「真田丸」でもありました。2016年です。朝ドラ「カムカムエヴリバディ」でもありました。
第46回
強力なライバルの登場に興奮気味の桂場、いや松山さん。
ライアンかあ。ノーヒットノーラン7回やったり、スワローズのエースになったり、『ピッチャーズ・バイブル』とか出しそうだな。
つば九郎「らいねんはふたけたかってね」
「一冊の百貨店」(それは「シャディ」や!。「愛」って意味らしい)。
第47回
江川卓と対決しそうな外国人選手登場。選手ではないか。
全然避ける気のない桂場。
憲法では「両性の合意」だが、民法では「双方の合意」
保守派の神保教授。演じるのは明治大学出身の木場勝己さん。
試される寅子。
第49回
Not enough your family,Here.
Thank you for children.
あとはよく聞き取れない。
「とんでもございません」は元々は誤用とされています。「とんでもない」の「ない」は「無い」ではないので。山本富士子の誤用とされていますが、それ以前にイプセンの戯曲を翻訳した原千代海が使ってます。
第50回
善意からなのですが、穂高先生のやってることは典型的なパターナリズムです。なので発想が戦前なんです。寅子が怒りを鎮めるために新憲法を唱えるのはそのためです。まず憲法第12条が出ました。この作品、たいへんリフレインが多いのですが、民法第750条や他のセリフも再登場します。
第51回
この回で轟とよねがいい関係になると分かるんです。いい関係というのはいい関係ですよ。
松山ケンイチさんが引用した「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」というのは、京都アニメーション放火殺人事件(2019年)を挟む形で作られた作品で、参加したスタッフの多くが亡くなっています。
第52回
いかん、もう桂場が寅子を見つめて「可愛い顔だなあ」と思いながら喋ってるようにしか見えない。また「顔が好き」発言あるし。
高麗屋(多岐川幸四郎。滝藤賢一)登場。玲美さんもさり気なく登場。直明は東大生ですが、玲美さんも東大なのかは実は不明。今でいうインカレ団体でしょうからね。壇と浦野の壇ノ浦コンビも登場。
第53回
「東京ブギウギ」をハミングする高麗屋。福来スズ子の「東京ブギウギ」が流れることは一度もありませんでした。
伊藤さん、ロシアンティーの飲み方知らないで本気で食べた可能性あり。本来ならいらないシーンですからね。
宇治に香子。『源氏物語』だねえ。
第54回
ソウル特別市は日本統治時代は京城に名が変わりましたが、ソウル自体には漢字がありませんでした。戦後は漢陽表記になりましたが、21世紀になってからソウルに近い漢字表記が欲しいということで、「首尔(首爾)」に決まりました。
松山さんが仰っていた「ドラゴンボール」のことはR藤本さんに聞くと詳しいと思います。
第55回
姉弟揃って恋愛ごとには疎いらしい。
その中に未来の奥さん、いますよ!
高麗屋に似てるのか。松たか子だったのか。
喜びと眠気の混ざった寅子の顔、良いですね。
第56回
滝藤さんが出た無名塾は、仲代さんの「俳優はアスリート」という方針の下、身体訓練はかなりやるんですよね。
真木よう子さんも滝藤賢一さんと同期だったはずですが、仲代達矢さんと喧嘩して辞めちゃいました。仲代さんにサボってると勘違いされたようで。彼女も千葉県ですね。印西市だったはず。
第57回
負けず嫌いの寅子。なりゆきで道男を家に連れて帰ってしまう。
道男「おばさん(花江ちゃん)よく見ると綺麗な顔してんな」
そうか、寅子は綺麗じゃなかったのか。
みんな道男のマナーばかり気にしているけれど、寅子、それはねぶり箸といってね。
第58回
「バカかお前は!」。篠原涼子(雪平夏見)登場。男だったけど。
今回の内容もリフレインされますね。
「ちゃん」づけで呼ぶ年上の女性の友人、一人だけいます。2005年に初めて会ったのですが、こちらは向こうを年下だと思ってて、向こうはこちらを年上だと思ってた。実際は逆だった。
第59回
はるさんの死。
燈台では道男が映っていて寅子はいくつかを除いて声だけですけど、声だけなのが効果的です。
子どものように泣く寅子。多摩川で声を出して泣いたのが新生寅子の産声なのでまだ幼い訳ですが、頑是無い態度なのが「死なないで」という気持ちをダイレクトに伝えます。
第60回
(松山ケンイチさんの「花江ちゃんと呼べない」に対し)え、俺、花江ちゃんって呼んでるし。
道男を家族認定したのは寅子でも花江ちゃんでもありません。はるさんです。はるさんが最後に道男を呼ぶということがどういうことなのか。猪爪家の人々は全員頭がいいので言葉不要で分かるんですね。
最後まで撮らずにぶち切りにするのは堤幸彦編集です。
日記とは日々の遺書なり。
寅子の性格だと母親の日記に甘えて自立できなくなる可能性があるのでそれを恐れたんじゃないでしょうか。だからそうなる前に燃やしてと。これも愛情です。
ずっとに後、母親の残した言葉にとらわれた美雪という少女が登場します。ですのでこれも伏線ですね。
第61回
何か食べようとすると邪魔が入る桂場。みんな高麗屋の話を聞いているのに我関せずでマイペース。
でまかせで「愛のコンサート」。高麗屋と松寅子の漫才始まる。
小橋は音楽の知識ゼロですね。
民法第1028条遺留分については明治民法の通り。
伊藤さんは顔だけで何を考えてるのか伝える演技。
第62回
梅子さん、もしあの場で目を合わせていたら多分、泣いてしまっていたでしょうね。
高麗屋、松寅子を連れてコンサート会場探し。それは法曹の仕事ではないが。
「東京ブギウギ」を歌う高麗屋。この世界に福来スズ子がいることが分かる。
静馬さん、じゃなかった静子さん怖い。
家父長制の亡霊。
第63回
常と静子。さては常盤御前と静御前だな。義経はいない。ただ源九郎判官義経の判官は裁判官兼任警察官だから法曹とは関係がある。
「あーあー」言っているところに高麗屋からラジオ出演を持ちかけられる松寅子。
寅子と離れるときに寂しそうな花江ちゃん。寅子が遠い人になる予感。
第64回
ひかりTVの調子が悪いのでパソコンで視聴。
伊勢志摩さんと平岩紙さん、大人計画繋がり。
高麗屋と松寅子ラジオ出演。松寅子、「ご婦人をか弱いとは思っておりません」。穂高先生=戦前の価値観否定。
梅子さん。「私が全力を傾けた人生はこんな程度ものだったのか」の泣き笑い。「ごきげんよう!」。『人形の家』。
第65回
「昔は良かったねといつも口にしながら生きていくのは本当にイヤだから」
「自分が幸せでない者は誰も幸せに出来ない」これ引用だと思います。
茨田りつ子。「愛のコンサート」。「雨のブルース」。「ブギウギ」からの転用なので髪型が違い、マイクも戦中のもの。
松寅子リサイタル「モン・パパ」
寅子が歌う「モン・パパ」は、二村定一&榎本健一バージョンです。他のバージョンは歌詞が違います。
第66回
茨田りつ子はんのおかげでスターになりはった松寅子はん。
高麗屋はんと松寅子はん、顔が近うおす。
寅子はんのアップが多うて松山はん大喜びやないの。
身体障害者福祉法の話。
寅子はんを気遣う桂場はん、「べっぴんやな」思うてはるわ。
航一さんと初対面。寅子はん、困ってはる。
第67回
「原来如此(yuanlairuci)」=「なるほど」
平田さんの民法関連の著書を航一と改訂する寅子。これが家族劇中心になる布石。改訂者として名が載る。
平田さん、ようやく登場。百合さん、名前だけ。
平田さんと穂高先生。つかこうへい事務所対状況劇場。
自筆の序文を読む平田さん。ほどなく退場。
第68回
双方、親権を持ちたくない。太田緑ロランスさん、舞台「首切り王子と愚かな女」では伊藤さんと姉妹役でした。
少年部と家事部をまとめることに奔走する寅子。
優未、点数改竄事件。秀才、寅子、反応が冷たい。優未との間に溝。
航一と寅子会う。
尊属殺が違憲か問われる。声を挙げる意味。
第69回
壇に歩み寄る寅子。
穂高先生の退任記念祝賀会。本来は穂高が策士ぶりを発揮し、寅子に謝罪した上で寅子から花束を受け取り、無理やり仲直りと師弟愛のアピールの一挙両得を狙う話でした。ただカットされ、意味が変わります。穂高先生が弱気になって自分がやったことに意味がないと言ってしまう。
穂高先生は医務室で、「犠牲」という言葉を使っているので、女子部創設も、女子部に寅子を招いたことも、寅子が法曹になったことも、女子部で挫折した仲間も犠牲になるのはやむを得ないと言っているようなもの。寅子としては穂高先生に女性を法曹界に送り出したことを誇って欲しかったはず。
ただあの言い方だと寅子は失敗から生まれた失敗作になってしまいます。
穂高先生が謝罪した名残は小林薫さんのセリフに残っていて、「謝っても駄目、反省しても駄目」はその場で謝罪したことを意味していて、セリフからカットされなかったのだと思われます。
第70回
進歩的であった穂高先生がパターナリズム(父権主義)から抜け出せない古い人であったことは悲しくなります。しかし尊属殺否定という未来に繋がる課題を残してくれました。しかし寅子もすぐに父権主義の罠に落ちてしまうことになります。
第三の道を見出す寅子。家事部と少年部を近づけます。
第71回
アメリカかぶれの寅子。「予定通りいかんのが人生だろう」。この後の伊藤さんのセリフは全部アドリブ。ライアンのハグも今は受け入れる。
『The Catcher in the Rye』はチャーリー・シーンが初めて読んだ小説。彼は野球をやっていてCatcherが入っているので野球の本だと思ったらしいですよ。
見落としがちですけれど、寅子は英語の本以外のものも買ってきてます。
直人が「コンサートに連れて行ってくれて、弟(直治)はそれからはすっかり音楽に夢中」と語りますが(なんのコンサートかは不明)、これが直治が音楽家を目指す伏線ですね。
ただ竹中記者の「ご苦労さんでした。ハハハハハ」という皮肉に寅子は気づいていません。
花江ちゃんが抱く寅子への不満。
天狗になっていく寅子。もう古くなりかけてる。
第72回
ラジオ番組に出る高麗屋と松寅子。調子に乗って正論だけどいらんことを。おじさん達は喜んでるけれど。「オタサーの姫」状態。
草彅剛の娘登場。寅子の言っていることは正論ではあるのですが、一般論ですね。「寄り添って」にカチンとくる草彅剛の娘。
否定したはずの家父長制に嵌まってしまった寅子。花江ちゃん泣く。
第73回
寅子は出来る人なので、そうでない人への想像力にはやや欠けます。
眠れない花江ちゃん。翌朝、早起きに見せかけていますが、森田さんが眠そうな演技をしているので一睡もしてませんね。
後輩から悪く言われ、梅子さんに遠まわしに「あなたが悪い」と言われてしまう。草彅剛の娘に襲撃される寅子。
中立を心がけたため、「寄り添う」と言いながら個人的な事情には踏み込みませんでした。正しいは正しいのですが、正しさは受け止められる範囲が狭いんですね。現実を見失いがちです。
第74回
家族会議や裁判は好きじゃありません。
花江ちゃんは、というより森田さんは、長台詞を言うときに意味が切れる場所や句読点が来そうな場所で口をキュッと結ぶ癖があります。気づくと面白いですよ。
「俺達に好かれてしまっている」発言をする桂場。「顔が可愛い」発言をする誰かさんみたい。
第75回
あの場面では優未は「はい」しか言えないよね。
竹中記者の記事はノベライズでは掲載されてはいます。
竹中記者の発言は、この後登場した時の最後の言葉に繋がります。
香子が本名説の人、他のドラマにも出てますよ。まひろって名前だけど。
男はいざという時、バカ。「なんじゃこりゃ」
三條へ。
第76回
弥彦神社の中にある三條支部(実際には弥彦神社は三條にはありません)。歓迎のシーン。リフレインされます。
優未が初めて見る母が仕事する姿。
ラジオ体操。リフレインされます。
新潟の観光名所は城郭しかない。
「休みの日は休んでいますね」
「…そうですか」を口の中で言うテクニック。
第77回
何度も出てくるイマジナリーの演出。
文化系男子差別
杉田太郎の人治主義。
暴力に訴えた者は報いを受ける。
オフィーリア寅子。伊藤さんが尊敬する樹木希林と一緒。ちなみに伊藤沙莉は「水が怖い」人で、高校生までは顔も洗えないほどの水恐怖症。スタッフも伊藤の水恐怖症を知っていたため、「ヒロイン水落ち」の時はみんなが心配してくれたらしい。
「来し方に帰るこの身か水の中
新たに仰ぐ澄みし青空」
「報われぬこの世なりせば行く川に浮かべるただの一葉ならまし」
第78回
閉鎖的な田舎。
過敏性腸症候群。優三は下痢型。優未はガス型。
優未の心を掴むチャンスで話せない寅子。思い出に出来るほど優三の死を受け入れられていない。
「仕事行きたくねー」ダンス。
寅子「どうしたの?」
それはこっちのセリフだ。
「泣きましたか」。航一、気付いてもそれは言うな。
「仕事行きたくねー」ダンスを伊藤沙莉さん以外の女優がやることは想像できませんね。誰だったらできるだろう。
第79回
航一の言うことは寅子にも該当。寅子、航一をじっと見る。
航一「溝を自ら作りに行く質」。この言葉、後で効いてきます。
高瀬の三谷幸喜的セリフ(舞台「出口なし!」、映画「記憶にございません」)。
「高瀬さんがいないと仕事回らなくて大変なんだから」。高瀬の価値を伝える寅子の優しさ。
迷惑こと明和九年の前年。
「この土地」に挑む寅子。
第80回
弱い者への寅子の眼差し。疲労困憊。リフレインあり。
寅子「あら誘って下さるの」
航一「・・・」
寅子「例のお店に連れてって下さるんですよね。そう思ってお弁当も持ってきませんでした。お腹ももうペコペコで」
航一「(もう連れてくしかねえじゃねえか)」
ライトハウス(燈台)! 涼子様!
第81回
上野・燈台、新潟・ライトハウス。
斜陽族の涼子様。
身体障害者となった玉ちゃん。
岡部ジュニア差別主義者の片鱗。
憲法第14条第1項の英訳。
美佐江登場。
大物声優再登場。
友達は多ければ多いほどいいという考えへのカウンター。リフレインあり。
第82回
三淵嘉子さんの趣味は麻雀。ちなみに伊藤沙莉さんも事務所の先輩である萩原聖人さんに麻雀を習おうとしたことがあったようですが、計算が苦手なので苦戦した模様。
少年法問題への伏線、というより提言。2022年、少年法改正。
恋愛以外には敏い寅子。
麻雀の本を持ち歩いている航一。岡田将生の顔をした萩原聖人だった。
玉ちゃんの罪の意識。障害者が自分を罪ありと考えてしまうことは今に繋がる問題です。
第83回
寅子は見慣れていることと伊藤さんの表情の演技が上手いので、セリフなしでも考えていることが分かるのですが、美佐江は読めない。
身体障害者福祉法は轟が話す場面がありました。俺たちの轟、三谷幸喜の映画「スオミの話をしよう」にいい役で出てます。
太宰治の『斜陽』。実は革命小説です。
第84回
涼子様の前から密かに消えようとしていた玉ちゃん。しかし寅子は敢えて涼子様と玉ちゃんの二人の問題にしました。尊敬語、謙譲語などのある日本語ではなく、上下関係のほぼない言語の英語で語ることで主従から親友になる二人。
孤独を怖れる涼子様。これと正反対の性格の人がいます。優未ですね。
第85回
拠り所をたくさん作る話。これはその後の優未の生き方の指針になります。寅子は優未に生き方を教えていたんですね。優未の「My Favorite Things」はリフレインされます。
航一が女性を誘うのは初めてで涼子さんも玉さんも意味にすぐに気づきます。航一と娘に嫉妬する寅子。割り込んで続かない話。
第86回
差別の話。坂町事件。寅子って基本的に噂話が嫌いですよね。
美佐江への疑い。
岡部ジュニア、差別発言。
スマートボール場火災事件。もう一人のトモコ(堺小春)の朝鮮語。
寅子が麻雀に興味を持ったことが嬉しい航一。寅子外れ。男心に疎い。
第87回
涼子さん、相変わらずの「玉」呼び。長年の習慣変わらず。
突き落とした者は突き落とされる。
よね「友達じゃないし、仲良くなってない」
寅子って相手の懐にすっと自然に入り込むんですよね。航一は実感。
寅子は大正12年には関東にはいませんでしたからね。朝鮮人虐殺事件。甘粕事件もこの時。
第88回
誤訳に気づいた被告だが抗弁する気力はない。
困っている人を助けるのは普通のこと=リーガル・マインド。このドラマは日常に法の精神(モンテスキューじゃないですよ)を挟んできます。
汐見夫妻を強引に呼ぶ。慣用句の問題。
反論せず認めてしまう。これは直言のリフレインでもありますね。
第89回
金城一紀の小説『GO』とクドカン脚本による映画化作品に韓国人と日本人の恋愛の話が出てきます。男女逆ですが。
日韓の恋。実際は人には隠してるような重い話ですけれど、説明は敢えて避けましたね。ただ根本の根本は愛があっただけですね。
高橋克実さんの朗読、聴きたかった。
第90回
初の尾野真千子さん不在回。
総力戦研究所。机上演習の結果は日本敗戦。戦争責任。
秘密のある男性は額を隠しがち。
寅子だと気づいたのはハイヒールの音ですね。戦争の失敗を分かち合う。チョコレートを分けたシーンが利きます。
許しの白い雪、再出発の船の汽笛。光が射して未来を示します。
第91回
「え? なにをしに?」じゃないでしょ寅子。まさかの答えに航一は麻雀を思い出して切り抜ける。新潟の男は涙腺弱いらしい。「クソババア」と言われたので「クソ小僧」と返しただけで大して意味はありません。「クソ男」は避けましたね。
麻雀という理由があるので4人になるため杉田兄弟が来ちゃう。
第92回
意味なく訪れる美佐江。瞬きをしない伊藤さん。美佐江が目を左右にやるのは次にどうするか迷ってるからですね。間を空けて釣りに行く寅子。美佐江かからず。
話の展開上、優未が来ちゃう訳ですが、抱き寄せてすぐに「しまった!」という顔をする寅子。この後、一言かけてあげれば良かったのですが。
第93回
ライトハウスで美佐江は不敵に微笑んでいるように見えますが、残されたメモを見ると寅子に会えたのが嬉しかっただけかも知れません。
無理のある理由で寅子の家を訪れる航一。「でも」
航一、言葉のセンスが悪いふりをして一歩踏み込む。寅子は牽制しましたね。
深田がテレビレポーターの真似。この年、テレビ放送開始。新潟での放送はまだ。テレビ時代の到来を告げる芝居の嘘でしょう。
花江ちゃんが三條へ。いきなり現れて驚かせるつもりが、「ビューティフル・マインド」かと疑って挙動不審の寅子に逆に驚かされる。抱き合ってからはアドリブ。仲がいい。
あとオノマチさん、お仕事中大変申し訳ないのですが、寅子一人のシーンの時は沈黙を。伊藤さん見てれば分かりますので。
松山ケンイチ「寅ちゃん2人に言って、自分に言ったな!」
これは間違いないです。トモコさんとユウ三ロウさんなんで。
オノマチさんのナレーションにも「優三とのことを思い出して」とありますね。
第94回
アドリブ多め。女子会。服部良一も新聞配達してました。
「砂山」歌える。
単なる「寅子はねんね」を美しく修飾する涼子さん。
優三からの手紙。伊藤さんのお手本のような泣き顔。
「いつもいつも」の後は「私のことばっかり」らしいですが、寅子との思い出も欲しかった。
自由とは無責任である。
第95回
前回に続き尾野真千子さんお休み。
夜の裁判所。前回の「でも」の続き。
余生。リフレインあり。
生真面目な二人の不真面目でだらしがない愛。
派手な転倒。3カットで撮るのはスタントマンを使っているからです。
転倒が二人が手を繋ぐきっかけ。
キスシーン。
「こっち?」
「そっち嫌だ」
「でもこっち」
「うん」
一人で書いてるとバカみたいである。
第96回
「心配しないで」
新潟の海。佐渡島が見えます。
伊藤さんのお姉さんが海好きらしいです。その影響で伊藤さんも海で遊ぶのが好きらしい。基本的に千葉県人は海好きで、海が誇りです。
三條支部でのファーストシーンのリフレイン完了。次郎の説明ゼリフ。
寅子、「家族を紹介したい」の意味が分からず航一と優未どん引き。
直明の恋人との同居を嫌がる花江ちゃん。「しゅしゅ姑」。結婚論展開。
第97回
よね、弁護士に。伊藤さんの表情いいですね。
イケオジ達の地位は寅子が説明します。ナレーションでもいいのですが、3人を気にかけていたことを表現するためでしょうね。
「ヒャンちゃん」って呼んじゃ駄目だよ。
漆間さん、法然と同じ苗字。
団子試験。
星家訪問。空気の読めない寅、航、優。
第98回
航一は人がいるところでプロポーズします。頭の良い女性限定ですが「恥をかかせられない」という意識が働くので断りづらくなります。
「勇気を振り絞って」の主語を間違える寅子。花江ちゃん、1秒で諦める。
ピンぼけ星家。
直明は寅子には本音を言う。
原爆裁判。
ビキニはあのビキニの由来。
第99回
桂場。眉間に皺を寄せて以前より厳しい表情。
日能研のCMのような寅子の掃除。
航一は単純に玄関の位置が分からなかったのだと思います。
玲美さん再々々登場。
家族裁判。
母親の留守に玲美を家に呼ぶ。それ駄目だろ。あ、こいつら優未に点数改竄を教唆した奴らだった。
主婦の誇りを失いかける花江ちゃん。
第100回
玲美さん、ただののろけ。
航一が裁判官。のはずが、なぜか花江ちゃんの考えを封じる。航一、Sだと思う。
またも人前でプロポーズする航一。やはりS。寅子を追い詰めるなよ。
朋一ものどかも無反応。それを不思議と思わぬ航一。
添い寝する轟と遠藤。寅子、意味が分からず。同性愛の知識がない。
第101回
「なんともいえない顔」をする寅子。本当に「なんともいえない顔」をする伊藤さんが凄い。告白を聞いても意味が分からず、目を動かして二人を見てやっと察する。
よね、すぐに悟る。
結婚の悩み。
よね、轟と遠藤を見る。寅子何かを察するが、何を間違えたのか分からない。
よねの「帰れ」が優しい。
竹ものでの航一の説明。氷塊。
民法第750条。「夫婦は婚姻の際、定めるところに従い夫または妻の氏を称する」
しかし寅子以外は妻が夫の氏を称することに何の疑問も抱いていません。実は新民法の苗字の話はすでに出ていて、はるさんの旧姓が直井なので「直ばかり」もすでに出ています。
第102回
夢の中で五役の寅子。未来の星寅子は計算高いキャラらしい。映像なので演じ分けの難度はそれほど。ただ舞台でいきなり別人になっちゃう人いるんですね。「中谷さん、それ反則!」。あ、誰がやったのかわかってしまいましたね。
憲法第24条。「婚姻は両性の合意」。つまり同性は含まれない。
ここで寅子は、「男性同士で結婚したい人がいるかも知れない」「でも出来ない」「そんな人たちの前で結婚を軽視した話」をしてしまったことに気づきます。法律で気づくのがリーガルドラマです。轟に謝罪に行く寅子。
航一、星の苗字を捨てる覚悟。星家は名家。その当主が苗字を捨てるのは無理ですね。
第103回
優未は航一に「佐田姓になって」とは言っていないはずで、航一が寅子に相談せずに独断で決めたことです。航一は意外に強引な性格。
忌野清志郎の「世界中の人に自慢したいよ」のような話。
こだわりは本来は悪い意味。桂場、石頭に見えて柔軟。
裁判官が旧姓を名乗れるようになるのは平成29年のこと。ついこの間。
中村 中さんは歌手のイメージが強いですが、役者をやっている時間の方が長いはず。
よねの発言は自身のことを語っているようにも取れますが、どうなんでしょ?
寅子の「はて?」。社会がどうのこうの言っていますが、確かにみんながみんな好きに生きると社会は成立しませんね。
この時点では、寅子は星寅子になることに決めていました。
ただ航一が考えを変えます。
「結婚するのやめましょう」と言われ、振られると焦った寅子が言おうとしたのは、
「航一さん、私(星寅子になります)」
で間違いないでしょう。
第104回
今でいう事実婚の選択。
考えながら喋るように見せる伊藤さんの演技。これ本当に上手いよ。
航一、「君」を初めて使用。
寅子が語る夢は「永遠を誓わないだらしない愛」の具体例です。
提案をしたのは航一なのですが、決定を寅子に委ねたことで、男性側が「はい」という珍しいシーンになりました。
事実婚ですがみんな喜んでくれました。
竹もとにて、サプライズ。
不可解な状況、驚き、喜び、これまでの記憶などが一気に押し寄せて混乱。もはや笑うしかないという超絶高難度のシチュエーションでの演技を行う伊藤さん。混乱から歓喜、感動へと切れ目なく移行。初めて見た時は驚きました。
第105回
民法第750条の不備と憲法第13条および第14条を混ぜたような判決のようなもので結婚のようなもの。
明律大学卒業生を中心とした二次会。
何かの拍子に香子ちゃんの正体がヒャンちゃんだとばれるとまずい小橋と稲垣は呼びません。
「家族」宣言。
「海」。伏線。
何も言わない朋一とのどか。
第106回
のどか、明律大学文学部英文科に入学。優未は寅子のお下がりのワンピース。
麻雀。朋一とのどかは航一に麻雀を教わったことはない。
笑顔を見せて瞬殺の航一。やはりS。
百合さんの態度が、寅子と優未とそれ以外では違う。
秋山登場。「ブギウギ」の秋山美月(伊原六花)が由来だと思われます。
ヒップホップ系小躍り。この時代の人は盆踊りしか知りません。
朋一、百合さんを家政婦扱い。
頭の良いもの同士の争い。引くときは引く。
のどかは大学に入ったら家には寝に帰るだけになるので、家族なんてどうでもいい。
優未は朋一と寅子を比べるが、寅子は花江ちゃんへのリスペクトを欠いたことはない。ので優未の間違いだが寅子が引いて収める。
第107回
「ちちんぷいぷい」。ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」。アーノルド・シュワルツェネッガー。
相手が何を言うのかだいたい分かるので会話の間が短い。
朋一&のどか「手なんか繋いだことねーし」
この世代の大学生はまだ学生服着てますね。
中学生の勉強会。
優未の茶道。伏線。
女車掌。夢野久作の「少女地獄」。「ユメノ銀河」という素敵な映画になっているのですが、主演女優がやらかしまして。
第108回
小橋の「分かる」
中途半端との自認。女がライバルになる。小橋が女子部を魔女部と呼んだ理由が分かる。
基本的に自分語り。「弱い者たちが夕暮れ更に弱い者を叩く」は嫌だろう。
秋山妊娠。「子どもを授かって『しまいました』」
過去がよぎる寅子。
女性の働き方改革。桂場、最初勘違い。
秋山のことだと分かる桂場。「時期尚早」
競争社会。これも伏線。寅子、わざと受け取らず。
明律大学医務室の記憶。これは以前に撮って今出したのでしょうね。
よね、前髪に白髪。この後、白髪染めを使う。
寅子の悪口を言った後輩も着いてきている。
「よねよね」。意外に芸のないネーミング。
第109回
ダンディーライアン。実は優しい桂場。ただバレバレ。愛想笑いにもならない愛想笑い。
「一緒に」。キーワード。航一が朋一に言うのは初めて。
寅子「かっこいいわ」
朋一「(お世辞か?)」
寅子「あら、また何か余計なこと言った?」
朋一「(お世辞じゃなかったか)」
母と寅子を重ねる。
家族のようなもののはずだったのに皆、家族のように。のどか一人が取り残される。
航一と寅子は言葉なしでも通じ合う。
寅子「んー、卵もベーコンもこのパンも最高ね」
朋一「毎日そんな反応して疲れません?」
寅子「???」
朋一「(この人、裏表ないな)」
なので寅子の励ましも素直に受ける。
孤立したのどかの苛立ち。寅子と優未が家族の中心に。
実は伊藤沙莉さん、似た状況を演じたことがあるんです。「家族泥棒!」なんて言われてましたね。
優未の麻雀対決。松山さんも勘違いしていますが、優未は過敏性腸症候群ガス型ですね。優三とは違います。
まるで指揮者の小泉和裕のようにお菓子を買って来てみんなで食べようとする寅子。
第110回
やはり疎外されたのどか。
航一と寅子、アイコンタクトで通じる。
百合さんの過去(百合さんの由来は、石田ゆり子、本名・石田百合子さんでしょうね)。
秋山に自分がして欲しかったことをする寅子。内容が優三。寅子は勝手にレールを敷かれてしまいましたからね。
写真。手をつなぐ寅子と優未。
第111回
寅子、更年期障害。百合さんは認知症。
雲野先生、代表作のオマージュで他界。寅子と轟&よね。電話越しで向き合う構図。
百合さん、言葉が浮かばず。名前が出ないのだと察した寅子は「のどか」と呼びかけることで教えようとするが、のどかは寅子の意図に気づかず。
原爆裁判第1回口頭弁論。老境・竹中次郎記者現る。
第112回
よね「意義のある裁判にするぞ」。これは実は「一緒に」が抜けていますが、寅子は気づきます。寅子は「一緒に海に行きましょう」などと提案するタイプですが、よねの方からは初めて。寅子が驚いて振り返るのはそのためです。
竹中記者とは生存者の中で最も古い付き合い(女子部の面々より先に寅子に声をかけています)。
のどかは銀行に就職。認知症が進む百合さん。余貴美子さん、流石の演技。
鑑定人尋問。
保田先生。原爆は国際法違反と指摘。
嘉納先生。原爆は国際法で禁止されておらず安易な敷衍は危険と指摘。
嘉納先生。日本は損害賠償権を放棄。戦争中に主権在民の今の憲法は存在しない。
よね「原告は今を生きる被爆者ですが」
感情論になったため、よね、いったん引く。
第113回
寅子の質問。被爆者はどこに助けを求めればいいのか。
嘉納先生、明言を避ける。
竹中記者、寅子の発言をタイトルに記事を書く。ペンは剣よりも強し。
航一、「分けてくれないか」返し。
百合さんの財布を家族で探す中、のどか何もせず。
竹もと。寅子と桂場、シンクロあくび。圧力の存在。桂場のアドバイス。
寅子と梅子さん。更年期経験者として明るく受け入れる梅子さん。この後、カットがかからず、ずっとアドリブ。
「ほてほて」と意味不明になってくる。
当事者尋問。漆間が読み上げたリストにもあった吉田ミキさん。
憲法第13条(すべて国民は、個人として尊重される)を呟く寅子。
何の協力もしないのどか。
美大進学を反対された恨み。
今はいないお茶汲みOL。おそらく百合さんが望んだ路線でしょうが、不満ののどか。
優未、「バカ」を連発して、のどかを蹴り倒す。横蹴りは相手を確実に倒すのでやめましょう。優未を演じる毎田さんの目。驚いています。隠されていた暴力性。
隠されていた暴力性は誰もが持っているもので自覚がないと危険です。これを描いた印象に残る小説として宮本輝の『優駿』、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』が挙げられます。
「私ってこんな子だったの?」と驚いて家を飛び出してしまう優未。
第114回
山田轟法律事務所に逃げ込んだ優未。遠藤の発言。実は三條で寅子が高瀬に語った内容に似ています。ここもリフレイン。
覗き見する寅子。桂場のオマージュ。
自分の暴力性を受け止められず、謝れない優未。
「カレーカレー」と歌う寅子。優未を巻き込む。さては伊藤さん、岡田さんも巻き込んだな。
吉田ミキさん登場。入山法子さん。
ケロイドあり。
美貌が自慢だったミキさんも今は昔。憲法第14条の「差別されない」に容姿は含まれていない。
自分が犠牲になろうとするミキさん。憲法第13条「すべて国民は、個人として尊重される」。だがその前にご自分を尊重しないと。幸福を追求して下さい。
第115回
梅子さん、合格。無表情で拍手する桂場。
道男、梅子さんと組む。
原爆裁判。弱気の汐見と漆間。寅子、一矢報いようとする。
認知症が悪化する百合さん。寅子は敢えて自分の話。その後、百合さんに寄り添う。謝る人が非常に多いが、原罪か。
判決文は実際のものです。
まず原爆の国際法違反。ただ損害賠償権の根拠なし。
記者達が走って出ようとするのを汐見が声を大きくして制止。伊藤さんはまばたきをほとんどしない演技。当事者の眼差し。
寅子の提案で書き加えられたとされたのは、国と政治の貧困を嘆く部分。よねは目の角度から寅子を見ていることが分かる。
寅子は立ち上がる際に、よねを一瞬見ます。よねは泣いている。嬉し涙です。寅子が意義のある裁判にしてくれたことの。よねは微かに頷いています。裁判は原告側敗訴でしたが一矢報いました。
そして尊属殺の裁判もこれに呼応します。
第116回
竹中次郎記者。初の著作。竹中が言おうとしたのは、「思い残すことはない」でしょうが、寅子の前向きな目を見て言うのをやめます。竹中記者、笑顔で退場。
山田轟法律事務所に来た寅子。「私」の後に来る言葉は航一との会話で明かされます。「できることはやった」です。「でもこれで原告の被爆者の方が報われる訳じゃない」
声を上げ続けることの大切さ。分け合う、もがく。
写真では寅子と優未が手を繋いでいましたが、百合さんは義理の息子の航一と手を繋いで退場します。対になりました。
高麗屋久しぶりに登場。「腹の傷、見るか」。原田左之助だったようだ。
優未は大学院生。
博士課程3年まで行きます。
慈母の目をした寅子。
桂場、最高裁長官就任。星家にテレビが現れたのはこれが初めてで、いきなりカラーです。
第117回
尊属殺裁判。
笹寿司と竹もとを合わせた笹竹誕生。
高麗屋は病み上がりなので猫背。なので伊藤さんは顎を引いて高麗屋を上目遣いで見つめます。この眼差しが美しい。
航一が階段を下りるシーン。声が老けてます。息が抜けます。
東大安田講堂占拠事件。
汐見とヒャンちゃんの娘、薫。こちらの薫は娘なので女です。小泉進次郎構文みたいですが、あちらの薫は息子なので男です。
美位子。深刻なことほど明るく言う女性。尊属殺の犯人。寅子はやはりその場にいない人の話を嫌う。
穂高先生は尊属殺は違憲と主張するも退けられていた。
原爆裁判を争った反町は寒河江議員の秘書に。
興福寺阿修羅像の目をした寅子。全身から優しさが溢れ出る。背が低いのもプラス。
第118回
始まる前から泣いている中山先輩。早いと指摘したよねも怒るのが早い。中山先輩、泣くのも早いが怒るのも早い。寅子はこれまでとは別人のように冷静。
一方の航一は人が変わったように情緒を乱す。
行政の司法への介入。露骨に嫌悪感を示す桂場。
「自己批判」は文化大革命でよく使われた言葉ですが、文革の実態は日本ではまだ明らかになっていない時代。ソ連の「インターナショナル」が歌われますが、武満徹がギターソロ版に編曲したものが美しいです。村治佳織盤がお薦め。
過敏性腸症候群の優未。生田絵梨花さんも最近、過敏性腸症候群の役をやられていましたし、中谷美紀さんもやられています。「R17」ってドラマだったかな。
階段を上るのも苦しそうな航一。確実に老いていきます。
第119回
のどかの恋人、誠也。
優未は大学院生博士課程3年だが中退を考える。ポスドク問題。競争社会で勝てと航一。
「航一さん、黙って!」
航一の言うことも正論だが、寅子は優未の意志を尊重。はるさんとの会話のリフレイン。そしてラストへ繋げる。
誠也のウルトラポジティブな勘違い。間違いの喜劇。
はるかはそんなこと言ってないのだが、結婚話が進む。航一と寅子の対比。航一興奮しすぎ。
寅子「あら嫌だ怖い」
航一、語るが寅子、無視するように話を始める。「大丈夫?」は伊藤さんのアドリブ。不意打ちに近いが岡田さん、よく返す。全て寅子中心に回るが、寅子は常に航一を気にかけている。というより寅子しか航一にしか気を配っていない。この夫婦は寅子の方が上手。
興奮しすぎて倒れる航一。家族が大丈夫だと思ってるんだから大丈夫でしょう。
寅子「怒っている航一さんもチャーミングでしたよ」のフォローからの「お疲れ様でした」即退散。航一、振り回されて笑うしかない。これ撮ってスタッフは楽しくて仕方ないと思います。
少年法改正論議。ライアンの静かな怒り。
公害裁判。企業側に不利となる桂場の判断。
寅子同様、降参した優未。「モン・パパ」以外も歌えるように(「恋の季節」。寅子からの自立の第一歩か)。
死を覚悟する幸四郎。
第120回
高麗屋の家に集う人々。穂高イズムは何度もリフレインされます。
「ありえない」はヒャンちゃんの口癖。
小橋と稲垣からヒャンちゃんを隠す寅子。隠すのやーめた。二人ともヒャンちゃんを覚えていました。
すぐ抱擁したがる高麗屋。小橋は演出家さんに特別に出世する設定に変えてもらったそうです。
少年法改正反対。刑罰よりも更正を。それが再犯防止。愛を語る滝藤さん。師の仲代さんが乗り移ったかのような名演技。
高麗屋、桂場に来て欲しいと電話。断る桂場。結局、会えずに終わる。
歴史の流れの中では人間は小さい。トルストイが『戦争と平和』でナポレオンについて何度も書いたように。
多岐川逝く。朝鮮滞在経験があり、朝鮮と朝鮮人に理解を示し、朝鮮人のヒャンちゃんを庇護したまさに高麗屋。
「瀬を早み岩にせかるるたき川のわれても末に逢はむとぞ思ふ」(崇徳院)
意味は偶然にも、さよーならまたいつか!
第121回
銀残し風の映像。
よね、今日は白髪染めが粗め。
寒河江幹事長。アル・カポネみたい。司法への介入。
朋一の勉強会。
「国民」「社会」という曖昧な主語。
笹竹にて。注文していない団子を道男から差し入れとして貰う。目をクシャとさせてじっくり味わう寅子が可愛い。
おそらく同和問題。
今も真偽不明の一覧がネット上に出回る。
集団左遷。ブルーパージ。朋一の強がりを航一は見抜く。
第122回
寅子、音羽屋(円井わん)とのコンビ。
桂場と対峙する寅子。ブルーパージを認める桂場。
ブルーパージの理由を述べる桂場だが、本当に寅子は「理由が分からない」と言っているのでしょうか。主語を切り替えて「あなたが分かりません」と言っているのではないでしょうか。桂場が語った内容には触れません。
聞くのは桂場のスタンスについて。桂場の述べた理由は「純度が低い」どころか正論でもない。ただの決めつけ。寅子は真意を見抜けなかった桂場に、「私の言うことももう分からないんですか?」と聞いてきます。ハイテクスト。
穂高イズムを否定する桂場。
暴力は魂を殺す。人類は繰り返してきた。
第123回
音羽屋、家裁のバランスと性質を疑問視。家裁のために東奔西走した寅子ですが、下の世代には伝わっておらず。ただ人事の問題とはいえ、家裁を離れていたのも事実。
少年犯罪討論会。マスコミへの不信を語る直明と寅子。
「寄り添う」というキーワード。
明律会。航一は明律OBではないので遠慮。
青春の日々の回想。「輝いた青春の木漏れ日が眩しい」
美佐江によく似た少女、美雪登場(片岡凜二役)。前歯を突き出すようにした不気味な笑顔。揺らぐカメラ。
でも美雪、演技は下手。
音羽屋の腕を探る。寅子のトラウマ。
第124回
直道の精神を受け継ぐ寅子。お兄ちゃん大好き。まるで伊藤沙莉って子みたい。
美雪、大根演技。この時、片岡さんは両肩を前ですぼめて、不自然に見えないよう両手を前で重ねています。
言いよどむ美位子。
涼子さん、司法試験合格。しかし法曹にはならず。知ったかぶりする世間への反抗。
法曹になることだけが法の道ではない。
よね、煎餅をこぼす。
伊藤さん「ぶちまけたわね」とアドリブ。土居さん、顔が笑ってる。桜井さん、「お醤油煎餅」を食べながらだったので「おしょうず煎餅」と噛む。伊藤さんの「なんですって?」に吹き出す二人。
本来NGのはずが可愛いので採用テイクに。
自分だけが不幸なんじゃないと確認したい美位子。よねに見抜かれる。
朋一、裁判官を辞める決意。
第125回
航一対桂場。
航一、言ってる内容が寅子。そして穂高先生。穂高先生と喧嘩した寅子サイドが穂高を擁護し、穂高イズムの継承者であるはずの桂場が穂高を否定するという逆転の構図。半沢直樹が始まった。かと思ったが半沢ではないので、鼻血が。
なんか可愛い桂場。
航一が目を閉じているシーン。
なのでそれを利用してサプライズのハッピーバースデーが行われた場面でもあります。
寅子必殺の上目遣い。
桂場との思い出。法律を知った若い頃の本当の自分。桂場と穂高先生、肯定される。
「どの私も私。つまり全部含めてずっと私」
「はて? 妬ける? 何に?」。ここはチェンジアップです。寅子は分かってます。航一とじゃれてるだけ。笑い合う二人。桂場も妬かれてるのが自分なので怒れません。
朋一を見つめ続ける寅子の視点ショット。愛情に溢れています。
意見をちゃんと読んでくれる桂場。ちゃんとした人。
美佐江の死。残されたメモ。人に見られた時のことを考えてわざと数ページ空白。美佐江、頭いい。
青春の蹉跌。罪の告白。「身ごもれば」。例えば太宰治の『斜陽』はそんな話。
意図的に文章を変えて読み変える片岡さん。
あの後、美佐江と話し合いたいと言っていたのに、ライトハウスで会っても何も出来ず、フォロー出来なかった。美佐江が墜ちた「孤独地獄」
第126回
美雪が手帳を忘れたのはわざとで、手帳を「こんな大切なもの」と寅子に聞かせるためです。片岡さんが敢えて下手に演じているので、美雪の意図がバレていますが。
航一「寅子さんの独り言を盗み聞きするつもりはないよ」
これは「何でも聴いてあげるから話してご覧」の言い換え。一々ハイテクスト。
航一の「ちちんぷいぷい」。ものすごい顔で受ける寅子。
家具職人を目指す朋一。ハリソン・フォードみたい(ハリソン・フォードの前職は大工とされていますが、戸田奈津子さんによると家具職人に近いようです)。
尊属殺裁判。
よねの弁論は史実ベースです。「はて?」はそれが寅子の口癖だと分かるものに向けて発せられたもの。
六道。「畜生道」以下は「畜生道」「餓鬼道」「地獄道」
「無力な司法を」「嘆かざるを得ない」
寅子が着想した設定の原爆裁判判決文「政治の貧困を嘆かずにはおられない」と対になる。
寅子は政府をよねは司法を批判。二人が盟友であることが分かる瞬間。
第127回
美雪は相変わらず肩を前にすぼめています。
「どうして人を殺しちゃいけないのか」。人類の歴史は戦争の歴史で人を殺し続けてきた訳です。
寅子の答えは特別なものではありません。ただ母親を社会に殺されたようなものの美雪には効きます。仏教の基本に待機説法というものがあるのですが、それに近いものがあると思います。仏教系苗字の漆間さん(法然上人が出た家と同じ苗字)いましたね。待機説法は「寄り添う」ことでもあります。かつて寅子は一般論を述べて寄り添ったつもりでした(見抜かれて襲撃される)。今は違います。
実は釈迦も答えの出ない質問には答えませんでした。
「分からないからこそやらない」はそれに通ずるものがあります。
寅子を正面から捉えた映像で寅子は顔を向かって左に傾けています。美雪が顔を向かって右に傾けているのでそれに合わせています。視覚的な「寄り添う」です。
ここで唐突に美雪は美佐江の話をします。母親の話はしていないのに。
美佐江が残した言葉の呪縛です。はるさんが自身の日記を燃やすよう言ったのは自分が残した言葉にとらわれて欲しくなかったのも一因。寅子の性格ならとらわれてしまう可能性はあります。
美雪は美佐江の亡霊を背負っている。
それを看破する寅子。ここでの片岡さんの表情の移り変わり、いいです。
刃物を取り出す美雪。寅子は昔と違い、うろたえません。「救うに値しない」。これは意味は違いますが、ナチスのT4作戦を連想させます。
ただ美雪言っているのはどちらかというと優生思想です。
美佐江が優れていたのか怪物だったのかもう分かりません。もう彼女はこの世にいません。ライトハウスで会っているのに何もしなかったんです。何もしないのは見捨てたも同然です。
見捨てた結果が美幸を母親の虜にします。美雪から呪縛から解こうとする寅子。美雪は自分が特別でありたいのですが、そんな必要はありません。憲法第13条「すべて国民は、個人として尊重される」。特別でなくても尊重されるんです。伊藤さん、瞬きをしない演技。
美雪は出て行く。疲労困憊の寅子。三條リフレイン。やはり疲労困憊になるシーンがありました。寅子は全力でぶつかるんですね。
半年後、美雪との再会。美雪は肩を張ってます。姿勢から違います。
寅子の背後から西日が差して後光のよう。まるで寅薬師。西光寺。
第128回
最高裁開廷。
寅ちゃんさんと美位子との対話。罪の意識。美位子、悪魔の囁きを受けている状態。憲法第31条「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」。判決は出ていないので自分を罰する必要はありません。憲法第13条「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」。寅ちゃんさんの答えはこれがベースです。
桂場、尊属殺を否定。桂場最後の仕事となった。どうやら甘いものが不足。
そうだ、多岐川が絵にしたチョコレートがあった。
繋がった。
美位子、自由に。サルトル「人間は自由の刑に処されている」。でも実際の刑よりはましでしょう。
寅子。声よりも抜ける息の方が大きい。老いが訪れる。
「愛」
清志郎「愛しあってるかい?」「Love&Peace」
寅子は他責を主張。直後に効きます。
美位子「さよなら」
寅ちゃんさん「またいつか」
第129回
他責、何かのせいを、何かのお陰とプラスに転換。「My Favorite Things」リフレイン。拠り所を作って欲しいと言ったのは寅子です。寅子の育て方を優未が肯定。
優三登場。航一も気配を察することになるのでイマジナリーではなく幽霊です。
優三は寅子に「好きに生きること」を願い、寅子も優未にそれを繋げました。感謝する優三。
航一帰宅。「泣いてました?」。三條リフレイン。「二人だけ」と本当に二人だけの時は言わないことを口にする寅子。
航一「(茶室に誰かいたな)」
横浜家裁の所長に就任することになった寅子。
花江ちゃん長ゼリフ。やっぱり癖出てますね。気づいている人、少ないので大丈夫。
夫(寅子にとっては兄)に成り代わって花江ちゃんを賞賛する寅子。最大級のリスペクト。三條女子会リフレインですが、これはアドリブでしょう。
寅子。三淵嘉子さんと同じ服装。
笹竹にて。有志によるお祝い。
「たとえば君がいるだけで心が強くなれること」
和服姿の桂場。指定席に座る。
寅子の前で、団子を、食べた。寅子も邪魔しませんでしたが、相手を信頼している証。
法とは船のようなもの。例えば憲法は国を規定するものなので、日本を船に例えることにもなります。
そして憲法第14条からの憲法第12条「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」
桂場「私は今でもご婦人が法律を学ぶことも職にすることも反対だ」
第130回
星寅子にはならなかったが、星になった寅子。音楽なしでのラジオ体操。三條リフレイン。三條市は金物工業が盛んな街で、朝ドラバトンタッチの時に伊藤沙莉さんは三條産のフライパンを橋本環奈さんに贈っています。
時は飛んで平成11年。優未は自分の得意を生かした静かな生活。
家族に親族、お弟子さんや仕事仲間はいても、友達はいないようですね。それでも寂しくはなさそう。
花江ちゃんは最後までしたたかな女。
本物の笹竹(竹むら)の外観。
優未は寅子がいつも座っていた席で寅子そっくりの団子の食べ方。
死後も寄り添う寅子。
営業の仕事に就いたと思われる美雪。
突然のクビ宣告。法律の力で助けようとする優未。星になった寅子の後押し。親子二代で美雪と関わる。舞台は寅子青春の御茶ノ水。
朋一は家具職人、のどかは美術関係の仕事を選択。
憲法第22条「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」
老境、航一。
寅子「法律は船のようなもの」
優未「法律はお母さん」
優未の見解は効いてきます。
航一の独り言。余生が諦観に満ちたものから楽しむものに変わる。
実は霊感があって寅子と話せる。「はて?」と「なるほど」の交代、というよりももう二人の言葉になっているのでしょう。
航一「ほら、あの時ですよ」
あの時、
笹竹での桂場との対面。法を知れば知るほど女性たちは苦しむ。だから女性が法に関わることに桂場は反対する。
穂高イズム最後まで生きる。
犠牲になるのも自ら望むものなら、それが未来に繋がるのなら至極光栄。「人はみな大河の一滴」(五木寛之)
今はもう寅子の志を受け継ぐ者がいる。
明律大学の仲間だけではない。後輩もいる。
桂場、前言撤回。時代は変わった。
はるさん登場。
優未「法律はお母さん」
六法全書を寅子に買い与えたのは、はるさん。法律は寅子の翼。つまり翼を与えたのははるさんで、はるさんが翼=法律。
法とは何かを問う寅子。
最後のピントは女性たちではなく悠然と団子を味わう桂場に合っています。
思えば、最初に寅子の能力を見抜いたのはあなたでしたよね。寅子、ものになりましたよ。おめでとうございます。どうですか、勝利の味は。
女性の地位はまだ低いです。彼女たちも犠牲になるのかも知れません。しかし、
「いまの世の中で、一ばん美しいのは犠牲者です」(太宰治『斜陽』)
さよーならまたいつか!
あー、終わっちゃった。
法律とは、憲法なら国家を規定するものではありますが、国民を等しく照らし肯定する太陽のようなものと申しましょうか。中でも憲法第11条「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」
「私は私、全て私」と肯定でき、将来の人々に生まれた日から「私は私」を保証するこの条文は燦々と輝いています。
完走しました。読んで下さる方がいらっしゃるんですね。どなたか分からないのですが嬉しいです。
あ、プロデューサーの伊藤沙莉さん、最高でしたよ。
「このつぎの人生も会いましょう」(サーカス「風のメルヘン」より)
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