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2025年8月29日 (金)

これまでに観た映画より(395) 「アゲイン 28年目の甲子園」

2025年8月23日

U-NEXTで、東映映画「アゲイン 28年目の甲子園」を観る。原作:重松清『アゲイン』。監督・脚本:大森寿美男。出演:中井貴一、波瑠、柳葉敏郎、西岡徳間、太賀(仲野太賀)、門脇麦、堀内敬子、村木仁、阿南健治、安田顕、久保田紗友、西尾まり、工藤阿須加、和久井映見ほか。角盈男、高橋慶彦といった有名プロ野球OBがカメオ出演している。

坂町晴彦(中井貴一)は、46歳。スポーツ新聞社の総務部で働いている。川越学院高校時代は、サードを守りキャプテンを務めていたが、埼玉県大会決勝の前日に松川典夫(太賀)が、不祥事を起こし、決勝戦は出場辞退となっていた。
野球が好きでスポーツに携わりたいということでスポーツ記者となった坂町だが、離婚後、一人娘の沙奈美(門脇麦)は母親を選び、坂町は今は一人暮らしで、記者から総務への異動を願い出ている。妻と娘への負い目があった。妻は再婚したが、その後に亡くなった。沙奈美の義父(役名なし。安田顕)によると沙奈美は家を出て一人で暮らしているそうである。
そんな坂町の家に、神戸大学の学生である戸沢美枝(波瑠)が訪ねてくる。マスターズ甲子園に出てみないかと誘い、父親が何年にも渡って書いた年賀状を坂町に渡す。美枝の父親は松川典夫であった。漁師だった典夫は、昨年(2011年)の震災(東日本大震災)で亡くなったという。
当初は美枝を相手にしなかった坂町だが、当時のエースピッチャーだった高橋直之(柳葉敏郎)がリストラに遭い、家族には背広姿で朝に出掛けて勤めを続けているように見せかけ、ハローワークに通っていたり、キャッチャーだった山下徹(村木仁)が信用金庫に務める傍ら少年野球チーム(ユニフォームが1998年に優勝した時の横浜ベイスターズのものにそっくりである)の指導をしていたりと、それぞれの人生を知り、やがて川越学院高校野球部OBはマスターズ甲子園参加を決める。

マスターズ甲子園は7回制。基本的なルールは一緒だが、4回以降は35歳以上しか出場出来ず、投手は30歳以上である必要があり、2イニングスまでしか投げることが出来ない(現在はルールが少し変わっているようである)。
47都道府県の代表が集まるわけではないが(参加校がいない県もある)、各県、もしくは各地区ごとに予選が行われ、予選大会で優勝したチームが阪神甲子園球場でトーナメンを行い、優勝を目指す。阪神タイガースの公式戦が終わった秋に行われるが、2011年は震災の影響で年末に開催されている。
実際はどうなのか分からないが、吹奏楽やチアリーダーによる応援もあり、華やかである。吹奏楽は古田敦也の母校として知られる兵庫県立川西明峰高校と龍谷中学校の吹奏楽部が受け持っている。

マスター甲子園を軸に、二組の父娘、夫婦愛などが描かれる。ハートウォーミングな作品である。
作品の舞台となった2012年から13年が経ち、映画が公開された2015年から10年が経ったということで、46歳だった川越学院OBの選手よりも今は私の方が年上になってしまった。そう考えると感慨深い。

野球は大好きだが、野球チームに入ったことはない。私の能力ではレギュラーになるのは無理だと分かっていたからだ。野球を嫌いになりたくなかった。
それでも打ったり投げたりは好きで、バッティングセンターにも機会があれば通う。ただ、今年の春に東京の神宮バッティングドームでピッチングを行ったが、抜けるか叩きつけるかで、ストライクを取るどころかゾーンにすら入らなかった。神宮バッティングドームには、前身の神宮バッティングセンター(北野武監督の「HANA-BI」でその姿を見ることが出来る)の頃から週2、3回のペースで通い、ストライクも取れたし、スピードも100キロ近く出た。だがもうピッチングは限界かも知れない。

酷暑により、続行は危険なのではないかと言われている全国高等学校野球選手権大会。「ドームでやれ」と簡単にいうが、札幌ドーム以外のドーム球場はプロ野球団の本拠地であり(札幌ドームは高校生が野球を行うには余りに過酷な環境である)、高校野球が開催されたとして、代替本拠地はどうなるのかという問題がある(阪神タイガースには「死のロード」があったが、今は京セラドーム大阪を代替本拠地とすることで過酷さはほぼなくなった)。そして使用料が掛かる。甲子園球場は全国高等学校野球選手権大会の前身である全国中等学校野球選手権大会のために建設された野球場(その他のスポーツ開催も前提とした甲子園大運動場の名でオープンしたが、その後、野球用に改められている。ただアメフトの甲子園ボウルやラグビーの試合などは行われる)であり、第1使用権も保持。ここで高校野球を行う歴史的根拠がある。「秋にしろ」というが、秋には長期休暇がないので授業を何日もサボって野球三昧という訳にはいかない。それに選抜を決める秋季大会と明治神宮大会、国体がある。「冬にしろ」と本気で言う人もいる。「サッカーやラグビーは冬にやっている」というが、サッカーやラグビーと違って野球は投手以外は動きの少ないスポーツである。体が冷えたところで横っ飛びでもしたら大怪我になりかねない。ということで高野連も冬季の試合を禁じている。それに冬には3年生はすでに引退している。
選手達は攻撃の間、クーラーの効いたベンチで休めるからいいが、吹奏楽やチアリーダーが大変という話があるが、4、5、6回は休みにするとか、1回おきに休みにするとかまだ対処法はありそうである。

「甲子園」という、世界で一つの文化的価値を考えさせられる映画でもあった。

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